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「おはよう!」
「あー、おはよー。」
朝の挨拶が飛び交う教室。
いつもと何ら変わらない日常……のはずなんだけど、今日の私はいつもと違う。
「はぁ……」
大きく息を吸い、ドキドキと騒ぐ胸に両手を当てる。
廊下から教室内の様子を覗きながら、昨夜 一人でイメトレしたことを思い出す。
まず、自分の席に荷物を置く。
それから窓際の後ろから二番目の席に座る黒尾くんの所へ向かい……
朝の挨拶!
そして、昨夜のお礼を言う!
ただ、それだけじゃない。
大丈夫、出来る!!!
冷たい手を力一杯握り締め、一人 気合いを入れ直す。
「よっし……」
「おはよう~
神谷、何してんの?」
想定外!
背後から声を掛けられ、突然のことに身体が硬直する。
ゆっくりと振り返ると、そこには同じクラスの夜久くんが不思議そうな顔して立っていた。
去年、同じクラスで文化祭の委員を一緒にやった彼は、私が緊張し易いのを知ってくれている唯一の理解者(私が一方的にそう思っているだけなんだけど……)。
「あぁ…………おはよう。」
顔に熱を感じる。
多分、今 耳から頬にかけて赤くなっているだろう。
それを想像しながら、夜久くんに挨拶すると、
「ごめん、背後から喋っちゃいけなかったね。
ごめん。」
申し訳なさそうな表情で教室に入っていく。
「あ、夜久くん……
ちょっとびっくりしただけだから。
本当に大丈夫だから!」
何だか、こっちが悪いことをしてしまったような気分になり、夜久くんの後を追う。
おかげでうだうだ考えずに、教室にすんなりと入ることが出来た。
「そう?
大丈夫っていう割に顔 真っ赤だけど。」
私の反応が面白かったのか?
自分の席に着いた夜久くんはニコッと微笑みながら、からかってくる。
「それは言わないで!」
「はいはい、わかりましたよ。」
彼の斜め後ろの席に着くと、机に突っ伏した。
冷たい机が気持ちいい。
しばらく、このままで頬の火照りを冷ますことにした。
これがどうにかならないと黒尾くんに挨拶……昨夜のお礼なんて とてもじゃないけど言えない。
……どうしよう。
こういうことって、最初に言った方がいいのに。
っていうか、黒尾くん……教室に居たのかな?
確認する余裕もなかった。
顔を上げて振り返って確認しようかと考えたけど、今は無理。
こんな顔で面と向かって話すなんて……出来そうにない。
ごめんなさい、黒尾くん。
◆◆◆◆◆◆◆◆
朝っぱらから今度の合宿の件で呼び出されたせいで、遅刻寸前。
ホームルーム ギリギリ間に合うように廊下を走る。
……この前、寝坊して遅刻したときに「部活の呼び出しで長引いた」と大嘘ついて遅刻を免除してもらった手前、今回はその言い訳は通用しない。
階段を二段飛ばしで駆け上がり、曲がってすぐの教室に飛び込んだ。
「あー、おはよー。」
朝の挨拶が飛び交う教室。
いつもと何ら変わらない日常……のはずなんだけど、今日の私はいつもと違う。
「はぁ……」
大きく息を吸い、ドキドキと騒ぐ胸に両手を当てる。
廊下から教室内の様子を覗きながら、昨夜 一人でイメトレしたことを思い出す。
まず、自分の席に荷物を置く。
それから窓際の後ろから二番目の席に座る黒尾くんの所へ向かい……
朝の挨拶!
そして、昨夜のお礼を言う!
ただ、それだけじゃない。
大丈夫、出来る!!!
冷たい手を力一杯握り締め、一人 気合いを入れ直す。
「よっし……」
「おはよう~
神谷、何してんの?」
想定外!
背後から声を掛けられ、突然のことに身体が硬直する。
ゆっくりと振り返ると、そこには同じクラスの夜久くんが不思議そうな顔して立っていた。
去年、同じクラスで文化祭の委員を一緒にやった彼は、私が緊張し易いのを知ってくれている唯一の理解者(私が一方的にそう思っているだけなんだけど……)。
「あぁ…………おはよう。」
顔に熱を感じる。
多分、今 耳から頬にかけて赤くなっているだろう。
それを想像しながら、夜久くんに挨拶すると、
「ごめん、背後から喋っちゃいけなかったね。
ごめん。」
申し訳なさそうな表情で教室に入っていく。
「あ、夜久くん……
ちょっとびっくりしただけだから。
本当に大丈夫だから!」
何だか、こっちが悪いことをしてしまったような気分になり、夜久くんの後を追う。
おかげでうだうだ考えずに、教室にすんなりと入ることが出来た。
「そう?
大丈夫っていう割に顔 真っ赤だけど。」
私の反応が面白かったのか?
自分の席に着いた夜久くんはニコッと微笑みながら、からかってくる。
「それは言わないで!」
「はいはい、わかりましたよ。」
彼の斜め後ろの席に着くと、机に突っ伏した。
冷たい机が気持ちいい。
しばらく、このままで頬の火照りを冷ますことにした。
これがどうにかならないと黒尾くんに挨拶……昨夜のお礼なんて とてもじゃないけど言えない。
……どうしよう。
こういうことって、最初に言った方がいいのに。
っていうか、黒尾くん……教室に居たのかな?
確認する余裕もなかった。
顔を上げて振り返って確認しようかと考えたけど、今は無理。
こんな顔で面と向かって話すなんて……出来そうにない。
ごめんなさい、黒尾くん。
◆◆◆◆◆◆◆◆
朝っぱらから今度の合宿の件で呼び出されたせいで、遅刻寸前。
ホームルーム ギリギリ間に合うように廊下を走る。
……この前、寝坊して遅刻したときに「部活の呼び出しで長引いた」と大嘘ついて遅刻を免除してもらった手前、今回はその言い訳は通用しない。
階段を二段飛ばしで駆け上がり、曲がってすぐの教室に飛び込んだ。