和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
君との見る月
君の名前は?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
紅葉様が宗三左文字を連れて帰ってから、私の本丸との協定が解除された。
もともと協定と言っても各々の本丸でどうしても出陣しなきゃいけないときに刀剣が足りなかったら要請するって形をとっていたから、こちらは特に支障があることはなかったけど。
和泉守の情報では、あちらの本丸では自分の意思を持たない刀剣も居るらしく、毎日のように死ぬまで戦い、破壊されて刀剣を失うこともあるそうだった。
「………はぁ……。」
和泉守から届く報告書を読みながら、すごく暗い気持ちになる。
破壊されるまでボロボロになり、それでもなお戦わされる。
想像するだけで辛い。
なんでそこまでしなきゃいけないんだろう………。
「主よ、一時の間に何回ため息つくつもりじゃ?」
私の気持ちを読み取ったように、三日月はお茶を出してくれて、読み終えた報告書を片付けてくれる。
「和泉守、報告書をくれるのはすごく助かるけど、和泉守は大丈夫なのかな?」
あちらにいけば当然出陣もあるだろうし、やはり心配になる。
「和泉守の話では、瘴気を感じることもあると言う。精神の弱い者だったら簡単に当てられ、自我を失う者もいるじゃろう。
和泉守ほどの刀剣ならまだなんとかなるだろうが、大事にならなければよいな……。」
真剣な三日月の口調に、やはり不安は募る。
瘴気が漂うほど本丸が悪くなっているのなら、何があってもおかしくはない。
『主よ、聞こえるか?』
不意に通信が入り、日本号の声が聞こえた。
「日本号、どうしました?」
慌てて机に戻ると、日本号の慌てた様子が見てとれた。
「急に悪いな。今、戦闘が終わったんだが、途中で小夜とはぐれちまった。そっちで小夜の居場所確認できねぇか?」
森の中を走ってるのか、ガサガサと木を掻き分けて進んでいる。
「小夜君が!?わかった、探してみる!」
機動に長けている小夜君だし、負傷の情報も入ってないから大丈夫だとは思うけど、不安になり居場所を探す。
「こんのすけ、小夜君の居場所は掴める?」
日本号に同行しているこんのすけに通信をすると、すぐに探してくれた。
「主様、小夜はこの時間軸の端に居ます。負傷は無いようですが、動きません。」
こんのすけが送ってくれた小夜君の居場所を見ると、木の影で倒れている。
「日本号、そのまま真っ直ぐ北に走って!負傷は無いようだけど、大きな楠の木の影で倒れてる!」
日本号に居場所を教えると、まっすぐ小夜君の元に走ってくれた。
「見つけた!」
倒れた小夜君の元に日本号が到着してくれて、ほっとした。
「小夜は、大丈夫か?」
横で一緒に様子を見ててくれた三日月が小夜君を按じてくれる。
「わかんねぇよ。おぃ、小夜!!」
日本号が小夜君を揺すって起こそうとした時。
-ザシュッ-
不意に、小夜君は握っていた短刀で日本号の腕を目掛けて切りつけた。
「なっ、何しやがる!?」
幸い、攻撃は日本号の腕を掠めるだけに済んだけど。
ユラユラと立ち上がった小夜君は、焦点の定まらない瞳で日本号達を見ている。
「小夜君!?」
写し出された姿に、この前部屋を掃除してくれた時の可愛い姿は無く。
まるで獣のように荒く息をしていた。
「…………ロス……コ……ロ……ス………」
今にも襲ってきそうな姿に、日本号も、日本号の部隊の陸奥守も警戒していた。
「日本号………こりゃまずいぞ。」
尋常じゃない小夜君の様子に陸奥守は刀を構えてるけど、どうしたものかと日本号に問いかける。
「なぁ、主。」
不意に日本号は私に話を振ってきた。
「日本号、お願い、小夜君を傷つけないで!」
なんで暴れてるのかはわからないけど、みんな無事で本丸に戻ってほしい。
どうしたら良いかわからないけど、このままそこに置き去りにもしたくない。
私の言葉に、少しだけ考えて、日本号はため息をついた。
「わかったよ。少々手荒になるが、小夜は連れて帰る。」
ただ、ここからは見せられねぇ。
そう言って通信は切られてしまった。
「………三日月………。」
不安なまま、三日月を見上げると。
「日本号が大丈夫と言うなら信じよう。」
そう言って優しい瞳を向けて頭を撫でてくれた。
それからしばらくして。
日本号の部隊が帰還したと連絡が来た。
急いで玄関に向かうと、そこには傷を負った陸奥守や蜻蛉切の姿に、ぐるぐるに縄で縛られて気絶している小夜君を抱えている日本号の姿。
「お帰りなさい!負傷してる人はすぐに手当部屋に!」
陸奥守達を手当部屋に行くように促し、小夜君を抱えてる日本号に近付く。
「日本号………。」
小夜君は気絶していて、ぴくりともしない。
「気絶してるだけだ。こうしなきゃ連れてこれなかった。とりあえず、このまま地下牢に入れる。」
「地下牢に!?」
あまりにも可哀想だとは思ったけど。
気がついてまた暴れだしたら止めるのは危険だと。
日本号に促されて、納得するしかなかった。
地下牢には、2畳くらいの畳があるだけ。
縄で縛られたままの小夜君を畳に寝かせて、日本号と様子を見る。
「なんでこんなことに………。」
怪我している様子はない。
なのに、なんでいきなり自我を失うなんて………。
「気を付けろよ。」
日本号は私が近付くのを心配していたけど、あんなに優しかった小夜君が暴れたことが悲しくて。
そっと頭を撫でる。
気絶している小夜君はただ眠ってるようで。
「小夜君………。日本号、小夜君のこと、ちゃんと連れて帰ってくれて、ありがとう。」
小夜君を撫でながら日本号を見ると、心配そうな顔だったけど笑ってくれた。
「雛菊………」
日本号に名前で呼ばれて、返事をしようとした時。
小夜君が動いた気がして小夜君に視線を向けた瞬間。
「………ウガァッ!!」
急に小夜君が動いて。
撫でていた私の腕に渾身の力で噛みついてきた。
「雛菊!!」
「いっ…………たぁ………」
腕の皮膚が裂ける痛みに、思わず顔をしかめる。
日本号が手を離そうとしたけど、思わず遮ってしまった。
「日本号………ちょっと………まって………。」
小夜君が噛みついた腕からは、ポタポタと鮮血が滴っている。
「小夜………君………。」
小夜君は腕に噛みついたまま喉を鳴らして血を飲み、固まっている。
「小夜君…………。気がついて…………。」
手は冷たくなり、しびれている。
そっと手を伸ばし、小夜君を抱き寄せると、小夜君の小さな体がビクリと跳ね上がる。
「雛菊、もうやめろ、腕が折れるぞ!」
日本号は止めようとしたけど、私は日本号に向かって微かに笑った。
「大丈夫………。」
また小夜君に視線を向けると、微かに震えている。
「小夜君、私だよ。わかる?」
抱き締めて声をかけると、少しずつ焦点が合い出した瞳が噛みついている腕に向けられる。
それとともに噛みつく力が抜ける。
「…………あ…………主様………。」
口を外した腕は、ドクドクと脈を打ち手の熱が戻り始める。
完全に自我を取り戻した小夜君は置かれた状態が読み取れず、震え始める。
「小夜君、良かった………。」
腕の痛みより、小夜君が戻ってくれたことが嬉しくて。
泣きながら精一杯抱き締めた。
「主様、俺は………」
腕の中の小夜君に返事をしようと思ったけど。
気が抜けた瞬間、目の前が真っ暗になっていった………。
もともと協定と言っても各々の本丸でどうしても出陣しなきゃいけないときに刀剣が足りなかったら要請するって形をとっていたから、こちらは特に支障があることはなかったけど。
和泉守の情報では、あちらの本丸では自分の意思を持たない刀剣も居るらしく、毎日のように死ぬまで戦い、破壊されて刀剣を失うこともあるそうだった。
「………はぁ……。」
和泉守から届く報告書を読みながら、すごく暗い気持ちになる。
破壊されるまでボロボロになり、それでもなお戦わされる。
想像するだけで辛い。
なんでそこまでしなきゃいけないんだろう………。
「主よ、一時の間に何回ため息つくつもりじゃ?」
私の気持ちを読み取ったように、三日月はお茶を出してくれて、読み終えた報告書を片付けてくれる。
「和泉守、報告書をくれるのはすごく助かるけど、和泉守は大丈夫なのかな?」
あちらにいけば当然出陣もあるだろうし、やはり心配になる。
「和泉守の話では、瘴気を感じることもあると言う。精神の弱い者だったら簡単に当てられ、自我を失う者もいるじゃろう。
和泉守ほどの刀剣ならまだなんとかなるだろうが、大事にならなければよいな……。」
真剣な三日月の口調に、やはり不安は募る。
瘴気が漂うほど本丸が悪くなっているのなら、何があってもおかしくはない。
『主よ、聞こえるか?』
不意に通信が入り、日本号の声が聞こえた。
「日本号、どうしました?」
慌てて机に戻ると、日本号の慌てた様子が見てとれた。
「急に悪いな。今、戦闘が終わったんだが、途中で小夜とはぐれちまった。そっちで小夜の居場所確認できねぇか?」
森の中を走ってるのか、ガサガサと木を掻き分けて進んでいる。
「小夜君が!?わかった、探してみる!」
機動に長けている小夜君だし、負傷の情報も入ってないから大丈夫だとは思うけど、不安になり居場所を探す。
「こんのすけ、小夜君の居場所は掴める?」
日本号に同行しているこんのすけに通信をすると、すぐに探してくれた。
「主様、小夜はこの時間軸の端に居ます。負傷は無いようですが、動きません。」
こんのすけが送ってくれた小夜君の居場所を見ると、木の影で倒れている。
「日本号、そのまま真っ直ぐ北に走って!負傷は無いようだけど、大きな楠の木の影で倒れてる!」
日本号に居場所を教えると、まっすぐ小夜君の元に走ってくれた。
「見つけた!」
倒れた小夜君の元に日本号が到着してくれて、ほっとした。
「小夜は、大丈夫か?」
横で一緒に様子を見ててくれた三日月が小夜君を按じてくれる。
「わかんねぇよ。おぃ、小夜!!」
日本号が小夜君を揺すって起こそうとした時。
-ザシュッ-
不意に、小夜君は握っていた短刀で日本号の腕を目掛けて切りつけた。
「なっ、何しやがる!?」
幸い、攻撃は日本号の腕を掠めるだけに済んだけど。
ユラユラと立ち上がった小夜君は、焦点の定まらない瞳で日本号達を見ている。
「小夜君!?」
写し出された姿に、この前部屋を掃除してくれた時の可愛い姿は無く。
まるで獣のように荒く息をしていた。
「…………ロス……コ……ロ……ス………」
今にも襲ってきそうな姿に、日本号も、日本号の部隊の陸奥守も警戒していた。
「日本号………こりゃまずいぞ。」
尋常じゃない小夜君の様子に陸奥守は刀を構えてるけど、どうしたものかと日本号に問いかける。
「なぁ、主。」
不意に日本号は私に話を振ってきた。
「日本号、お願い、小夜君を傷つけないで!」
なんで暴れてるのかはわからないけど、みんな無事で本丸に戻ってほしい。
どうしたら良いかわからないけど、このままそこに置き去りにもしたくない。
私の言葉に、少しだけ考えて、日本号はため息をついた。
「わかったよ。少々手荒になるが、小夜は連れて帰る。」
ただ、ここからは見せられねぇ。
そう言って通信は切られてしまった。
「………三日月………。」
不安なまま、三日月を見上げると。
「日本号が大丈夫と言うなら信じよう。」
そう言って優しい瞳を向けて頭を撫でてくれた。
それからしばらくして。
日本号の部隊が帰還したと連絡が来た。
急いで玄関に向かうと、そこには傷を負った陸奥守や蜻蛉切の姿に、ぐるぐるに縄で縛られて気絶している小夜君を抱えている日本号の姿。
「お帰りなさい!負傷してる人はすぐに手当部屋に!」
陸奥守達を手当部屋に行くように促し、小夜君を抱えてる日本号に近付く。
「日本号………。」
小夜君は気絶していて、ぴくりともしない。
「気絶してるだけだ。こうしなきゃ連れてこれなかった。とりあえず、このまま地下牢に入れる。」
「地下牢に!?」
あまりにも可哀想だとは思ったけど。
気がついてまた暴れだしたら止めるのは危険だと。
日本号に促されて、納得するしかなかった。
地下牢には、2畳くらいの畳があるだけ。
縄で縛られたままの小夜君を畳に寝かせて、日本号と様子を見る。
「なんでこんなことに………。」
怪我している様子はない。
なのに、なんでいきなり自我を失うなんて………。
「気を付けろよ。」
日本号は私が近付くのを心配していたけど、あんなに優しかった小夜君が暴れたことが悲しくて。
そっと頭を撫でる。
気絶している小夜君はただ眠ってるようで。
「小夜君………。日本号、小夜君のこと、ちゃんと連れて帰ってくれて、ありがとう。」
小夜君を撫でながら日本号を見ると、心配そうな顔だったけど笑ってくれた。
「雛菊………」
日本号に名前で呼ばれて、返事をしようとした時。
小夜君が動いた気がして小夜君に視線を向けた瞬間。
「………ウガァッ!!」
急に小夜君が動いて。
撫でていた私の腕に渾身の力で噛みついてきた。
「雛菊!!」
「いっ…………たぁ………」
腕の皮膚が裂ける痛みに、思わず顔をしかめる。
日本号が手を離そうとしたけど、思わず遮ってしまった。
「日本号………ちょっと………まって………。」
小夜君が噛みついた腕からは、ポタポタと鮮血が滴っている。
「小夜………君………。」
小夜君は腕に噛みついたまま喉を鳴らして血を飲み、固まっている。
「小夜君…………。気がついて…………。」
手は冷たくなり、しびれている。
そっと手を伸ばし、小夜君を抱き寄せると、小夜君の小さな体がビクリと跳ね上がる。
「雛菊、もうやめろ、腕が折れるぞ!」
日本号は止めようとしたけど、私は日本号に向かって微かに笑った。
「大丈夫………。」
また小夜君に視線を向けると、微かに震えている。
「小夜君、私だよ。わかる?」
抱き締めて声をかけると、少しずつ焦点が合い出した瞳が噛みついている腕に向けられる。
それとともに噛みつく力が抜ける。
「…………あ…………主様………。」
口を外した腕は、ドクドクと脈を打ち手の熱が戻り始める。
完全に自我を取り戻した小夜君は置かれた状態が読み取れず、震え始める。
「小夜君、良かった………。」
腕の痛みより、小夜君が戻ってくれたことが嬉しくて。
泣きながら精一杯抱き締めた。
「主様、俺は………」
腕の中の小夜君に返事をしようと思ったけど。
気が抜けた瞬間、目の前が真っ暗になっていった………。