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君との見る月
君の名前は?
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次の日。
朝食も部隊長の会議も終わり、皆を見送った。
和泉守が紅葉様の本丸に行った事を心配していたけど。
あの後、三日月に和泉守は密偵としてあちらに行ってもらった事を聞いた。
やはり、いきなり部隊長クラスを何人も要求してくるのはおかしい。
三日月もそう思っていたらしい。
「失礼します。」
戦況を見ていると、部屋の外から小夜の声がした。
「はい、どうぞ?」
そっと画面を消し、障子が開くのを見ると、唐笠を背負った小夜がそっと覗いた。
「主様、お部屋を掃除に来ました。」
小さな体で大きな箒と雑巾の入った桶を抱えてる。
少しだけ可愛いと思いながら、あわてて入り口に向かった。
「ありがとう。お願いしますね。」
そっと、障子を開けると、桶を置いてペコリと頭を下げると箒を持って入ってきた。
やはり、短刀くん達には箒は大きく見える。
そっと近づいて箒を持つと、小夜はびっくりして見上げた。
「驚かせてごめんね。天気が良いから障子全部開けて掃除しましょ。
私も体を動かしたいから手伝わせて?」
でもっ、と、はじめは遠慮していたけど、私が箒を持って笑うと、少しだけ笑って障子を開けに行ってくれた。
さすがに、本も沢山あるし、人の出入りも多いからホコリが沢山でる。
畳の目に沿って掃いてると、やはり鼻がムズムズする。
「へっくしょんっ!」
不意にくしゃみをすると、まるでびっくりした猫のように、目をまんまるにした小夜君が振り返る。
「あ、ごめん。ホコリで鼻がムズムズしちゃって。」
そう言って笑ったけど、小夜君は小走りでやって来て、しゃがんでいる私のおでこを触った。
「まだ、部屋を開け放つには早かったですか?」
風邪でも引いたかと心配してくれたのか、不安そうな顔の小夜くんが、また可愛いくて。
抱き締めたくなる衝動を抑えて笑った。
「大丈夫だよ?ちょっとホコリが苦手なだけだから。二人できれいにしよ!」
そう言うと、頷いてまたせっせと部屋の掃除をしてくれた。
小夜くんの手際の良さのお陰で、部屋はあっという間にきれいになった。
「では、これで………」
早々に部屋を後にしようとした小夜君だったから、思わず止めてしまった。
「小夜くん、お茶入れるから飲んでって?」
でも、と躊躇する小夜君をここに座っててと縁側に残して部屋の中でお茶を入れる。
茶箪笥の中に、先日燭台切から貰った干し柿があったから、それも一緒に持っていく。
「おまたせ。お部屋を綺麗にしてくれてありがとう。はい、どうぞ。」
正座で待ってた小夜君に足を崩すように促して、お茶と干し柿を出して、私も縁側に足を投げ出す。
「良いんですか………。」
干し柿を見て、目をキラキラさせている小夜君が本当に可愛い。
「うん。他の刀士には内緒だよ?」
笑いながらお皿を差し出すと嬉しそうに受け取って頬張った。
短刀っていうのは、本当に可愛い。
二人でのんびりお茶をした後、小夜君は他の部屋に行ってしまい、私はまた部屋で戦況を見ながら指示を出す。
出すと言っても、刀剣達が「これで良いか?」と聞くのを頷く方が多いのだけど。
夕方になり、出陣も終わり、遠征から戻ってきた部隊の報告を受ける。
今日は日本号は出陣、三日月は演練に出ていた。
「主よ、今帰った。」
日本号より早く、三日月が帰って報告に来てくれた。
報告と言っても戦況は見ているので本当に帰ったって報告だけだけど。
「三日月。お疲れ様でした。何か、ありましたか?」
少しだけ険しい顔をした三日月を不思議に思い、伺うと。
「先ほど、和泉守より報告があったのだが、やはり紅葉様の本丸は普通の本丸では無さそうじゃのう。日は差さず、刀剣達はすぐにでも出陣したがるような奴ばかりと。」
本丸自体は結界で作られた世界だから、常に晴れているのが普通なのだが。
日が差さないとなると………
「まさか、ブラック本丸………?」
ふむ、と、三日月は頷いて。
「力のある刀剣を集め始めたとなると、自分の思うように歴史を変え始める可能性もある。和泉守には引き続き頼んできた。こちらの結界も壊されぬよう今一度確認してくる。」
そう言うと、立ち上がった。
「ありがとう。よろしくお願いします。」
では、と障子を開けて三日月が出ていくとすれ違いで、日本号が帰ってきた。
「日本号。お帰りなさい。お疲れ様。」
「おぅ。今日もちゃんと勝ってきたぞ。」
どかっと座る日本号にお茶を出すと、喉が乾いていたのか一気に飲み干した。
「お疲れ様。あれ?」
ふと見ると袖が切れて血が出ている。
「あ?こんなのかすり傷だ。気にすんな。」
へへっと言って腕を見せるけどやはり痛々しくて。
「手当てしてもいい?」
傷なら手当て部屋でも良いんだろうけど、少しだけ心配でそっと手を取った。
「こ、こんなの舐めときゃ治るって。」
すこし驚いてたけど、やはり心配だから、棚からガーゼと包帯を出してくる。
腕を巻くってもらい、濡れた手拭いで、血を拭いてから手当てをする。
やはり、槍使いだから腕の筋肉が綺麗で見惚れてしまう。
軽く手当てをした後、ツナギの上だけ脱いでもらい、横に並んで切れた部分を縫ってあげることにした。
時々、今日あったことを話したり、小夜君と縁側でお茶をしたことを話したり。
「小夜が羨ましいな。」
袖を縫ってる間に日本号は酒瓶でお酒を飲んでいて。
「はい、できた。じゃあ、今度は日本号とも縁側でお茶する?」
縫い終わり糸を切って袖を戻すと、日本号はふむ、と考えて。
「なぁ、雛菊、ちょっと外行かねぇか?」
散歩なのかな?と思ったけど、日本号と一緒なら楽しそうだから承諾した。
縁側にある草履を履くと、こっち、と日本号はスタスタ行ってしまう。
暗闇で置いていかれるのは怖いから小走りで着いていくと、満月の綺麗な庭に出た。
藤の咲き誇る庭が満月の明かりで照らされてとても綺麗で。
池の見える所まで来ると、日本号は木の近くに座ったから、そっと隣に座る。
「綺麗だね。夜の藤も良いもんだね。」
こっちに来てから、あまり外には出てなかったから、こんなに外が綺麗なんて思わなかった。
「だろ?たまには見てやらなきゃ、コイツらだって不憫ってもんだ。」
笑いながら日本号はまた酒を呑み始める。
私は飲み物を持ってきてなかったから見上げてるだけ。
ホラよ、とぐい飲みに注いでくれたお酒を貰ったけど、そんなにお酒に強いわけでもない。
すこし困ったけど、一口呑むと、喉の奥がカッと熱くなる。
「強いお酒~。」
慣れないお酒に渋い顔をすると、まだまだ子供だと笑われる。
悔しいからまた一口呑んでしまう。
どんどん頬が熱くなり、ぐい飲みを返して頬を仰ぐ。
「弱いな(笑)」
大人になってからも、そんなに呑む機会もなかったから、そもそも強いわけではない。
「しょうがないでしょ。審神者の能力に酒が強いなんて無いんだから。」
子供扱いが嫌でムッとしてると。
日本号が立ち上がる。
「別に弱くて良いだろ。その方がこうできる。」
そう言うと、そっと手を引っ張り上げて抱き上げてくれる。
「ちょ、ちょっと!」
確かに、ふわふわしていて、今は立てないと思っていた。
でも、突然近くに日本号の顔がくるのは、何度体験しても慣れない。
「ここは、誰も見てないからこれで良いんだよ。」
そう言うと、抱えたまま歩いてくれる。
首に手を回し、なるべく日本号の負担にならないように寄り添う。
「………月が綺麗だね………」
雲一つない夜空に浮かぶ月が綺麗で、ぽつりと呟くと、あぁ、と小さく頷いて空を見上げてくれる。
綺麗な満月と、暖かい腕の中、優しく歩く揺れにどんどん眠くなる。
話していようと思っていたのに、どんどん跨がが重くなって…………
「なんだ、寝ちまったのか。」
少しだけ話ながら雛菊を抱えて歩いていたら、やはり酔いの回ってたのだろう、いつの間にか体の力が抜けて眠っていた。
そっと、近くの石に腰を掛けて眠る雛菊の顔を見つめる。
本丸に来てから、自分の意思なんて関係ないと言っていたのに。俺と三日月が本当に残ると知って心底安心した顔をしていた。
来た頃は本当に審神者なんかできるのかって思っていたけど、こいつは日に日に色んな事を吸収している。
「がんばってんだな………」
顔にかかる前髪をそっと避けると、くすぐったかったのか、少しだけ顔をしかめる。
それが、また可愛い。
「頼むから、俺のモンになってくれねぇかな。」
そっと。目覚めぬように。
優しく口付けをした。
名残惜しかったけど、ゆっくりと唇を離すと。
眠ったままの雛菊は微かに笑った気がした。
俺は何があっても雛菊を守る。
だから、少しだけ、ほんの少しだけで良いから。
誰よりも、お前の側に居させてくれ………
朝食も部隊長の会議も終わり、皆を見送った。
和泉守が紅葉様の本丸に行った事を心配していたけど。
あの後、三日月に和泉守は密偵としてあちらに行ってもらった事を聞いた。
やはり、いきなり部隊長クラスを何人も要求してくるのはおかしい。
三日月もそう思っていたらしい。
「失礼します。」
戦況を見ていると、部屋の外から小夜の声がした。
「はい、どうぞ?」
そっと画面を消し、障子が開くのを見ると、唐笠を背負った小夜がそっと覗いた。
「主様、お部屋を掃除に来ました。」
小さな体で大きな箒と雑巾の入った桶を抱えてる。
少しだけ可愛いと思いながら、あわてて入り口に向かった。
「ありがとう。お願いしますね。」
そっと、障子を開けると、桶を置いてペコリと頭を下げると箒を持って入ってきた。
やはり、短刀くん達には箒は大きく見える。
そっと近づいて箒を持つと、小夜はびっくりして見上げた。
「驚かせてごめんね。天気が良いから障子全部開けて掃除しましょ。
私も体を動かしたいから手伝わせて?」
でもっ、と、はじめは遠慮していたけど、私が箒を持って笑うと、少しだけ笑って障子を開けに行ってくれた。
さすがに、本も沢山あるし、人の出入りも多いからホコリが沢山でる。
畳の目に沿って掃いてると、やはり鼻がムズムズする。
「へっくしょんっ!」
不意にくしゃみをすると、まるでびっくりした猫のように、目をまんまるにした小夜君が振り返る。
「あ、ごめん。ホコリで鼻がムズムズしちゃって。」
そう言って笑ったけど、小夜君は小走りでやって来て、しゃがんでいる私のおでこを触った。
「まだ、部屋を開け放つには早かったですか?」
風邪でも引いたかと心配してくれたのか、不安そうな顔の小夜くんが、また可愛いくて。
抱き締めたくなる衝動を抑えて笑った。
「大丈夫だよ?ちょっとホコリが苦手なだけだから。二人できれいにしよ!」
そう言うと、頷いてまたせっせと部屋の掃除をしてくれた。
小夜くんの手際の良さのお陰で、部屋はあっという間にきれいになった。
「では、これで………」
早々に部屋を後にしようとした小夜君だったから、思わず止めてしまった。
「小夜くん、お茶入れるから飲んでって?」
でも、と躊躇する小夜君をここに座っててと縁側に残して部屋の中でお茶を入れる。
茶箪笥の中に、先日燭台切から貰った干し柿があったから、それも一緒に持っていく。
「おまたせ。お部屋を綺麗にしてくれてありがとう。はい、どうぞ。」
正座で待ってた小夜君に足を崩すように促して、お茶と干し柿を出して、私も縁側に足を投げ出す。
「良いんですか………。」
干し柿を見て、目をキラキラさせている小夜君が本当に可愛い。
「うん。他の刀士には内緒だよ?」
笑いながらお皿を差し出すと嬉しそうに受け取って頬張った。
短刀っていうのは、本当に可愛い。
二人でのんびりお茶をした後、小夜君は他の部屋に行ってしまい、私はまた部屋で戦況を見ながら指示を出す。
出すと言っても、刀剣達が「これで良いか?」と聞くのを頷く方が多いのだけど。
夕方になり、出陣も終わり、遠征から戻ってきた部隊の報告を受ける。
今日は日本号は出陣、三日月は演練に出ていた。
「主よ、今帰った。」
日本号より早く、三日月が帰って報告に来てくれた。
報告と言っても戦況は見ているので本当に帰ったって報告だけだけど。
「三日月。お疲れ様でした。何か、ありましたか?」
少しだけ険しい顔をした三日月を不思議に思い、伺うと。
「先ほど、和泉守より報告があったのだが、やはり紅葉様の本丸は普通の本丸では無さそうじゃのう。日は差さず、刀剣達はすぐにでも出陣したがるような奴ばかりと。」
本丸自体は結界で作られた世界だから、常に晴れているのが普通なのだが。
日が差さないとなると………
「まさか、ブラック本丸………?」
ふむ、と、三日月は頷いて。
「力のある刀剣を集め始めたとなると、自分の思うように歴史を変え始める可能性もある。和泉守には引き続き頼んできた。こちらの結界も壊されぬよう今一度確認してくる。」
そう言うと、立ち上がった。
「ありがとう。よろしくお願いします。」
では、と障子を開けて三日月が出ていくとすれ違いで、日本号が帰ってきた。
「日本号。お帰りなさい。お疲れ様。」
「おぅ。今日もちゃんと勝ってきたぞ。」
どかっと座る日本号にお茶を出すと、喉が乾いていたのか一気に飲み干した。
「お疲れ様。あれ?」
ふと見ると袖が切れて血が出ている。
「あ?こんなのかすり傷だ。気にすんな。」
へへっと言って腕を見せるけどやはり痛々しくて。
「手当てしてもいい?」
傷なら手当て部屋でも良いんだろうけど、少しだけ心配でそっと手を取った。
「こ、こんなの舐めときゃ治るって。」
すこし驚いてたけど、やはり心配だから、棚からガーゼと包帯を出してくる。
腕を巻くってもらい、濡れた手拭いで、血を拭いてから手当てをする。
やはり、槍使いだから腕の筋肉が綺麗で見惚れてしまう。
軽く手当てをした後、ツナギの上だけ脱いでもらい、横に並んで切れた部分を縫ってあげることにした。
時々、今日あったことを話したり、小夜君と縁側でお茶をしたことを話したり。
「小夜が羨ましいな。」
袖を縫ってる間に日本号は酒瓶でお酒を飲んでいて。
「はい、できた。じゃあ、今度は日本号とも縁側でお茶する?」
縫い終わり糸を切って袖を戻すと、日本号はふむ、と考えて。
「なぁ、雛菊、ちょっと外行かねぇか?」
散歩なのかな?と思ったけど、日本号と一緒なら楽しそうだから承諾した。
縁側にある草履を履くと、こっち、と日本号はスタスタ行ってしまう。
暗闇で置いていかれるのは怖いから小走りで着いていくと、満月の綺麗な庭に出た。
藤の咲き誇る庭が満月の明かりで照らされてとても綺麗で。
池の見える所まで来ると、日本号は木の近くに座ったから、そっと隣に座る。
「綺麗だね。夜の藤も良いもんだね。」
こっちに来てから、あまり外には出てなかったから、こんなに外が綺麗なんて思わなかった。
「だろ?たまには見てやらなきゃ、コイツらだって不憫ってもんだ。」
笑いながら日本号はまた酒を呑み始める。
私は飲み物を持ってきてなかったから見上げてるだけ。
ホラよ、とぐい飲みに注いでくれたお酒を貰ったけど、そんなにお酒に強いわけでもない。
すこし困ったけど、一口呑むと、喉の奥がカッと熱くなる。
「強いお酒~。」
慣れないお酒に渋い顔をすると、まだまだ子供だと笑われる。
悔しいからまた一口呑んでしまう。
どんどん頬が熱くなり、ぐい飲みを返して頬を仰ぐ。
「弱いな(笑)」
大人になってからも、そんなに呑む機会もなかったから、そもそも強いわけではない。
「しょうがないでしょ。審神者の能力に酒が強いなんて無いんだから。」
子供扱いが嫌でムッとしてると。
日本号が立ち上がる。
「別に弱くて良いだろ。その方がこうできる。」
そう言うと、そっと手を引っ張り上げて抱き上げてくれる。
「ちょ、ちょっと!」
確かに、ふわふわしていて、今は立てないと思っていた。
でも、突然近くに日本号の顔がくるのは、何度体験しても慣れない。
「ここは、誰も見てないからこれで良いんだよ。」
そう言うと、抱えたまま歩いてくれる。
首に手を回し、なるべく日本号の負担にならないように寄り添う。
「………月が綺麗だね………」
雲一つない夜空に浮かぶ月が綺麗で、ぽつりと呟くと、あぁ、と小さく頷いて空を見上げてくれる。
綺麗な満月と、暖かい腕の中、優しく歩く揺れにどんどん眠くなる。
話していようと思っていたのに、どんどん跨がが重くなって…………
「なんだ、寝ちまったのか。」
少しだけ話ながら雛菊を抱えて歩いていたら、やはり酔いの回ってたのだろう、いつの間にか体の力が抜けて眠っていた。
そっと、近くの石に腰を掛けて眠る雛菊の顔を見つめる。
本丸に来てから、自分の意思なんて関係ないと言っていたのに。俺と三日月が本当に残ると知って心底安心した顔をしていた。
来た頃は本当に審神者なんかできるのかって思っていたけど、こいつは日に日に色んな事を吸収している。
「がんばってんだな………」
顔にかかる前髪をそっと避けると、くすぐったかったのか、少しだけ顔をしかめる。
それが、また可愛い。
「頼むから、俺のモンになってくれねぇかな。」
そっと。目覚めぬように。
優しく口付けをした。
名残惜しかったけど、ゆっくりと唇を離すと。
眠ったままの雛菊は微かに笑った気がした。
俺は何があっても雛菊を守る。
だから、少しだけ、ほんの少しだけで良いから。
誰よりも、お前の側に居させてくれ………