終章、望みが叶うとき
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
黒門の戦いでのサウロン軍の敗北により、指輪戦争は自由の民の勝利に終わった。長きに渡って王不在の状態が続いていたゴンドールは、再びアラソルンの息子、イシルドゥアの直系の孫であるアラゴルンを王に据え、その栄華を取り戻した。その妻には、王の意思でエルロンドの娘であるエルフ族のアルウェンが迎えられ、王との間に王子と数名の姫に恵まれたという。
指輪戦争時にエレボールの王であったダイン卿は、黒門の戦いと同時期に行われた戦いで討死した。その息子が即位した後は、戦で荒廃したゴンドールの城門や街の復興を手助けし、人間の王国とドワーフの王国には生涯交友関係が結ばれた。
サルマンの亡骸については、彼の生前の希望に従ってファンゴルンの森に位置する、最愛の妻エルミラエルの墓隣にガンダルフによって手厚く埋葬された。一度は背信行為によって剥奪された白の議長の座と賢者の銘も、その理由を考慮して白の会議一同の合意の下で、再授与の形で贈られた。
フロド・バキンズは一連の指輪戦争についての物語を執筆し、西に渡ってからはサム・ワイズに託して完成させ、事の顛末を広く中つ国に知らしめた。ペレグリン・トゥック、メリアドク・ブランディバックは共に人間の国との交友を続け、サムは庄長を歴任した。
サウロンとの死闘を繰り広げた末に討死したネルファンディアについては、改めて父と同じ白の賢者の称号を与えられた。その遺体は五軍の合戦から実に半世紀以上の時を経て、ようやく最愛のトーリン王の隣に永住する悲願を叶えた。彼女には追号として王妃の座が贈られ、墓石には『山の下の王、トーリン・オーケンシールド最愛の人』と刻まれた。
そしてその魂の行方については、ある者によれば母の生まれた西方の地へ帰ったと語られている。また別の者によれば、討死したエレボールのドワーフたちとマンドスの館で再会を果たし、トーリン王と共に中つ国を見守りながら、長年伝えることができなかった愛を語り合っているという。
そして、わしもそう願う。
ガンダルフはパイプを燻らせながら、サルマンとエルミラエルの墓前に座っていた。きっと彼なら、わしの墓の前でパイプなど吸うなと言うだろう。
「……サルマン、あなたの娘は偉大だ。流石は白のサルマンの娘ですな」
返事はない。ガンダルフは解りきっていることに哀しげに笑った。後ろの方で誰かが彼を呼んでいる。
「さて、そろそろ行かねば。魔法使いは去り時も考えねば」
西へ帰ろう。そうすれば全ての顛末がわかるはず。ガンダルフは立ち上がり、白い杖をつきながらその場を去った。
もう、彼の役目は終わったのだ。闇の脅威は去ったのだから。
指輪戦争時にエレボールの王であったダイン卿は、黒門の戦いと同時期に行われた戦いで討死した。その息子が即位した後は、戦で荒廃したゴンドールの城門や街の復興を手助けし、人間の王国とドワーフの王国には生涯交友関係が結ばれた。
サルマンの亡骸については、彼の生前の希望に従ってファンゴルンの森に位置する、最愛の妻エルミラエルの墓隣にガンダルフによって手厚く埋葬された。一度は背信行為によって剥奪された白の議長の座と賢者の銘も、その理由を考慮して白の会議一同の合意の下で、再授与の形で贈られた。
フロド・バキンズは一連の指輪戦争についての物語を執筆し、西に渡ってからはサム・ワイズに託して完成させ、事の顛末を広く中つ国に知らしめた。ペレグリン・トゥック、メリアドク・ブランディバックは共に人間の国との交友を続け、サムは庄長を歴任した。
サウロンとの死闘を繰り広げた末に討死したネルファンディアについては、改めて父と同じ白の賢者の称号を与えられた。その遺体は五軍の合戦から実に半世紀以上の時を経て、ようやく最愛のトーリン王の隣に永住する悲願を叶えた。彼女には追号として王妃の座が贈られ、墓石には『山の下の王、トーリン・オーケンシールド最愛の人』と刻まれた。
そしてその魂の行方については、ある者によれば母の生まれた西方の地へ帰ったと語られている。また別の者によれば、討死したエレボールのドワーフたちとマンドスの館で再会を果たし、トーリン王と共に中つ国を見守りながら、長年伝えることができなかった愛を語り合っているという。
そして、わしもそう願う。
ガンダルフはパイプを燻らせながら、サルマンとエルミラエルの墓前に座っていた。きっと彼なら、わしの墓の前でパイプなど吸うなと言うだろう。
「……サルマン、あなたの娘は偉大だ。流石は白のサルマンの娘ですな」
返事はない。ガンダルフは解りきっていることに哀しげに笑った。後ろの方で誰かが彼を呼んでいる。
「さて、そろそろ行かねば。魔法使いは去り時も考えねば」
西へ帰ろう。そうすれば全ての顛末がわかるはず。ガンダルフは立ち上がり、白い杖をつきながらその場を去った。
もう、彼の役目は終わったのだ。闇の脅威は去ったのだから。