終章、望みが叶うとき
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ゴンドール王の戴冠式は、盛大にかつ荘厳に執り行われた。仲間たちが見守るなか、アラゴルンは王妃となるアルウェンを隣に迎え、エルフ語でこう宣言した。
「Et Eärello Endorenna utúlien Sinome maruvan ar Hildinyar tenn' Ambar-metta(この地に降り立ち統治する人の子らよ。我らの子孫は、世界の終わりが来るその日まで、この世界の一員であり続けるであろう)」
それはネルファンディアがアラゴルンに授けた恩寵の言葉だった。だがその直後、驚くべき出来事が起きた。彼がそう言って戴冠を受けたと同時に、突然白い花びらが辺りに舞い始めたのだ。ガンダルフは目を細めて感嘆した。
「これは……白の木が咲いたのか」
「さっきまで蕾もついていなかったのに」
驚く周りに対して、アルウェンは微笑んでいる。
「……ネルファンディアが、祝福してくれているのです」
「彼女らしい、粋な祝福だ」
白の木の花びらは、純白の美しさを誇っていた。それはネルファンディアの髪色のようだった。その場にいた誰もが、終わりの見えない悲しみの闇に光が差したように思え、僅かに口許を緩めた。
────そうよ、笑って。私はずっと、この世界を見守り続ける。だから泣かないで。
そんなネルファンディアの声が聞こえた気がして、エオウィンは満面の笑みを浮かべた。隣に居た彼女の恋人──ファラミアは、一人首をかしげている。
「……ネルファンディアとは、誰なんだ?」
エオウィンは彼の方を見て、一言こう言った。
「────私の、友達だった人よ」
ガンダルフがその言葉で笑顔に変わる。
愛する人の明日を奪われ続けたネルファンディアが行き着いた望みは、実現した。自由の民に、彼女の大切な人たちが迎えることのできなかった明日を、確かに希望と共に与えたのだから。
仲間たちはいつまでも風に舞う白の木の花びらを見つめ続けた。そして西に吹く風が吹き、その花びらが海を越え、アマンにあるマンドスの館へ向かうことができるように願いながら。
「Et Eärello Endorenna utúlien Sinome maruvan ar Hildinyar tenn' Ambar-metta(この地に降り立ち統治する人の子らよ。我らの子孫は、世界の終わりが来るその日まで、この世界の一員であり続けるであろう)」
それはネルファンディアがアラゴルンに授けた恩寵の言葉だった。だがその直後、驚くべき出来事が起きた。彼がそう言って戴冠を受けたと同時に、突然白い花びらが辺りに舞い始めたのだ。ガンダルフは目を細めて感嘆した。
「これは……白の木が咲いたのか」
「さっきまで蕾もついていなかったのに」
驚く周りに対して、アルウェンは微笑んでいる。
「……ネルファンディアが、祝福してくれているのです」
「彼女らしい、粋な祝福だ」
白の木の花びらは、純白の美しさを誇っていた。それはネルファンディアの髪色のようだった。その場にいた誰もが、終わりの見えない悲しみの闇に光が差したように思え、僅かに口許を緩めた。
────そうよ、笑って。私はずっと、この世界を見守り続ける。だから泣かないで。
そんなネルファンディアの声が聞こえた気がして、エオウィンは満面の笑みを浮かべた。隣に居た彼女の恋人──ファラミアは、一人首をかしげている。
「……ネルファンディアとは、誰なんだ?」
エオウィンは彼の方を見て、一言こう言った。
「────私の、友達だった人よ」
ガンダルフがその言葉で笑顔に変わる。
愛する人の明日を奪われ続けたネルファンディアが行き着いた望みは、実現した。自由の民に、彼女の大切な人たちが迎えることのできなかった明日を、確かに希望と共に与えたのだから。
仲間たちはいつまでも風に舞う白の木の花びらを見つめ続けた。そして西に吹く風が吹き、その花びらが海を越え、アマンにあるマンドスの館へ向かうことができるように願いながら。