姥桜
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ある非番の日、藍染は瀞霊廷の飲食街で、梅子が、若い娘、と言っても差し支えないような年端も行かぬ同隊の隊士の肩を抱いて、支えながら鰻屋に入るのを見た。若い娘の方は憔悴していて、内股の足取りが重そうだ。二人は死覇装でなく、私服である着物を着ていて、目立たぬように行動していた。
「しっかりしな!虚にやられたわけではなし、辛いだろうけど大怪我じゃないんだ。治癒の霊圧も当てたし、大丈夫。あとはお弔いをしてやらないとね…。」
「すみません、ありがとう、おばあちゃん…。」
若い娘は必死で涙をこらえると、おぼつかない腰つきで小上がり席に座り込んだ。
「すいませーん!!うな重の松を二人前と、肝吸いも二人前お願いします!!」
梅子は手を上げて勢いよく、しかし手短に注文を済ませると、
「鰻でも食べて精をつけて、元気出すんだよ!亡くなった子のためにも!」
と、小さな声で若い娘を励ました。娘はうなづきつつ、泣いた。
藍染は、またあの秦とかいう世話焼きが何かをしている、としか思わず、会話を立ち聞きしただけで鰻屋には入らず、二人に声を掛けずに立ち去った。女同士の何かがあったんだろう、程にしか思わなかった。
しかし隊長になって日も浅いある日、隊務で四番隊を訪れた際、卯ノ花から強烈なことを聞かされた。
「五番隊の隊風は、相変わらず温厚で規律正しく、模範的ですね。」
卯ノ花は何かを含みながら、五番隊を褒めた。
「ありがとうございます、卯ノ花隊長。まだ隊長になり日も浅く、行き届かないことばかりで、まさかお褒め頂けるとは思っておりませんでした。」
藍染は遠慮がちに微笑みながら、しかし喜んでいた。ところがそれは浅慮だと知る。
「女性の隊士の皆さんが、男性に言いづらいことで四番隊を頼ることが、五番隊は著しく少ないのです。これは藍染隊長のお言いつけのお陰でしょうか。それともどなたか他の隊士の方のお陰でしょうか?」
卯ノ花は藍染を直視して、鋭さをくるんだ声で言った。藍染は先日、鰻屋で見た二人の姿を思い出した。そしてようやく悟った。
あれは、墮胎手術をした若い女隊士を、梅子がかばってやっていたのだと。
「しっかりしな!虚にやられたわけではなし、辛いだろうけど大怪我じゃないんだ。治癒の霊圧も当てたし、大丈夫。あとはお弔いをしてやらないとね…。」
「すみません、ありがとう、おばあちゃん…。」
若い娘は必死で涙をこらえると、おぼつかない腰つきで小上がり席に座り込んだ。
「すいませーん!!うな重の松を二人前と、肝吸いも二人前お願いします!!」
梅子は手を上げて勢いよく、しかし手短に注文を済ませると、
「鰻でも食べて精をつけて、元気出すんだよ!亡くなった子のためにも!」
と、小さな声で若い娘を励ました。娘はうなづきつつ、泣いた。
藍染は、またあの秦とかいう世話焼きが何かをしている、としか思わず、会話を立ち聞きしただけで鰻屋には入らず、二人に声を掛けずに立ち去った。女同士の何かがあったんだろう、程にしか思わなかった。
しかし隊長になって日も浅いある日、隊務で四番隊を訪れた際、卯ノ花から強烈なことを聞かされた。
「五番隊の隊風は、相変わらず温厚で規律正しく、模範的ですね。」
卯ノ花は何かを含みながら、五番隊を褒めた。
「ありがとうございます、卯ノ花隊長。まだ隊長になり日も浅く、行き届かないことばかりで、まさかお褒め頂けるとは思っておりませんでした。」
藍染は遠慮がちに微笑みながら、しかし喜んでいた。ところがそれは浅慮だと知る。
「女性の隊士の皆さんが、男性に言いづらいことで四番隊を頼ることが、五番隊は著しく少ないのです。これは藍染隊長のお言いつけのお陰でしょうか。それともどなたか他の隊士の方のお陰でしょうか?」
卯ノ花は藍染を直視して、鋭さをくるんだ声で言った。藍染は先日、鰻屋で見た二人の姿を思い出した。そしてようやく悟った。
あれは、墮胎手術をした若い女隊士を、梅子がかばってやっていたのだと。