黒づくめ
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入学式。
吹奏楽部が奏でる厳かな曲 威風堂々が流れる中、その騒ぎは起こった。
「こら、その髪は何だ?
それに制服はどうした?
そんな格好で入学式には出せないぞ!」
体育館の入り口、体格のいい男性教師が大きな声をあげ、誰かに怒鳴りつけた。
この厳粛な雰囲気をぶち壊した途端、新入生は水を打ったように静かになる。
「まあまあ。
先生、指導は入学式の後でもいいじゃないですか……
先頭の1・2組は入場を始めてますし、来賓や保護者の方も待ってらっしゃいますし。
それに制服が間に合わなかったのかもしれませんよ。」
近くにいた他の教師がその場を諌めようとするが、
「そうはいきません!
生徒指導は初めが肝心なんです!
これは見逃せません。」
青春ドラマの一場面を思わせるような台詞が飛び出す。
どうやら頭の固い熱血教師なのだろう。
「何してんだよ……バカだな。」
どこからともなく、誰かの小さな呟きが聞こえてきた。
それは教師のことなのか、
注意を受けている生徒のことなのか……
中断された新入生の列の中、俺 縁下 力は俯いたまま、小さく溜め息をついた。
入学一日目から教師に目をつけられるなんてろくなもんじゃない。
これから あと三年もあるのに……よくやるな。
そんなことを考えているのは、俺だけじゃない。
この場に居合わせた人間、誰しもそう思っていただろう。
「お前一人の格好のせいで、入学式も出来ない!
皆、迷惑してるんだ、お前は責任感じないのか?
おい、黙っていないで何とか言え!」
相手は相当 生意気で反抗的なヤツなのだろうか?
教師は完全に頭に血が昇ったのか、その声は更に大きくなっていく。
「おいおい、いつまでやんだよ……」
「っていうか、どんなヤツ?」
派手な騒ぎのせいで、俺の周囲は次第にざわめき始める。
叱られている人物がどんな髪をし、どんな格好をしているのか?
皆、次々と振り返る。
だが、俺達がいる室内からは射し込む光が邪魔をして、向こう様子は窺うことは出来ない。
「それにしても入学式、どうなるんだろうな……
このままだと中止か?」
誰かがうんざりした様子で吐き捨てた言葉が聞こえてくる。
この膠着状態はいつまで続くのだろう?
そんなことをぼんやり考えながら、憂鬱な気持ちで真新しいシューズの先を眺めていたが、突然 背後が騒がしくなる。
「おい、ちょっと待て!
話はまだ終わってないぞ!!」
どうやら進展があったらしい。
振り返った視線の先の熱血教師が生徒の列を掻き分け、体育館の入り口から外に向かって叫ぶ姿が映る。
恐らく建物から出ていったのだろう。
「先生、今は入学式を執り行う方が先です。
ほら、お前らも整列して!!」
他の教師に促され、熱血教師は跡を追うことを断念。
中断された式は漸く再開された。
吹奏楽部が奏でる厳かな曲 威風堂々が流れる中、その騒ぎは起こった。
「こら、その髪は何だ?
それに制服はどうした?
そんな格好で入学式には出せないぞ!」
体育館の入り口、体格のいい男性教師が大きな声をあげ、誰かに怒鳴りつけた。
この厳粛な雰囲気をぶち壊した途端、新入生は水を打ったように静かになる。
「まあまあ。
先生、指導は入学式の後でもいいじゃないですか……
先頭の1・2組は入場を始めてますし、来賓や保護者の方も待ってらっしゃいますし。
それに制服が間に合わなかったのかもしれませんよ。」
近くにいた他の教師がその場を諌めようとするが、
「そうはいきません!
生徒指導は初めが肝心なんです!
これは見逃せません。」
青春ドラマの一場面を思わせるような台詞が飛び出す。
どうやら頭の固い熱血教師なのだろう。
「何してんだよ……バカだな。」
どこからともなく、誰かの小さな呟きが聞こえてきた。
それは教師のことなのか、
注意を受けている生徒のことなのか……
中断された新入生の列の中、俺 縁下 力は俯いたまま、小さく溜め息をついた。
入学一日目から教師に目をつけられるなんてろくなもんじゃない。
これから あと三年もあるのに……よくやるな。
そんなことを考えているのは、俺だけじゃない。
この場に居合わせた人間、誰しもそう思っていただろう。
「お前一人の格好のせいで、入学式も出来ない!
皆、迷惑してるんだ、お前は責任感じないのか?
おい、黙っていないで何とか言え!」
相手は相当 生意気で反抗的なヤツなのだろうか?
教師は完全に頭に血が昇ったのか、その声は更に大きくなっていく。
「おいおい、いつまでやんだよ……」
「っていうか、どんなヤツ?」
派手な騒ぎのせいで、俺の周囲は次第にざわめき始める。
叱られている人物がどんな髪をし、どんな格好をしているのか?
皆、次々と振り返る。
だが、俺達がいる室内からは射し込む光が邪魔をして、向こう様子は窺うことは出来ない。
「それにしても入学式、どうなるんだろうな……
このままだと中止か?」
誰かがうんざりした様子で吐き捨てた言葉が聞こえてくる。
この膠着状態はいつまで続くのだろう?
そんなことをぼんやり考えながら、憂鬱な気持ちで真新しいシューズの先を眺めていたが、突然 背後が騒がしくなる。
「おい、ちょっと待て!
話はまだ終わってないぞ!!」
どうやら進展があったらしい。
振り返った視線の先の熱血教師が生徒の列を掻き分け、体育館の入り口から外に向かって叫ぶ姿が映る。
恐らく建物から出ていったのだろう。
「先生、今は入学式を執り行う方が先です。
ほら、お前らも整列して!!」
他の教師に促され、熱血教師は跡を追うことを断念。
中断された式は漸く再開された。