姥桜
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その年増、というにもまだ早いような、それでもけっして娘、とは言えない女は、藍染が五番隊に入隊した時から、既に長く五番隊の隊士をしていたようだ。過去には四番隊に属していたと聞いている。要するに人生の先輩だ。化粧っ気もなく、髪をいつも馬糞巻きにしていて変えず、思慮深いとも言えなくはないが、どことなく人生に疲れた陰気な表情は、年齢を重ねた顔に、まだ浅いシワしかないものを、余計にシワ深く見せた。
彼女は秦 梅子という。年齢や古風な名前のせいもあり、知恵や見識が年寄りくさくもあり、また隊士達の面倒見も良いことから、彼女は皆に「おばあちゃん」と呼ばれていた。それは親しみをこめたものであるため、そうあだ名されることを、本人も気にしていないようだ。おばあちゃーん!、と呼ばれると、あいよー!、と答えていた。
梅子は死神の家系の出ではない。両親も弟妹も親戚達も、みな普通の町人で、彼女だけがポッと死神として生まれたのである。
死神の寿命は長い。
彼女の家族達はみな他界してしまい、梅子は何代も後の親戚とほそぼそとつながっているだけの、ほとんど五番隊に住み着いているようなものだった。
そのくせ死神としての才に恵まれず、年齢が年齢ゆえに、どんどんと入隊してくる若い隊士達に、鬼道も斬術もかなわない。
本当に彼女は、若い隊士達のお守りとしてしか生きる道がないのではないか、と藍染は思った。せいぜい書類仕事の経験が豊富で、隊舎の留守を温めるのがいいところで、若い隊士達に頼られているのはその人生経験だけで、取り立てて何があるわけでもなし、と、年若い藍染は思った。
しかしそれはやがて奢りと知る。
彼女は、彼女にしか出来ないことを、五番隊のためにしてくれていた。
彼女は秦 梅子という。年齢や古風な名前のせいもあり、知恵や見識が年寄りくさくもあり、また隊士達の面倒見も良いことから、彼女は皆に「おばあちゃん」と呼ばれていた。それは親しみをこめたものであるため、そうあだ名されることを、本人も気にしていないようだ。おばあちゃーん!、と呼ばれると、あいよー!、と答えていた。
梅子は死神の家系の出ではない。両親も弟妹も親戚達も、みな普通の町人で、彼女だけがポッと死神として生まれたのである。
死神の寿命は長い。
彼女の家族達はみな他界してしまい、梅子は何代も後の親戚とほそぼそとつながっているだけの、ほとんど五番隊に住み着いているようなものだった。
そのくせ死神としての才に恵まれず、年齢が年齢ゆえに、どんどんと入隊してくる若い隊士達に、鬼道も斬術もかなわない。
本当に彼女は、若い隊士達のお守りとしてしか生きる道がないのではないか、と藍染は思った。せいぜい書類仕事の経験が豊富で、隊舎の留守を温めるのがいいところで、若い隊士達に頼られているのはその人生経験だけで、取り立てて何があるわけでもなし、と、年若い藍染は思った。
しかしそれはやがて奢りと知る。
彼女は、彼女にしか出来ないことを、五番隊のためにしてくれていた。
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