製作裏話
「Lotus in the mud」 あとがきという名の怪文書
2023/02/14 22:54こんにちは。佐都です。
ご閲覧いただきありがとうございます。
You Tubeとtwitter にてご新規P4プレイヤーさまたちの新鮮な悲鳴を聞いて楽しんでおります。ふはは、沼へ落ちろ。落ちるのだ。
そして、佐都の方は祝・一年生編 完結。🎉
というわけで今回は「Lotus in the mud」のあとがき。執筆したときの反省だったり、思ったことだったり、裏話をつれづれ書いていこうと思います。ただ、どうも佐都の主観(という名の妄言)が入っているうえ、長々とした文章になりますのでご了承ください。自分の考えは誰かの地雷です。
気軽にネタバレをしていきますので、作品をお読みになったほうが楽しめるかと存じます。
よろしければお気軽に、感想・スキボタンよろしくお願いします。本編のプロットを練る作者の励みになります。
それではどうぞ。
執筆を終えて一言目に呟いたセリフは、「思いっきり我を貫いてる作品だなぁ……」でした。
とにかくお相手が好きでグイグイいく夢主と、三角関係などややこしい人間関係の生じない作品を目指しました。いかがでしたでしょうか? (小西先輩についてはややこしいとツッコマれるかもしれませんが、夢主と陽介の関係は親友どまりの友愛、陽介が異性としての好意を向けるのは小西先輩だけです)
◆執筆動機について
執筆動機は主に2つ。1つめは言わずもがな「花村陽介の恋愛色つよい夢小説が読みたい」とても欲望に忠実な動機にございます。そして、2つめは「花村陽介を守って、彼が抱えた弱さも大切にしたい」でした。
というのも、あんな息苦しさを強いてくる八十稲羽の中にいながら、グレたりスレたりせずに前を向いて、人を思いやってあげられる、ありふれたように見えて稀有な優しさを持つ、けれど同時に、大切なもののためならば簡単に自分を犠牲にしてしまう危うさを孕んだ陽介を、佐都は好きになりました。がしかし、同時に彼が抱えた自己肯定感の低さや寂しがりやな一面、何をせずとも不幸に巻き込まれる体質を知って、不安も覚えました。
コイツ、いつか、フラッといなくなってしまうんじゃないかと。
それを顕著に感じたのが3学期転生イベント「俺ってやっぱ頼られんの好きだわ」のひとこと。お前、大丈夫?? ソレいう人間、大概自分を犠牲にしすぎて心磨り減らすヤツやぞ?? と。
いや、もちろん彼には番長というストッパーがいます。番長くんは陽介にとって唯一無二の相棒。それはちゃんと分かってるんですが、彼ってどっちかというと人外に好かれる非日常に傾いた人間なので、陽介をちゃんと日常に繋ぎ止めておけるのかなぁ……と考えたとき、不安になりました。
駅のホームで見送ってくれた陽介と、電車にのった番長を見たとき、「彼はいつも、心から大切な人に置いていかれるんだ」と、考えてしまったことを覚えています。あんなに寂しがりやの男の子なのに。
だから、その寂しさに寄り添ってくれる人がいて欲しかった。番長くんが去ってしまったあと、送り出すために掲げられた手をとって、強がってしまう彼が抱えた寂しさを分かち合う人が隣にいてほしかった。優しい彼に降り注ぐ理不尽の数々を少しでも取り除いてくれる人と出会って欲しかった。あなたはかけがえのない優しい人なのだといつだってまっすぐに伝えてくれる人が側にいて欲しかった。
ありふれた日常のなかで、いつまでもいつまでも、彼が想い彼を想ってくれる大切な人と笑っている姿が見ていたい。
そんな願いを、佐都は抱きました。
でも、アルバムのように物語を切り取ったゲームでは、どんなに願ってもそれを実現する術はありません。彼の一番の理解者である番長くんは必ず春に去ってしまいます。
だから、彼の隣にいて、手を繋ぎながら寂しさを共に背負ってくれる人を書こうと思いました。
その手段に、小説という流動性のある媒体を選びました。自己満足でしかありませんが、彼と、彼の存在を大切にしてくれて、日常に繋ぎ止めようとしてくれる夢主の物語を綴っています。
今作「Lotus in the mud」は「陽介と夢主が親友になる」を目標として設定しました。何とかゴールテープを切れてほっとしています。
◆夢主について
図らずとも番長と似たような筋道で親友となりました。コンセプトは「不運に合いやすい陽介を守って、支えられる子」です。
なぜ親友にしたのかと言いますと、2つの理由が。1つめ、事件を追う一年を通じて陽介と恋仲になるなら、小西先輩が亡くなる以前から交流を持った人間ではないと難しいのではという推測があったから。トラウマ級の失恋したあとにまったく知らない女の子に言い寄られても、「そんなことしてる場合じゃない」って自然と距離を置かれる未来しか見えませんでした。ゆえに、ある程度交流を持たせる必要があり、一年のお話を書くにいたりました。
親友にした2つめの理由、陽介が弱味を見せられる子にしたかったからです。なにせ小説のコンセプトが「花村陽介という男の子が抱えた弱さを大切にする」ですので、情けないところを見せられる最も親しい友達ではないといけません。
なので、出会い方も交通事故とロマンがなく、考えうる限り最低なものになりました。出会い方が最悪の0点なら、陽介の人柄もあって評価は加点方式になりますし、ガッカリなことがあっても「まぁ、いいか。初対面で泥まみれにする人間だしな」と割りきりがききます。(ひどい) 陽介の方でも、「コイツには情けないトコ助けて貰ったしな」と弱音を打ち明けやすくする狙いもありました。
なんか、書いていくうちに境遇とかスペックとかが番長と似てビックリしました。(番長の方がスペックは高いですけれど) これちゃんと差別化できてる?? というのが悩みどころです。
どうしてこんなに似たのかといいますと、コンセプトのせいかと。ドジを踏みやすい陽介を助けられるだけの身体能力と、陽介を危険から回避させれるだけの機転=賢さを備えた子ではないとダメだと考えていたら、ひょっこり現れたのが夢主です。
番長くんと違っているところを挙げるとしたら、目的のために手段を選ぶか選ばないか。前者が番長くん、後者が夢主になります。
あとは陽介とのアプローチの仕方ですかね。
陽介は夢主を「違う人間」と始めは捉えていて、そこから共通点とか違いを浮き彫りにして歩み寄っていく感じ。元々違う人間だと分かっているので、あんまり嫉妬もしません。嫉妬というのは「自分が持っていないが、持てる可能性があったもの、もしくはそう思い込んでいるもの」に対して抱く感情だと佐都は思っています。
番長くんは「俺と同じだと思ってた」というセリフからも分かるように「同じ人間」から出発して、そこから相違点を見つけて、自分が抱いた番長の印象から遠ざかって彼の全体像を掴む感じ。
反省としては、同年代の高校生から感性が離れた子になったキャラ造形。本来、高校生が持ちうる葛藤(人間関係・進路)や問題から遠ざかってしまって、等身大の悩みを抱えているペルソナ4の登場人物たちから、夢主は解離してしまっているのでは? との恐れが常々あります。
それと、「頭がいい」という設定。佐都自身、一般人並みの知性しかないですし(ついでに数学が大の苦手)、キャラの知性にあった行動を描けているか常に不安です。これからも、夢主の内面を知るために色々な知識を仕入れていきたく思います。幸せにするから。
◆原作の登場人物たちについて
常に「この人こういうコト言うよね!?」と葛藤してました。
主に登場したのは、陽介、千枝ちゃん、雪子ちゃん。彼らの懐の深さには「ありがとう」しか言えません。本当に、原作にいないオリキャラを快く受け入れてくれる彼らの社交性の高さと懐の深さには頭が下がります。各キャラに関しましては、一応原作とかコミカライズとか読んだ上で書いてはいますが、それでも常に「キャラ崩壊とかつじつまの合わない行動してないよね!?」と不安になります。
一番書くのが難しいのは陽介。まさかの最推し。おそらく物語の視点を彼に固定しているために、色々と考えることが多くなって書きづらいのだと思います。あと単純に原作の高校生らしい軽妙な言い回しが佐都には難易度たっかい。でも、優しくて困った人間を放っておけない善良さと優しさは常に意識して描いています。
けれど、その分反省も。陽介って、人間らしい嫉妬とか優柔不断さとか、ときたま暴走するところとか、ガッカリさとか、そういう人間らしい生々しい弱さが読み取り弱いかなと感じます。あんまりガッカリ王子してない。
それは、彼のガッカリを佐都が仮面の一部だと思って書いているのもあるかと思います。陽介は自分の内側に踏み込まれるのが嫌だから、わざと相手の地雷に踏み込んだ発言をしたり、うざったいほどベタついたりしている部分があるので、自分の内側に入れた相手にはあんまり地雷を踏まない感じがします。番長くんとか。距離感はかなり近くなりますが。なので陽介の弱さを受け止めてくれた夢主の地雷は踏みませんし(そもそも夢主の地雷が特殊なのでめったに踏めない)、距離が近いです。
それから、小説とはいえ、必要だったとはいえ、友達とケンカさせたり、陰口叩かれたり、色々と辛い思いをさせてごめん!! これからも、辛い目に合わせてしまうけどほんとうにごめん!! 絶対、幸せにするからな!
千枝ちゃんは書きやすかったです。夢主に対して程よい距離感を保っている友人だったというのもあります。コミュ力高いうえに、人付き合いに不慣れな夢主をリードしてくれる頼もしい女の子です。これからも、陽介と夢主の関係性を見守ってくれる良き友人であってほしい。君に幸あれ。
雪子ちゃんは予想外に夢主との相性が良くなりました。逃れたいものを抱える同い年の女の子同士だからでしょうか。夢主と関わっている分、(ダンジョンは変わらないけど)影に微々たる変化が見られそうで書いたら面白そうです。だが、そこまで行けるのか……。君に幸あれ。
一応、全員と仲良くなれた夢主ですが、その理由と過程がそれぞれ説得力のあるものとして読者さまに捉えられるものであったら、佐都としては嬉しいです。
最大の反省に関しては小西先輩。一応、陽介が小西先輩を好くきっかけは描いたのですが、今作の目標が「陽介と夢主が親友になる過程を描く」だったので、自然と影が薄くなってしまいました。陽介が彼女に好意を抱く理由が、夢主の介入で原作と比べて薄くなってしまったかな? というのが反省点。彼女への恋心は、本編陽介の中では大きな原動力だったので、その対象となる小西先輩と陽介の関わりをもう少し書いておけば良かったかなと、思います。…………これから書くのが辛い人です。
最後に、ペルソナ4の登場人物たちってやっぱり凄いなと思っていました。誰も彼もが、きっかけさえあれば歩き出せる強さを持っている。きっと彼らはテレビの中の事件がなくとも、何かのきっかけを得て自分の弱さを克服していける強さを持っているのだなと、さらに好きになりました。
◆物語全体に関して。
良かった点。
番長が八十稲羽に来る前の、穏やかな学校生活や四季で移ろう八十稲羽の自然の美しさを背景に、陽介と夢主の交流が段階を踏んで描けていたと思います。
悪かった点。
文が長い! 比喩表現を好むのは仕方がないとしても、まわりくどい表現もあったので、比喩だけでなく、形容詞や動詞でのストレートな表現も心がけたいです。語彙力増やそうぜ。
以上。完結した物語へのあとがきとなります。ここまで読んで下さってありがとうございました! ほぼ作者の備忘録のようなものになりますが、楽しんでいただけましたのなら幸いです。
そして、次回作に関してP4Gファンの方には土下座しなければいけないお知らせが。原作を基本的に尊重するスタイルなのですが、どうしても私はGのこの要素が許容できませんでした。
ごめんなさい。ストーリーはP4無印を基本に、P4Gの追加イベントを入れる形になります。
つまり、マリーは出ません。
その理由に関しては追記にて詳しく記載します。キャラヘイトとも思われる方もいると思いますので、閲覧はご注意下さい。
[追記]
ご閲覧いただきありがとうございます。
You Tubeとtwitter にてご新規P4プレイヤーさまたちの新鮮な悲鳴を聞いて楽しんでおります。ふはは、沼へ落ちろ。落ちるのだ。
そして、佐都の方は祝・一年生編 完結。🎉
というわけで今回は「Lotus in the mud」のあとがき。執筆したときの反省だったり、思ったことだったり、裏話をつれづれ書いていこうと思います。ただ、どうも佐都の主観(という名の妄言)が入っているうえ、長々とした文章になりますのでご了承ください。自分の考えは誰かの地雷です。
気軽にネタバレをしていきますので、作品をお読みになったほうが楽しめるかと存じます。
よろしければお気軽に、感想・スキボタンよろしくお願いします。本編のプロットを練る作者の励みになります。
それではどうぞ。
執筆を終えて一言目に呟いたセリフは、「思いっきり我を貫いてる作品だなぁ……」でした。
とにかくお相手が好きでグイグイいく夢主と、三角関係などややこしい人間関係の生じない作品を目指しました。いかがでしたでしょうか? (小西先輩についてはややこしいとツッコマれるかもしれませんが、夢主と陽介の関係は親友どまりの友愛、陽介が異性としての好意を向けるのは小西先輩だけです)
◆執筆動機について
執筆動機は主に2つ。1つめは言わずもがな「花村陽介の恋愛色つよい夢小説が読みたい」とても欲望に忠実な動機にございます。そして、2つめは「花村陽介を守って、彼が抱えた弱さも大切にしたい」でした。
というのも、あんな息苦しさを強いてくる八十稲羽の中にいながら、グレたりスレたりせずに前を向いて、人を思いやってあげられる、ありふれたように見えて稀有な優しさを持つ、けれど同時に、大切なもののためならば簡単に自分を犠牲にしてしまう危うさを孕んだ陽介を、佐都は好きになりました。がしかし、同時に彼が抱えた自己肯定感の低さや寂しがりやな一面、何をせずとも不幸に巻き込まれる体質を知って、不安も覚えました。
コイツ、いつか、フラッといなくなってしまうんじゃないかと。
それを顕著に感じたのが3学期転生イベント「俺ってやっぱ頼られんの好きだわ」のひとこと。お前、大丈夫?? ソレいう人間、大概自分を犠牲にしすぎて心磨り減らすヤツやぞ?? と。
いや、もちろん彼には番長というストッパーがいます。番長くんは陽介にとって唯一無二の相棒。それはちゃんと分かってるんですが、彼ってどっちかというと人外に好かれる非日常に傾いた人間なので、陽介をちゃんと日常に繋ぎ止めておけるのかなぁ……と考えたとき、不安になりました。
駅のホームで見送ってくれた陽介と、電車にのった番長を見たとき、「彼はいつも、心から大切な人に置いていかれるんだ」と、考えてしまったことを覚えています。あんなに寂しがりやの男の子なのに。
だから、その寂しさに寄り添ってくれる人がいて欲しかった。番長くんが去ってしまったあと、送り出すために掲げられた手をとって、強がってしまう彼が抱えた寂しさを分かち合う人が隣にいてほしかった。優しい彼に降り注ぐ理不尽の数々を少しでも取り除いてくれる人と出会って欲しかった。あなたはかけがえのない優しい人なのだといつだってまっすぐに伝えてくれる人が側にいて欲しかった。
ありふれた日常のなかで、いつまでもいつまでも、彼が想い彼を想ってくれる大切な人と笑っている姿が見ていたい。
そんな願いを、佐都は抱きました。
でも、アルバムのように物語を切り取ったゲームでは、どんなに願ってもそれを実現する術はありません。彼の一番の理解者である番長くんは必ず春に去ってしまいます。
だから、彼の隣にいて、手を繋ぎながら寂しさを共に背負ってくれる人を書こうと思いました。
その手段に、小説という流動性のある媒体を選びました。自己満足でしかありませんが、彼と、彼の存在を大切にしてくれて、日常に繋ぎ止めようとしてくれる夢主の物語を綴っています。
今作「Lotus in the mud」は「陽介と夢主が親友になる」を目標として設定しました。何とかゴールテープを切れてほっとしています。
◆夢主について
図らずとも番長と似たような筋道で親友となりました。コンセプトは「不運に合いやすい陽介を守って、支えられる子」です。
なぜ親友にしたのかと言いますと、2つの理由が。1つめ、事件を追う一年を通じて陽介と恋仲になるなら、小西先輩が亡くなる以前から交流を持った人間ではないと難しいのではという推測があったから。トラウマ級の失恋したあとにまったく知らない女の子に言い寄られても、「そんなことしてる場合じゃない」って自然と距離を置かれる未来しか見えませんでした。ゆえに、ある程度交流を持たせる必要があり、一年のお話を書くにいたりました。
親友にした2つめの理由、陽介が弱味を見せられる子にしたかったからです。なにせ小説のコンセプトが「花村陽介という男の子が抱えた弱さを大切にする」ですので、情けないところを見せられる最も親しい友達ではないといけません。
なので、出会い方も交通事故とロマンがなく、考えうる限り最低なものになりました。出会い方が最悪の0点なら、陽介の人柄もあって評価は加点方式になりますし、ガッカリなことがあっても「まぁ、いいか。初対面で泥まみれにする人間だしな」と割りきりがききます。(ひどい) 陽介の方でも、「コイツには情けないトコ助けて貰ったしな」と弱音を打ち明けやすくする狙いもありました。
なんか、書いていくうちに境遇とかスペックとかが番長と似てビックリしました。(番長の方がスペックは高いですけれど) これちゃんと差別化できてる?? というのが悩みどころです。
どうしてこんなに似たのかといいますと、コンセプトのせいかと。ドジを踏みやすい陽介を助けられるだけの身体能力と、陽介を危険から回避させれるだけの機転=賢さを備えた子ではないとダメだと考えていたら、ひょっこり現れたのが夢主です。
番長くんと違っているところを挙げるとしたら、目的のために手段を選ぶか選ばないか。前者が番長くん、後者が夢主になります。
あとは陽介とのアプローチの仕方ですかね。
陽介は夢主を「違う人間」と始めは捉えていて、そこから共通点とか違いを浮き彫りにして歩み寄っていく感じ。元々違う人間だと分かっているので、あんまり嫉妬もしません。嫉妬というのは「自分が持っていないが、持てる可能性があったもの、もしくはそう思い込んでいるもの」に対して抱く感情だと佐都は思っています。
番長くんは「俺と同じだと思ってた」というセリフからも分かるように「同じ人間」から出発して、そこから相違点を見つけて、自分が抱いた番長の印象から遠ざかって彼の全体像を掴む感じ。
反省としては、同年代の高校生から感性が離れた子になったキャラ造形。本来、高校生が持ちうる葛藤(人間関係・進路)や問題から遠ざかってしまって、等身大の悩みを抱えているペルソナ4の登場人物たちから、夢主は解離してしまっているのでは? との恐れが常々あります。
それと、「頭がいい」という設定。佐都自身、一般人並みの知性しかないですし(ついでに数学が大の苦手)、キャラの知性にあった行動を描けているか常に不安です。これからも、夢主の内面を知るために色々な知識を仕入れていきたく思います。幸せにするから。
◆原作の登場人物たちについて
常に「この人こういうコト言うよね!?」と葛藤してました。
主に登場したのは、陽介、千枝ちゃん、雪子ちゃん。彼らの懐の深さには「ありがとう」しか言えません。本当に、原作にいないオリキャラを快く受け入れてくれる彼らの社交性の高さと懐の深さには頭が下がります。各キャラに関しましては、一応原作とかコミカライズとか読んだ上で書いてはいますが、それでも常に「キャラ崩壊とかつじつまの合わない行動してないよね!?」と不安になります。
一番書くのが難しいのは陽介。まさかの最推し。おそらく物語の視点を彼に固定しているために、色々と考えることが多くなって書きづらいのだと思います。あと単純に原作の高校生らしい軽妙な言い回しが佐都には難易度たっかい。でも、優しくて困った人間を放っておけない善良さと優しさは常に意識して描いています。
けれど、その分反省も。陽介って、人間らしい嫉妬とか優柔不断さとか、ときたま暴走するところとか、ガッカリさとか、そういう人間らしい生々しい弱さが読み取り弱いかなと感じます。あんまりガッカリ王子してない。
それは、彼のガッカリを佐都が仮面の一部だと思って書いているのもあるかと思います。陽介は自分の内側に踏み込まれるのが嫌だから、わざと相手の地雷に踏み込んだ発言をしたり、うざったいほどベタついたりしている部分があるので、自分の内側に入れた相手にはあんまり地雷を踏まない感じがします。番長くんとか。距離感はかなり近くなりますが。なので陽介の弱さを受け止めてくれた夢主の地雷は踏みませんし(そもそも夢主の地雷が特殊なのでめったに踏めない)、距離が近いです。
それから、小説とはいえ、必要だったとはいえ、友達とケンカさせたり、陰口叩かれたり、色々と辛い思いをさせてごめん!! これからも、辛い目に合わせてしまうけどほんとうにごめん!! 絶対、幸せにするからな!
千枝ちゃんは書きやすかったです。夢主に対して程よい距離感を保っている友人だったというのもあります。コミュ力高いうえに、人付き合いに不慣れな夢主をリードしてくれる頼もしい女の子です。これからも、陽介と夢主の関係性を見守ってくれる良き友人であってほしい。君に幸あれ。
雪子ちゃんは予想外に夢主との相性が良くなりました。逃れたいものを抱える同い年の女の子同士だからでしょうか。夢主と関わっている分、(ダンジョンは変わらないけど)影に微々たる変化が見られそうで書いたら面白そうです。だが、そこまで行けるのか……。君に幸あれ。
一応、全員と仲良くなれた夢主ですが、その理由と過程がそれぞれ説得力のあるものとして読者さまに捉えられるものであったら、佐都としては嬉しいです。
最大の反省に関しては小西先輩。一応、陽介が小西先輩を好くきっかけは描いたのですが、今作の目標が「陽介と夢主が親友になる過程を描く」だったので、自然と影が薄くなってしまいました。陽介が彼女に好意を抱く理由が、夢主の介入で原作と比べて薄くなってしまったかな? というのが反省点。彼女への恋心は、本編陽介の中では大きな原動力だったので、その対象となる小西先輩と陽介の関わりをもう少し書いておけば良かったかなと、思います。…………これから書くのが辛い人です。
最後に、ペルソナ4の登場人物たちってやっぱり凄いなと思っていました。誰も彼もが、きっかけさえあれば歩き出せる強さを持っている。きっと彼らはテレビの中の事件がなくとも、何かのきっかけを得て自分の弱さを克服していける強さを持っているのだなと、さらに好きになりました。
◆物語全体に関して。
良かった点。
番長が八十稲羽に来る前の、穏やかな学校生活や四季で移ろう八十稲羽の自然の美しさを背景に、陽介と夢主の交流が段階を踏んで描けていたと思います。
悪かった点。
文が長い! 比喩表現を好むのは仕方がないとしても、まわりくどい表現もあったので、比喩だけでなく、形容詞や動詞でのストレートな表現も心がけたいです。語彙力増やそうぜ。
以上。完結した物語へのあとがきとなります。ここまで読んで下さってありがとうございました! ほぼ作者の備忘録のようなものになりますが、楽しんでいただけましたのなら幸いです。
そして、次回作に関してP4Gファンの方には土下座しなければいけないお知らせが。原作を基本的に尊重するスタイルなのですが、どうしても私はGのこの要素が許容できませんでした。
ごめんなさい。ストーリーはP4無印を基本に、P4Gの追加イベントを入れる形になります。
つまり、マリーは出ません。
その理由に関しては追記にて詳しく記載します。キャラヘイトとも思われる方もいると思いますので、閲覧はご注意下さい。
[追記]