あの日の翌日から、若い女隊士は普通に隊務に当たっていた。たいしたことがあったわけではないと藍染は思っていた。しかしあの秦という世話焼きが、今まで一枚もニ枚も噛んで同じようなことをしてきたのであろう。きっと四番隊に頼りたくない者達を町医者にでも連れて行って、一晩中治癒の霊圧を当てていたに違いない。

藍染は、卯ノ花の前で恥をかかされた、となど思いもしなかったが、純然と、「何故授かった命を殺すのか」と思った。

藍染は梅子を隊主室に呼んだ。
「おばあちゃんが何かしでかした!」
と、隊士達は騒ぎになった。それは梅子が若い隊士達の代わりに責任を取らせられるとしたら、自分達は彼女をかばうために声を上げたいが、そうすれば今まで梅子に世話を頼んでいた自分達の秘密があらわになってしまう、という、どうにも動きの取れないことへの苦しみの騒ぎだった。しかし梅子には年の功がある。
「あんた達は落ち着いて黙って見てな。」
とだけ言って、さっさと隊主室へと消えていった。