住めば都
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◇◇◇◇◇◇◇◇
午前6時半、毎朝 皆揃って朝食を採る時間。
いつもと同じ朝が始まる。
「もうそろそろ、じいさんもウォーキングから戻るはずだから、砂羽を起こしとくれ。」
「はい。」
『住めば 都』 っていうけど、本当だね。
数日いただけで、ここが私の居場所……
帰る場所になっている。
おばあちゃん、おじいちゃん、砂羽さん……
こっちに着いてから、私は充分なくらい良くしてもらっているよ。
本当に有り難いくらい。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「……砂羽さん、どれでもいいよ。」
「はぁ?
どれでもいいって、投げやりにならないでよ。
安い買い物じゃないんだから。」
叔母に連れられてやって来た携帯ショップ。
店内に並ぶ携帯やらスマホを眺めていたが、今まで持ったことないから何がいいのか、さっぱりわからなかった。
「だから、携帯 要らないってば。」
「要らないじゃないわよ。
さ、もう一度、よく見て!
次、同じこと言ったら、私が勝手に決めるわよ!!」
さっきから、この会話の堂々巡り。
私は仕方なく、棚に飾られているスマホを遠巻きに眺めていると、隣にいた店員が優しく声を掛けてきた。
「あの……お客様は初めて携帯を持たれるということですよね?」
「はい。
でも、どちらかと言えば『持たされる』 って感じです。」
隣にいた叔母に視線をやると、今にも「あぁーん?」 と因縁を付ける不良みたいな顔をしていた。
私は慌てて 目を反らしながら、スマホのモックを手に取る。
「ご心配なんですよ。
どこにいるか、連絡取れないと……。」
店員のお姉さんはにっこり笑いながら、叔母に会釈した。
すると、叔母はそうそうと相づちを打ちながら、頷く。
「今は必要じゃないかもしれませんが、使ってみたら便利で楽しいですよ。
まずは何をしてみたいか……イメージされてはどうですか?
例えば、ネットゲームしてみたいとか、動画を見たいってことであれば、スマホ。
電話やメールメインで使うとか、複雑な操作に不安があるようでしたら、携帯とか……
自分に合った物を選ばれたら、決まり易いかと……」
店員さんはそう言いながら、売れ筋のスマホと携帯を何機種か、手にして説明を始めた。
どっちにしようか……悩んでいる私の隣で、
「説明聞いていたら、何だか私も欲しくなってきた……」
叔母も真剣な顔をして端末を見つめている。
……誰の買い物しに来たんだか。
半ば呆れ気味で叔母を眺めつつ、私も店員さんの話に耳を傾けた。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇
「……岳、電話じゃねぇの?」
稽古が始まる直前のロッカー室。
リュックに入れていたスマホがブルブルと振るえていると隣にいた先輩が指摘する。
「あ、ほんとだ……」
ロックを解除して、画面を見るが、スマホに登録されていないのか……
名前の表示がない見慣れない番号からの着信だった。
午前6時半、毎朝 皆揃って朝食を採る時間。
いつもと同じ朝が始まる。
「もうそろそろ、じいさんもウォーキングから戻るはずだから、砂羽を起こしとくれ。」
「はい。」
『住めば 都』 っていうけど、本当だね。
数日いただけで、ここが私の居場所……
帰る場所になっている。
おばあちゃん、おじいちゃん、砂羽さん……
こっちに着いてから、私は充分なくらい良くしてもらっているよ。
本当に有り難いくらい。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「……砂羽さん、どれでもいいよ。」
「はぁ?
どれでもいいって、投げやりにならないでよ。
安い買い物じゃないんだから。」
叔母に連れられてやって来た携帯ショップ。
店内に並ぶ携帯やらスマホを眺めていたが、今まで持ったことないから何がいいのか、さっぱりわからなかった。
「だから、携帯 要らないってば。」
「要らないじゃないわよ。
さ、もう一度、よく見て!
次、同じこと言ったら、私が勝手に決めるわよ!!」
さっきから、この会話の堂々巡り。
私は仕方なく、棚に飾られているスマホを遠巻きに眺めていると、隣にいた店員が優しく声を掛けてきた。
「あの……お客様は初めて携帯を持たれるということですよね?」
「はい。
でも、どちらかと言えば『持たされる』 って感じです。」
隣にいた叔母に視線をやると、今にも「あぁーん?」 と因縁を付ける不良みたいな顔をしていた。
私は慌てて 目を反らしながら、スマホのモックを手に取る。
「ご心配なんですよ。
どこにいるか、連絡取れないと……。」
店員のお姉さんはにっこり笑いながら、叔母に会釈した。
すると、叔母はそうそうと相づちを打ちながら、頷く。
「今は必要じゃないかもしれませんが、使ってみたら便利で楽しいですよ。
まずは何をしてみたいか……イメージされてはどうですか?
例えば、ネットゲームしてみたいとか、動画を見たいってことであれば、スマホ。
電話やメールメインで使うとか、複雑な操作に不安があるようでしたら、携帯とか……
自分に合った物を選ばれたら、決まり易いかと……」
店員さんはそう言いながら、売れ筋のスマホと携帯を何機種か、手にして説明を始めた。
どっちにしようか……悩んでいる私の隣で、
「説明聞いていたら、何だか私も欲しくなってきた……」
叔母も真剣な顔をして端末を見つめている。
……誰の買い物しに来たんだか。
半ば呆れ気味で叔母を眺めつつ、私も店員さんの話に耳を傾けた。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇❇
「……岳、電話じゃねぇの?」
稽古が始まる直前のロッカー室。
リュックに入れていたスマホがブルブルと振るえていると隣にいた先輩が指摘する。
「あ、ほんとだ……」
ロックを解除して、画面を見るが、スマホに登録されていないのか……
名前の表示がない見慣れない番号からの着信だった。