住めば都
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◇◇◇◇◇◇◇
「おばあちゃん、おはよう。」
「おはよう。
あれ、まぁ……つばさ、今日は早くないか?」
祖母が台所に現れた私を見て、驚いた顔をした。
日曜日の今日、学校が休みということもあって、いつもより遅くまで寝ると思っていたのだろうか。
「いつも通りに目が覚めてね。
顔 洗っていたら、お味噌汁のいい匂いがしたから、お腹すいちゃって。」
私は大きな食器棚の引き出しを開け、箸と箸置きを人数分取り出して食卓へと配膳する。
食卓の上には既に焼き鮭、だし巻き玉子、小鉢に入った納豆等が並んでいた。
「おばあちゃんの朝ごはんってさ、旅館の朝食みたいだね~」
宮城で暮らし始めて数日経ったが、いつ見ても思うこと。
東京にいた頃はコーヒー、パンと目玉焼きというメニューを自分で作っていたから、ここの朝食が新鮮に感じる。
「何が『旅館』 だ。
見た目はそうかもしれねぇが、味は三流だ。
バカ言ってねぇで、ほら 味噌汁運べ。」
祖母は照れたのか、恥ずかしそうな顔して温かな湯気が立ち上る汁椀が乗った盆を差し出してきた。
今日は椎茸と豆腐の味噌汁だ。
「はい。」
私はそれを受け取り、味噌汁の香りを胸いっぱいに吸い込む。
東京では味わえなかった温かな家庭の香り。
それだけで幸せな気持ちになれるなんて、私は単純な人間なんだろう。
そう思う反面、今 東京にいる母がどうしているのか……
気になって仕方なかった。
「そういえば、つばさ……
今日は砂羽と携帯、買いに行くんだろ?」
祖母は味噌汁を配膳し終えた私を見ながら、椅子に座り込む。
「うん……
私は『要らない』 って言ったんだけど……」
私も祖母の向かいの席に着き、テーブルの上に置かれた祖母の携帯を眺めた。
可愛らしいピンク色に自然と笑みがこぼれる。
「ま、持った方がいいだろ。
あっても困るもんじゃねぇ。
メールとかカメラとか 使ってみたら、意外に面白いもんだ。
それにつばさが持ってねぇと、彼氏が困るだろ?」
携帯を得意気にパカパカと閉じたり 開いたりする祖母はニヤリと笑い、私の顔を見つめる。
「彼氏?
そんな人、いないけど。」
高校生は皆 彼氏がいると思っているのだろうか?
そんなこと言ったら、私なんかどうしたらいいの?
年齢=彼氏いない歴だっていうのに。
「この前、電話してきた男の子は?
ありゃ、東京にいる彼氏だろ?」
それを聞いて、思い出した。
宮城に着いた夜、この家にガクちゃんが電話してきたことを……
祖母は完全に彼氏だと勘違いしているようだ。
「おばあちゃん、あの人は彼氏じゃなくて、友達……親友だよ。
私がちゃんと無事にこっちに着いたか、心配して掛けてきただけ。」
と否定するが、
「まぁまぁ……照れんな。
砂羽もつばさが遠慮せずにここで暮らせるように、いろいろ世話してやりたいのさ。」
祖母は笑顔でスルー。
携帯をテーブルに置き、柱に掛かった時計を見上げた。
「おばあちゃん、おはよう。」
「おはよう。
あれ、まぁ……つばさ、今日は早くないか?」
祖母が台所に現れた私を見て、驚いた顔をした。
日曜日の今日、学校が休みということもあって、いつもより遅くまで寝ると思っていたのだろうか。
「いつも通りに目が覚めてね。
顔 洗っていたら、お味噌汁のいい匂いがしたから、お腹すいちゃって。」
私は大きな食器棚の引き出しを開け、箸と箸置きを人数分取り出して食卓へと配膳する。
食卓の上には既に焼き鮭、だし巻き玉子、小鉢に入った納豆等が並んでいた。
「おばあちゃんの朝ごはんってさ、旅館の朝食みたいだね~」
宮城で暮らし始めて数日経ったが、いつ見ても思うこと。
東京にいた頃はコーヒー、パンと目玉焼きというメニューを自分で作っていたから、ここの朝食が新鮮に感じる。
「何が『旅館』 だ。
見た目はそうかもしれねぇが、味は三流だ。
バカ言ってねぇで、ほら 味噌汁運べ。」
祖母は照れたのか、恥ずかしそうな顔して温かな湯気が立ち上る汁椀が乗った盆を差し出してきた。
今日は椎茸と豆腐の味噌汁だ。
「はい。」
私はそれを受け取り、味噌汁の香りを胸いっぱいに吸い込む。
東京では味わえなかった温かな家庭の香り。
それだけで幸せな気持ちになれるなんて、私は単純な人間なんだろう。
そう思う反面、今 東京にいる母がどうしているのか……
気になって仕方なかった。
「そういえば、つばさ……
今日は砂羽と携帯、買いに行くんだろ?」
祖母は味噌汁を配膳し終えた私を見ながら、椅子に座り込む。
「うん……
私は『要らない』 って言ったんだけど……」
私も祖母の向かいの席に着き、テーブルの上に置かれた祖母の携帯を眺めた。
可愛らしいピンク色に自然と笑みがこぼれる。
「ま、持った方がいいだろ。
あっても困るもんじゃねぇ。
メールとかカメラとか 使ってみたら、意外に面白いもんだ。
それにつばさが持ってねぇと、彼氏が困るだろ?」
携帯を得意気にパカパカと閉じたり 開いたりする祖母はニヤリと笑い、私の顔を見つめる。
「彼氏?
そんな人、いないけど。」
高校生は皆 彼氏がいると思っているのだろうか?
そんなこと言ったら、私なんかどうしたらいいの?
年齢=彼氏いない歴だっていうのに。
「この前、電話してきた男の子は?
ありゃ、東京にいる彼氏だろ?」
それを聞いて、思い出した。
宮城に着いた夜、この家にガクちゃんが電話してきたことを……
祖母は完全に彼氏だと勘違いしているようだ。
「おばあちゃん、あの人は彼氏じゃなくて、友達……親友だよ。
私がちゃんと無事にこっちに着いたか、心配して掛けてきただけ。」
と否定するが、
「まぁまぁ……照れんな。
砂羽もつばさが遠慮せずにここで暮らせるように、いろいろ世話してやりたいのさ。」
祖母は笑顔でスルー。
携帯をテーブルに置き、柱に掛かった時計を見上げた。