また君ともう一度【鬼道有人】
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『ゆう兄さっかーしよー!!』
寝ているゆう兄の布団を剥ぎ取り、無理やり布団から引きずり出す。
私はこの頃サッカーにどっぷりハマり、毎日ゆう兄と春奈とサッカーに明け暮れた。
『ずいぶん、あさがはやいな…芽瑠は…』
『えへへ、だってはやくゆう兄とサッカーしたいんだもん。』
やれやれという顔をしながらも、いつも私のわがままに応えてくれるゆう兄は私の実の兄のような存在だった。
そして、気の合う春奈も姉妹のようで私はこの2人が本当に大好きだった。
サッカーの方はと言うと、ゆう兄のお父さんの雑誌に基づいてゆう兄が指導してくれるおかげで私のサッカーの技術もみるみる上がっていた。
あの勝負も累計で50対50と同点になり、私とゆう兄の勝負は施設の名物となっていた。
この日も先生に止められるまで私達はサッカーをやっていた。
施設での生活は規則正しく夜8時には就寝のため、私はいつも眠れずにいた。
でも眠りにつけない本当の理由は、夢に死んだ母の姿が映し出されるからだ。
訃報を聞き母のいる病室に駆け込むと、ベッドに横たわる母の顔には、布が被せられており、それを取ると血色のない青白い顔があった。あんなに温かった母の手は酷く冷たく、受け入れたくなくとももう母がこの世にいないという現実を突きつけられた。
でも眠らないと、先生に「明日のサッカー禁止」って言われちゃうから私は必死に目を閉じた。
あぁ、でもやっぱり…
やだ…私をひとりにしないで…
『芽瑠、だいじょうぶか?!』
私の頬に触れたのは、冷たい母の手ではなく、温かくて優しい手。
目をゆっくり開けるとそこにはゆう兄の姿があった。
『ゆう…にぃ…』
ゆう兄の手に私の涙が伝うと、そっとその手で涙を拭った。
『うなされていたぞ。こわいゆめでもみたのか?』
『ううん、だいじょうぶ』
『そうか、むりするなよ』
そう言って彼は、私の頭を撫でた。
『ん…おにいちゃ…』
『すまないはるな。おこしたか?』
目を覚ます春奈の元にゆう兄は行くと、私と同じように優しく春奈の頭を撫でた。
『えへ…おにいちゃんの手あったかぁい』
喜ぶ春奈を見て優しく微笑むゆう兄。
この2人を見ていると、たまにとても羨ましくなる。
ゆう兄と春奈は本当の兄妹だけど、私は違う。
2人の世界に私はいないのだ。
『芽瑠もこっちにおいで』
俯いた私に優しく声を掛けたのは、ゆう兄だった。
ゆう兄を真ん中に、私と春奈は川の字に並び、一つの布団に入った。
『ふたりはさぁ、しょうらいのゆめとかある?』
ふと思いついたことを2人に問う。
少し考えた素振りを見せるゆう兄をよそに、春奈は元気良く手を挙げた。
『わたしけーきやさん!』
確かに可愛らしい春奈には似合う職業だ。
『ゆう兄は?』
『…おれは、この3人でいつまでもずっと暮らしたい』
天井を見つめながらいうゆう兄の顔を思わず見る。
『え、わたしも?』
『いやなのか?』
嫌なわけがない。
ゆう兄の見据えた未来の中に当たり前のように私がいる事がどれだけ嬉しいか。
きっと私は、そう言って貰いたかった。
だからこの質問をしたのだろう。
『おれはしょうらいぜったいにおかねもちになって、ふたりにくろうはかけない。おれがふたりこことはいっしょうまもる。』
真剣なゆう兄の赤い瞳からは強い決意を感じた。
『ゆい兄っ!』
『おにいちゃん!』
私と春奈に抱きつかれ、やれやれと言う言葉とは裏腹にどこか嬉しそうな表情の顔を見て私と春奈は笑った。
『おれたちは"かぞく"だ。このさきずっといっしょだ。』
『うん!』
私達はこれからもずっとずっと一緒。
この生活がいつまでも続いてほしい。
3人でゆびきりげんまんして、眠りについた。
寝ているゆう兄の布団を剥ぎ取り、無理やり布団から引きずり出す。
私はこの頃サッカーにどっぷりハマり、毎日ゆう兄と春奈とサッカーに明け暮れた。
『ずいぶん、あさがはやいな…芽瑠は…』
『えへへ、だってはやくゆう兄とサッカーしたいんだもん。』
やれやれという顔をしながらも、いつも私のわがままに応えてくれるゆう兄は私の実の兄のような存在だった。
そして、気の合う春奈も姉妹のようで私はこの2人が本当に大好きだった。
サッカーの方はと言うと、ゆう兄のお父さんの雑誌に基づいてゆう兄が指導してくれるおかげで私のサッカーの技術もみるみる上がっていた。
あの勝負も累計で50対50と同点になり、私とゆう兄の勝負は施設の名物となっていた。
この日も先生に止められるまで私達はサッカーをやっていた。
施設での生活は規則正しく夜8時には就寝のため、私はいつも眠れずにいた。
でも眠りにつけない本当の理由は、夢に死んだ母の姿が映し出されるからだ。
訃報を聞き母のいる病室に駆け込むと、ベッドに横たわる母の顔には、布が被せられており、それを取ると血色のない青白い顔があった。あんなに温かった母の手は酷く冷たく、受け入れたくなくとももう母がこの世にいないという現実を突きつけられた。
でも眠らないと、先生に「明日のサッカー禁止」って言われちゃうから私は必死に目を閉じた。
あぁ、でもやっぱり…
やだ…私をひとりにしないで…
『芽瑠、だいじょうぶか?!』
私の頬に触れたのは、冷たい母の手ではなく、温かくて優しい手。
目をゆっくり開けるとそこにはゆう兄の姿があった。
『ゆう…にぃ…』
ゆう兄の手に私の涙が伝うと、そっとその手で涙を拭った。
『うなされていたぞ。こわいゆめでもみたのか?』
『ううん、だいじょうぶ』
『そうか、むりするなよ』
そう言って彼は、私の頭を撫でた。
『ん…おにいちゃ…』
『すまないはるな。おこしたか?』
目を覚ます春奈の元にゆう兄は行くと、私と同じように優しく春奈の頭を撫でた。
『えへ…おにいちゃんの手あったかぁい』
喜ぶ春奈を見て優しく微笑むゆう兄。
この2人を見ていると、たまにとても羨ましくなる。
ゆう兄と春奈は本当の兄妹だけど、私は違う。
2人の世界に私はいないのだ。
『芽瑠もこっちにおいで』
俯いた私に優しく声を掛けたのは、ゆう兄だった。
ゆう兄を真ん中に、私と春奈は川の字に並び、一つの布団に入った。
『ふたりはさぁ、しょうらいのゆめとかある?』
ふと思いついたことを2人に問う。
少し考えた素振りを見せるゆう兄をよそに、春奈は元気良く手を挙げた。
『わたしけーきやさん!』
確かに可愛らしい春奈には似合う職業だ。
『ゆう兄は?』
『…おれは、この3人でいつまでもずっと暮らしたい』
天井を見つめながらいうゆう兄の顔を思わず見る。
『え、わたしも?』
『いやなのか?』
嫌なわけがない。
ゆう兄の見据えた未来の中に当たり前のように私がいる事がどれだけ嬉しいか。
きっと私は、そう言って貰いたかった。
だからこの質問をしたのだろう。
『おれはしょうらいぜったいにおかねもちになって、ふたりにくろうはかけない。おれがふたりこことはいっしょうまもる。』
真剣なゆう兄の赤い瞳からは強い決意を感じた。
『ゆい兄っ!』
『おにいちゃん!』
私と春奈に抱きつかれ、やれやれと言う言葉とは裏腹にどこか嬉しそうな表情の顔を見て私と春奈は笑った。
『おれたちは"かぞく"だ。このさきずっといっしょだ。』
『うん!』
私達はこれからもずっとずっと一緒。
この生活がいつまでも続いてほしい。
3人でゆびきりげんまんして、眠りについた。
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