行きて帰りし物語。ネルファンディアにとっての旅は、60年以上もの長い旅でした。その60年間は描かれていませんが、きっとトーリンを失った悲しみを毎日思い返しながら生きてきたのだと私は思っています。
　トーリンとネルファンディアが最後に再会を果たすことが出来たことは、彼女がずっと隠し続けてきた願いです。そして更に思いがけない再会もありました。
　ネルファンディアの生き様を書きながら、私は段々と何かが見えてきたように思いました。はっきりとは言い表せませんが、少なくとも彼女は今を精一杯生きること、そして独りで進むように見える道にこそ、どこかに自分を支えてくれる何かがある。そう思って生きていくことこそが、本当の幸せを運んでくれる。そう言っている気がしました。
　
　後半はお相手のいない夢小説ということで、かなりの挑戦になっていましたが、何とか形にすることができてほっとしています。黒門の戦い以降は加筆（エクステンデッド処理）する予定はありませんが、今後も思い付きましたら加筆、あるいは訂正作業はすると思います。
　
　また、この物語を読み終わっても未だに残る謎がいくつかあると思います。レヴァナントは何故マイアからネルファンディアの愛馬になったのか等々、様々な謎が隠されています。もし興味がある方はぜひ、第三紀以前の、西方の地の物語である、二つの木の時代から始まるLong to Tell Youをご覧ください。サルマンとエルミラエルの出会いと人生を主軸に、シルマリルの物語とも被る出来事が絡んでくる内容になっています。念のため飛びやすいように、下のリンク集に置いておきます。
　
　
　それからある方のリクエストを受け、本編の結末とは別に、もしトーリンたちが死なずに幸せに暮らせていたらというif夢小説として、『山の下おしどり夫婦日記』という小説も随時更新しています。もし幸せに暮らすトーリンとネルファンディアが見たいと希望される方は、こちらの小説も読んでみてください。これも下のリンク集に置いておきます。
　
　
　
　最後になりましたが、ここまで読んでくださった皆様に心から感謝の気持ちを伝えさせていただきます。本当にありがとうございました。一年以上の更新空白期間があったにも関わらず、待ってくださった方もいらっしゃると思います。本当に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。
　
　
　
　それではまた、いつかどこかのあとがきにてお会いしましょう。
　
　

　≪管理人、坂裏庵≫