自業自得
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毎度、母が「明日からダイエットする」宣言をし、挫折するのを目の当たりにしているからだろう。
私も母と一緒。
兄はどうせ出来っこないと思っているに違いない。
「まぁ、無理しない程度にしなさいよ~
若い内から身体壊したら、元も子もないからね。」
自分の部屋に向かう背後から母の能天気な声が聞こえてきた。
◇◇◇◇◇◇◇
『顔、真っ赤。
神谷って、林檎みたい。』
放課後、『特訓』中に黒尾くんの発言を思い返しながら、手鏡で自分の顔をまじまじと眺める。
私……
そんなに顔 赤かったのかな?
そこに映る私は眉間にシワを寄せ、難しい顔でこちらを睨み付けていた。
「アンタのお陰で私があんな目にあったんだからね!」と今にも文句を言い出しそうな表情だ。
「……そんな怖い顔……しないでよ。」
私だって、黒尾くんの『特訓』があんなに密着するなんて、想像もしてなかったんだから!
膝の上でお姫様抱っこ、おまけに耳元で囁かれ……
「あ¨ぁぁーーー!!」
思い出しただけで心臓がバクバク、頭痛がしてきた……
これ、黒尾くんにされたセクハラまがいのスキンシップの中でも最上級クラスだ。
「明日もあんなに密着するのかな……」
そんなことを考えると憂鬱になってきた。
自分からお願いしておきながら、『特訓』をやめたいなんて言ったら……
「黒尾くん……怒るよね?」
そりゃそうだ。
友達でもない、ただのクラスメイトからのお願いを善意で聞き入れたっていうのに……
確実に「お前から言い出しといて、そりゃないだろ?!」的なことを言われ、キレられるに違いない。
だからと言って、こんなこと 夜久くんに相談も出来ない。
「お前、バカ? そりゃ自業自得だろ。」とか言われて呆れられるだろう。
「はぁ……」
『特訓』のこと、黒尾くんのこと、明日のこと……
考えれば考えるほどゲンナリしてきた。
◆◆◆◆◆◆◆
『……お……くん、ねぇ……』
誰かが呼んでいる。
耳元、小さく囁く声……。
そっと瞼を開き、薄目で辺りを確認するとそこに神谷の姿があった。
『起きて……ねぇ。』
薄暗い俺の部屋……
ベッドで眠っている俺を起こそうと、制服にエプロン姿の彼女は俺の胸に両手を当て軽く揺さぶっている。
これは夢か……
今まで見てきた夢の中でも滅多にないシチュエーション。
それに興奮しつつも、寝た振りしながら冷静に考える。
『起きて……早く。』
俺は瞼を固く瞑った状態で、躍起になって起こそうとする彼女にグラグラと揺さぶられる。
まるで学生結婚した若妻が旦那を起こすドラマの光景そのもの(俺、そんなマニー設定 好きだったか?)。
『もう!
いい加減 起きて。』
彼女の言葉通り起きると、この夢は終わってしまうのだろうか?
そんなの勿体無い。
折角だから、この設定を楽しまないと!
そう思ったら、意地でも目を覚ましたくなくなった。
『起きてくれないなら……』
いつも温厚な神谷の声に怒気を感じる。
『こっちにだって考えがあるんだから。』
あーぁ……
怒らせちゃった。
考えがあるんだからって、意味深なこと言っちゃってるけど……どうせ俺の夢の中だ。
大したことねぇだろ。
そう、高を括っている俺の耳元で彼女が、
『特訓、止めちゃうから……』
いつもとは違う 吐息混じりで囁き始めた。
ん……?
特訓。
『知ってるんだから。
特訓、だなんて都合のいいこと言って……
私のこと 言いくるめて、からかうだけからかって、触りたいだけ触っ……』
『ち、違う!』
核心を突く発言に慌てて飛び起きると、神谷は上目遣いで俺を見つめて『本当かしら』と嗤う。
その見透かすような視線に射ぬかれ、総毛立つ。
『何が違うの?
全て本当のことじゃない。』
私も母と一緒。
兄はどうせ出来っこないと思っているに違いない。
「まぁ、無理しない程度にしなさいよ~
若い内から身体壊したら、元も子もないからね。」
自分の部屋に向かう背後から母の能天気な声が聞こえてきた。
◇◇◇◇◇◇◇
『顔、真っ赤。
神谷って、林檎みたい。』
放課後、『特訓』中に黒尾くんの発言を思い返しながら、手鏡で自分の顔をまじまじと眺める。
私……
そんなに顔 赤かったのかな?
そこに映る私は眉間にシワを寄せ、難しい顔でこちらを睨み付けていた。
「アンタのお陰で私があんな目にあったんだからね!」と今にも文句を言い出しそうな表情だ。
「……そんな怖い顔……しないでよ。」
私だって、黒尾くんの『特訓』があんなに密着するなんて、想像もしてなかったんだから!
膝の上でお姫様抱っこ、おまけに耳元で囁かれ……
「あ¨ぁぁーーー!!」
思い出しただけで心臓がバクバク、頭痛がしてきた……
これ、黒尾くんにされたセクハラまがいのスキンシップの中でも最上級クラスだ。
「明日もあんなに密着するのかな……」
そんなことを考えると憂鬱になってきた。
自分からお願いしておきながら、『特訓』をやめたいなんて言ったら……
「黒尾くん……怒るよね?」
そりゃそうだ。
友達でもない、ただのクラスメイトからのお願いを善意で聞き入れたっていうのに……
確実に「お前から言い出しといて、そりゃないだろ?!」的なことを言われ、キレられるに違いない。
だからと言って、こんなこと 夜久くんに相談も出来ない。
「お前、バカ? そりゃ自業自得だろ。」とか言われて呆れられるだろう。
「はぁ……」
『特訓』のこと、黒尾くんのこと、明日のこと……
考えれば考えるほどゲンナリしてきた。
◆◆◆◆◆◆◆
『……お……くん、ねぇ……』
誰かが呼んでいる。
耳元、小さく囁く声……。
そっと瞼を開き、薄目で辺りを確認するとそこに神谷の姿があった。
『起きて……ねぇ。』
薄暗い俺の部屋……
ベッドで眠っている俺を起こそうと、制服にエプロン姿の彼女は俺の胸に両手を当て軽く揺さぶっている。
これは夢か……
今まで見てきた夢の中でも滅多にないシチュエーション。
それに興奮しつつも、寝た振りしながら冷静に考える。
『起きて……早く。』
俺は瞼を固く瞑った状態で、躍起になって起こそうとする彼女にグラグラと揺さぶられる。
まるで学生結婚した若妻が旦那を起こすドラマの光景そのもの(俺、そんなマニー設定 好きだったか?)。
『もう!
いい加減 起きて。』
彼女の言葉通り起きると、この夢は終わってしまうのだろうか?
そんなの勿体無い。
折角だから、この設定を楽しまないと!
そう思ったら、意地でも目を覚ましたくなくなった。
『起きてくれないなら……』
いつも温厚な神谷の声に怒気を感じる。
『こっちにだって考えがあるんだから。』
あーぁ……
怒らせちゃった。
考えがあるんだからって、意味深なこと言っちゃってるけど……どうせ俺の夢の中だ。
大したことねぇだろ。
そう、高を括っている俺の耳元で彼女が、
『特訓、止めちゃうから……』
いつもとは違う 吐息混じりで囁き始めた。
ん……?
特訓。
『知ってるんだから。
特訓、だなんて都合のいいこと言って……
私のこと 言いくるめて、からかうだけからかって、触りたいだけ触っ……』
『ち、違う!』
核心を突く発言に慌てて飛び起きると、神谷は上目遣いで俺を見つめて『本当かしら』と嗤う。
その見透かすような視線に射ぬかれ、総毛立つ。
『何が違うの?
全て本当のことじゃない。』