自業自得
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「お疲れっした!」
「お疲れ~」
部活も終わり、部員達は体育館から部室へ向かう。
いつもなら俺もその群れの中にいるのだが、今夜は帰れない。
一人でボールを拾い集め、カゴへと放り投げる。
「なぁ、本当に帰っていいのかな?
ちょっとぐらい片付け、手伝った方がいいのかな?」
体育館の入り口で不安そうな表情でこちらを見ている芝山。
その隣で犬岡もキョロキョロと他の部員(一年)の顔色を窺っている。
だが、この男だけは違った。
「ダメだって。
監督も『練習遅れたペナルティー』だって言ってたろ?」
リエーフ。
日頃、練習を脱け出そうとするから、『ペナルティー』を課すことがあったが……
「最近、弛んでる黒尾先輩にはしっかり『ペナルティー』で気を引き締めてもらわないと!
ほらほら、皆 早く帰ろうぜ~」
容赦ねえ。
満面の笑みを浮かべ、残っていた一年達を言いくるめると、
「黒尾先輩、片付けお疲れッス。
じゃ、お先ッス~」
体育館を後にする。
「……はぁ……っ……」
密かに芝山達が片付けを手伝ってくれるかもと、心の奥底で期待していたせいか、姿が見えなくなると何だか力が抜けていく。
「ま……仕方ねぇか。」
静まり返る体育館。
独り言ちりながら、部活前の出来事を思い返せば自然と頬が緩んでいく。
今日、『特訓』と称して神谷の身体を抱き締めた。
彼女に触れたいという欲求のままに。
恥ずかしがる彼女を捕まえて、俺の膝の上でお姫様抱っこ。
彼女の身体は軽くて、そして 柔らかくて……
あと、シャンプーの香りだろうか、すごく良い香りで頭クラクラした。
神谷が許してくれるなら、あのまま ずっと抱えていたいくらい。
それにしても『特訓』初日から、ここまで進展するなんて思いもしなかった。
俺、未だに夢見てるんじゃないだろうか。
「はぁ……」
今、思い出しても胸がキュンキュンする。
これからずっと『特訓』が続けばいいのに……
床に散乱したボールを拾いつつ、能天気に考えていたいが、そうもいかない。
「あー、どうすっかな明日。」
問題は『特訓』の時間帯。
今日みたく放課後にいちゃこらしてたら、毎回遅刻することになる。
『ペナルティー』なんて部長としての立場もなくなるし……非常にマズい。
こうなったら……
「昼休み……」
しかないな。
彼女に部活終わるまで残す訳にもいかないし。
それにしても神谷に俺のこと意識させる為に始めたのに、今の段階で既に俺の方が更に好きになってる気がする。
これで神谷が俺に対して何の感情もなかったら……
「マジで堪えられない……」
◇◇◇◇◇◇◇
「はい、お待たせ。
カレー大盛り~」
「おー、サンキュー。」
兄のおかわり(二杯目)をついできた母が食卓に着いたと同時に合掌して小さく「御馳走様」と呟く。
「「はぁ?!」」
すると、母と兄が驚いた顔でこちらを見る。
恐らくカレー好きの私がおかわりしなかったからだろう。
「レイが一杯で済ますなんて……」
「えっ、カレー 本当にもういいの?」
「うん……」
椅子から立ち上がり、自分の食器を重ねると流し台へと向かう。
いつもは美味しいカレーライス。
兄と競ってお代わりするはずが……今日に限って食欲がない。
「最近、ちょっと食べ過ぎて……ダイエット始めようかと。」
とりあえず、心配かけまいと二人が納得しそうな言葉を苦笑しながら紡ぎ出す。
だが、その言い訳を聞いた母は表情を曇らせ、
「えー、何も今夜から始めなくてもいいじゃないの!
明日からでいいじゃない~、ねぇ?」
兄に賛同を求めるが、残りのカレーが自分の物になるということもあり、
「放っておけよ。
ダイエットなんていつまで続くか……
それに明日からって言ってたら、いつまで経ってもダイエットなんて始まらないじゃん。」
コメントが冷ややか。
「お疲れ~」
部活も終わり、部員達は体育館から部室へ向かう。
いつもなら俺もその群れの中にいるのだが、今夜は帰れない。
一人でボールを拾い集め、カゴへと放り投げる。
「なぁ、本当に帰っていいのかな?
ちょっとぐらい片付け、手伝った方がいいのかな?」
体育館の入り口で不安そうな表情でこちらを見ている芝山。
その隣で犬岡もキョロキョロと他の部員(一年)の顔色を窺っている。
だが、この男だけは違った。
「ダメだって。
監督も『練習遅れたペナルティー』だって言ってたろ?」
リエーフ。
日頃、練習を脱け出そうとするから、『ペナルティー』を課すことがあったが……
「最近、弛んでる黒尾先輩にはしっかり『ペナルティー』で気を引き締めてもらわないと!
ほらほら、皆 早く帰ろうぜ~」
容赦ねえ。
満面の笑みを浮かべ、残っていた一年達を言いくるめると、
「黒尾先輩、片付けお疲れッス。
じゃ、お先ッス~」
体育館を後にする。
「……はぁ……っ……」
密かに芝山達が片付けを手伝ってくれるかもと、心の奥底で期待していたせいか、姿が見えなくなると何だか力が抜けていく。
「ま……仕方ねぇか。」
静まり返る体育館。
独り言ちりながら、部活前の出来事を思い返せば自然と頬が緩んでいく。
今日、『特訓』と称して神谷の身体を抱き締めた。
彼女に触れたいという欲求のままに。
恥ずかしがる彼女を捕まえて、俺の膝の上でお姫様抱っこ。
彼女の身体は軽くて、そして 柔らかくて……
あと、シャンプーの香りだろうか、すごく良い香りで頭クラクラした。
神谷が許してくれるなら、あのまま ずっと抱えていたいくらい。
それにしても『特訓』初日から、ここまで進展するなんて思いもしなかった。
俺、未だに夢見てるんじゃないだろうか。
「はぁ……」
今、思い出しても胸がキュンキュンする。
これからずっと『特訓』が続けばいいのに……
床に散乱したボールを拾いつつ、能天気に考えていたいが、そうもいかない。
「あー、どうすっかな明日。」
問題は『特訓』の時間帯。
今日みたく放課後にいちゃこらしてたら、毎回遅刻することになる。
『ペナルティー』なんて部長としての立場もなくなるし……非常にマズい。
こうなったら……
「昼休み……」
しかないな。
彼女に部活終わるまで残す訳にもいかないし。
それにしても神谷に俺のこと意識させる為に始めたのに、今の段階で既に俺の方が更に好きになってる気がする。
これで神谷が俺に対して何の感情もなかったら……
「マジで堪えられない……」
◇◇◇◇◇◇◇
「はい、お待たせ。
カレー大盛り~」
「おー、サンキュー。」
兄のおかわり(二杯目)をついできた母が食卓に着いたと同時に合掌して小さく「御馳走様」と呟く。
「「はぁ?!」」
すると、母と兄が驚いた顔でこちらを見る。
恐らくカレー好きの私がおかわりしなかったからだろう。
「レイが一杯で済ますなんて……」
「えっ、カレー 本当にもういいの?」
「うん……」
椅子から立ち上がり、自分の食器を重ねると流し台へと向かう。
いつもは美味しいカレーライス。
兄と競ってお代わりするはずが……今日に限って食欲がない。
「最近、ちょっと食べ過ぎて……ダイエット始めようかと。」
とりあえず、心配かけまいと二人が納得しそうな言葉を苦笑しながら紡ぎ出す。
だが、その言い訳を聞いた母は表情を曇らせ、
「えー、何も今夜から始めなくてもいいじゃないの!
明日からでいいじゃない~、ねぇ?」
兄に賛同を求めるが、残りのカレーが自分の物になるということもあり、
「放っておけよ。
ダイエットなんていつまで続くか……
それに明日からって言ってたら、いつまで経ってもダイエットなんて始まらないじゃん。」
コメントが冷ややか。