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刀剣乱舞

光忠が長らくの遠征を終えて本丸に戻ってきたのが昨日のこと。

出迎えた玄関先ですれ違い様に耳元で、今夜僕の部屋に来てと囁かれた時には思わず肩が震えた。
そしてその日の晩、湯殿からそのまま彼の部屋に向かうと障子を開けるや否や中に引き入れられ、その逞しい腕に閉じ込められたまま布団の上に組み敷かれた。
何度も口付けを交わしながらも彼の右手はわたしの腰に回され、左手で布越しに胸元に触れて、ゆっくりと撫で回す。

「・・・ん・・・ぅ・・・」

無意識に身体は反応してしまう。
こうなることを予想していなかったと言えば嘘になるけれど、遠征での疲れもあるだろうから、少し話をする程度に留めておきたかった。
しかし光忠の手は止まることを知らず、慣れた手つきで帯を解くとはらりと肌蹴けて露になった胸に舌を這わせてくる。
そこに気を取られていると、いつの間にか太腿に伸びてきた手がその間を割って、隠されていた場所に簡単に行き着いてしまう。

「・・・よかった、濡れてる」

微かに恍惚とした表情を浮かべると、彼はそこへゆっくりと中指を差し込んだ。

「・・・んぅっ・・・ぁ・・・」

思わず仰け反る背中。
軽く中で指を曲げられただけなのに、あられもない声まで零れてしまう。

「・・・ここ、気持ちいいんだよね」

なにもかもを知り尽くしているせいか、光忠は無駄ひとつない動きで的確に突いてくる。
わたしが意識を手放すまでにそう時間はかからなかった。


それから、ぼんやり瞼を持ち上げる。
ようやく取り戻した意識が馴染むころには、もうすっかり陽も落ちていた。
あれから何度、繰り返したのだろう。
指一本動かすこともできないほど、身体に力が入らない。

「・・・あ、起きたのかい?」

背後から声がして、それからまた強く抱きしめられる。
首筋には散々残された彼の印が刻まれているのに、それすら足りないと言うように光忠は口付けを落としてきた。

「・・・ねぇ、主。」

耳元に寄せられた唇が紡いだ言葉は、ひどく切なげだった。

「僕のこと、本当に愛してる・・・?」

その問いに、ほんの少しだけ間をあけてから頷く。
もちろん恋仲であることは変わらないし、これからもずっと彼の傍から離れることはないのだけれど。

「・・・ええ。愛してるわ、光忠」

わたしが愛しているのは、かつてこの本丸にいた、もう一振の光忠。
顔も姿も愛を紡ぐ声も同じだけれど、やはりあの人とはどこか違う。
再び顕現したその日からの記憶しかない。
もう一度同じようにわたしを愛してくれているのに、どうしてもあの人と重ねてしまう。

「よかった・・・僕も、愛してるよ」
「・・・ありがとう」

飽きるほど重ねた唇に、今度はわたしの方から口付ける。
たくさんの嘘で塗り固めた想いを乗せて。
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