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「ま、間に合った……」
幸運なことに教壇に担任の姿はなく、教室内もクラスメイトが立ち歩いている朝の賑やかな光景が広がっていた。
ホッとしていると、
「クロ、お疲れ~」
涼しい顔して自分の席に腰掛けている夜久が手を振る。
「ああ。」
その斜め後ろの席へ視線を移すと、神谷が机に突っ伏した状態で椅子に座っていた。
「?」
泣いてるのか?
気分でも悪いのか?
何の情報もない俺は、夜久に小声で「どうした?」と呟きながら彼女を指差すと、
「ん、いーから、いーから。
ちょっと放っておいてやってよ。」
ニコニコしながら、小声でそう答える。
は?
去年 同じクラスで彼女と仲良いってのはわかるけど……
何だ、その「俺はわかってるけど、お前には教えてやんないよ~(そんなこと一言も言ってないけど……)」的な返しは!
俺が彼女のこと、気になってるの知ってるくせに。
「あー、そう。」
ムカムカする……
そんな感情を顔に出さないように窓際の自分の席に着いた途端、担任が教室へと入ってきた。
夜久は基本的に穏やかで面倒見のいい温厚な人柄(練習サボろうとするリエーフに対しては別だけど……)。
今までにイラッとくることはなかったはずなのに……
流石に今のは見逃せなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「おはよう。
ほら 席着け~、出席とるぞ。」
担任の声。
ああ、ホームルームが始まったのか。
私はゆっくりと顔を上げると、教壇に立つ担任の姿が視界に入る。
私……
顔の熱を冷まそうと机に突っ伏したまま、いつの間にか寝てしまっていたらしい。
何やってんだか。
「アガワ……」
「はい。」
「イワイ……」
「はい。」
静まり返った教室に先生の低い声とクラスメイトの声が交互に響く。
それを聞きながら、両頬に手を当ててみる。
少し落ち着いたのか、頬の火照りは若干ひいた気がした瞬間……
「黒尾。」
「……ッス。」
黒尾くんの返事が聞こえた。
「ぁ……」
思わず、声がもれる。
やってしまった!
私、挨拶するの 忘れてたよ!!
あれだけイメトレしたのに!!!
情けなくて、思わず俯いた瞬間……
『ゴチッ……』
額が勢い良く机にぶつかる。
打った箇所がジンジンと痛む。
「神谷……
大丈夫か、すごい音したけど。」
担任が慌てて声を掛けてきた。
「だ、大丈夫です……続けてください…………」
その瞬間、クラスメイトの笑い声が聞こえ、再び 顔に熱を感じる。
今度は首筋辺りまで熱いから、顔から耳、そして首筋と広範囲が赤くなっているだろう。
あー、恥ずかしい!
穴があったら、ずっと潜り込んでいたいくらいだ。
幸運なことに教壇に担任の姿はなく、教室内もクラスメイトが立ち歩いている朝の賑やかな光景が広がっていた。
ホッとしていると、
「クロ、お疲れ~」
涼しい顔して自分の席に腰掛けている夜久が手を振る。
「ああ。」
その斜め後ろの席へ視線を移すと、神谷が机に突っ伏した状態で椅子に座っていた。
「?」
泣いてるのか?
気分でも悪いのか?
何の情報もない俺は、夜久に小声で「どうした?」と呟きながら彼女を指差すと、
「ん、いーから、いーから。
ちょっと放っておいてやってよ。」
ニコニコしながら、小声でそう答える。
は?
去年 同じクラスで彼女と仲良いってのはわかるけど……
何だ、その「俺はわかってるけど、お前には教えてやんないよ~(そんなこと一言も言ってないけど……)」的な返しは!
俺が彼女のこと、気になってるの知ってるくせに。
「あー、そう。」
ムカムカする……
そんな感情を顔に出さないように窓際の自分の席に着いた途端、担任が教室へと入ってきた。
夜久は基本的に穏やかで面倒見のいい温厚な人柄(練習サボろうとするリエーフに対しては別だけど……)。
今までにイラッとくることはなかったはずなのに……
流石に今のは見逃せなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「おはよう。
ほら 席着け~、出席とるぞ。」
担任の声。
ああ、ホームルームが始まったのか。
私はゆっくりと顔を上げると、教壇に立つ担任の姿が視界に入る。
私……
顔の熱を冷まそうと机に突っ伏したまま、いつの間にか寝てしまっていたらしい。
何やってんだか。
「アガワ……」
「はい。」
「イワイ……」
「はい。」
静まり返った教室に先生の低い声とクラスメイトの声が交互に響く。
それを聞きながら、両頬に手を当ててみる。
少し落ち着いたのか、頬の火照りは若干ひいた気がした瞬間……
「黒尾。」
「……ッス。」
黒尾くんの返事が聞こえた。
「ぁ……」
思わず、声がもれる。
やってしまった!
私、挨拶するの 忘れてたよ!!
あれだけイメトレしたのに!!!
情けなくて、思わず俯いた瞬間……
『ゴチッ……』
額が勢い良く机にぶつかる。
打った箇所がジンジンと痛む。
「神谷……
大丈夫か、すごい音したけど。」
担任が慌てて声を掛けてきた。
「だ、大丈夫です……続けてください…………」
その瞬間、クラスメイトの笑い声が聞こえ、再び 顔に熱を感じる。
今度は首筋辺りまで熱いから、顔から耳、そして首筋と広範囲が赤くなっているだろう。
あー、恥ずかしい!
穴があったら、ずっと潜り込んでいたいくらいだ。