和楽器バンドの夢専用の名前になります♪
君との見る月
君の名前は?
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夢の中、私は綺麗な花畑に居る。
まだ、小さい時の記憶。
夢の中で、私は日本号と遊んでいる。
楽しそうに、日本号に抱きついている。
「日本号、私が大きくなったら…………してくれる?」
何かを聞いてるけど、本人の私には聞こえない。
日本号は、優しく笑うと、私を抱き上げてくれる。
「あぁ、雛菊が大きくなってもそれを覚えてたらな。」
何を約束したんだろう。
たしかに小さい時、そんな話をしたような気がする……。
まぶしい朝日が障子に映り、日が登ったことを知らせる。
昨日は、いつの間にか泣きつかれて寝てしまったらしい。
少しだけ腫れぼったい瞼を押さえて起き上がると、周りを見渡す。
自分の部屋だけど。
誰かが近くに居る気配はない。
ぼんやりとした頭のまま、部屋を出て井戸に向かう。
とりあえず顔を洗いたかった。
また左文字に会うのが怖くて、何度も周りに人が居ないか確認して歩いた。
まだ、朝早くて、誰も外には居ない。
台所の煙突から煙が上がってるところを見ると、燭台切が朝食を作っているのか。
井戸で水を汲み、手を浸すと目が覚めるほど冷たい。
顔を洗い、手拭いで拭いてその手拭いを浸して絞り目を冷やす。
「………はぁ………」
腫れぼったい目に冷たい手拭いが気持ちよくてため息をこぼしてしまう。
「よぉ、早いな。」
後ろから不意にかけられた声にびっくりしたけど。
それは明らかに日本号の声だった。
「あ………日本号、おはよう。」
手拭いを取り、振り返ると、ちょうど顔を洗いに来た日本号が横に立つ。
繁々と顔を見たかと思うと、頭を撫でてくれた。
「いっぱい寝すぎて目が腫れたのか?」
笑いながら頭を撫でられて、少しだけ嬉しくなる。
「まぁ、そんなとこ。」
照れ隠しで下を向くと、日本号は気にせず顔を洗い始める。
「今日は日本号、出陣じゃなかったよね?」
大体早起きするのは出陣する部隊の刀剣ばかり。
でも、昨日出陣していた日本号は今日はお休みのはず。
「まぁな。たまたま早く目が覚めただけだ。」
そう言って乱暴に自分の顔を拭く。
「あ………今日は三日月が出陣で出るから、俺が近侍だとよ。」
よろしくな、と、顔を覗き込んで笑った。
朝食が終わり、部隊長が自室に集まる。
「今日は日本号の部隊はお休み、三日月の部隊は出陣をお願いします。
岩融、和泉守の部隊は遠征をお願いします。
皆、無事に帰ってきてください。」
指示書を見て各自に指示をだすと、部隊長は返事をして部屋を出ていく。
三日月と日本号は部屋に残った。
「では、わしは出陣してくるとしよう。
日本号、くれぐれも、主を頼んだぞ?」
腰に刀を携えて三日月が立ち上がると日本号に視線を移した。
「わかってるよ。主の子守りしてりゃあ良いんだろ?」
簡単だ。とでも言いたいようにニヤリと笑う。
「私、子供じゃないんですけど。」
ムッとして日本号を睨むと笑って返した。
「そうじゃの。主とて子供ではない。では、主よ、行ってまいる。」
私を見て三日月が笑ってくれた。
「はい。ご武運を。」
手を振り三日月を見送ると、部屋には日本号だけになった。
私は政府に提出する書類を書いたり、出陣している部隊の様子を見たりしていたけど。
横に居る日本号は暇そうにあくびをしたりゴロゴロしたりしている。
「いい加減外出ないと、雛菊、カビるぞ?」
昼食を終えて、また本でも読もうかと思っていると。
持っていた本を日本号に取り上げられた。
「カビないよ。でも………確かに、天気良いし、ちょっと散歩でもしようかな………。」
取られた本を机に置くと、日本号はよし、と一緒に立ち上がった。
広間を抜けて、玄関に行くと、燭台切がちょうど帰ってきたとこだった。
「主、お出かけですか?」
美味しそうな野菜を抱えて、こちらに来てくれる。
「天気が良いので、少しだけ散歩してきます。」
笑って答えると、気をつけて、と見送ってくれた。
「さて、どこ行くんだ?」
外に出ると、日本号が聞いてきた。
何処と言われても、小さい頃来て以来、あまり歩いたことがないからわからない。
「あ………、日本号、昔、一緒に花畑行ったことあるよね?」
今朝の夢を思い出して聞くと、少しだけ驚いていた。
「あぁ、何回かな。」
よく、覚えてたなと驚かれる。
「そこって、今もあるのかな?
そこに行ってみたい。」
小さい頃はいつも日本号の肩に乗せてもらってたから大した距離では無いだろうと、言ってみると、わかったと、歩き出した。
久々に入る森は昔と違い木々の背丈はこんなものだったかなと。
もっと鬱蒼としていた印象があった。
「懐かしいな~!よくこの森も入ったよね♪」
小さい頃は、本丸に連れてきてもらっては、姉が審神者の勉強をしてる間、よく一人で遊んでいた。
いつの間にか、日本号が遊んでくれることが増えてった気がしたけど。
「雛菊、昔はよくこの森で迷子になったよな(笑)」
確かに。
一人で森に行っちゃいけないって言われてるのに一人で行って、夕方まで迷子になったりもした。
「でも、迷子になっても、必ず日本号が見つけてくれたよね。
すごいと思ったな~。まるで、私が居るのがわかるみたいに、必ず見つけてくれて。」
いつも、迷子になっては、一人で泣いてた。
そんなとき、いつも日本号は呆れた顔でやって来ては、抱き締めてくれる。
腕の中はとても安心できる場所だった。
「ほら、着いたぞ。」
森の出口が見えて。
森を抜けると、そこには色とりどりの花が咲き誇っている。
「うわぁー!」
すごく懐かしい風景。
今朝、夢で見たままの風景だった。
見渡す限りの花畑。
「懐かしい。よく日本号とここで遊んだよね。」
ゆっくりと、花を踏まないように二人で歩く。
「そーだな。雛菊が本丸に来なくなってからはしばらく来てなかったけど、変わらねぇな。」
日本号も、懐かしそうに風景を見渡す。
昔の話をしながらしばらく歩いて。
大きな木の下で座って休むことにした。
「ねぇ、日本号?」
私の横でごろんと寝転んだ日本号を呼ぶと、肘をついて、なんだ?と、こっちに顔を向けてくれる。
「私、昔ここで日本号と何か約束しなかった?」
夢の中で、何か約束してた。
それが気になって聞くと。
「………さぁな。そんな昔のこと、覚えてねぇよ。」
少しだけ間を開けて、そっけない返事をすると、目を閉じてしまった。
「お前が忘れたなら、その約束は無かったんだろ………。」
ポソリと呟くと、そのまま寝てしまう。
「え?覚えてるの?」
慌てて聞き返したけど。
時すでに遅し、日本号は規則正しい寝息をたてていて。
返事はしてくれなかった。
「………もぅ………。」
少しだけ、日本号の頬をつついたりしてみたけど、全く起きる気配は無くて。
せめて、眠りの邪魔をしないように、立ち上がると少しだけ周りを散策することにした。
日本号が目覚めるまでに戻れば良い。
暖かい日差しを浴びながら、ゆっくりと、川を見たり、小道に入ってみたり。
小さい頃はすごく怖かった森なのに、今はなんだか懐かしい。
どれくらい歩いただろう?
さて、戻ろうと振り向いた時。
「………ここ、どこ?」
知らないうちに、森の奥まで歩いてしまったらしい。
見渡しても、森の出口も花畑も見えない。
もうすぐ夕日も落ちるのに、どうしたものかと、近くにあった木の下に座り込む。
さっきまで冒険してるみたいですごく楽しかったのに。
今は、困ったと、日本号に怒られることしか考えられなかった。
でも。
「迷ったら歩き回らねぇで、そこで座ってろ。」
昔、日本号に言われたことを思い出す。
座ってれば日本号が見つけてくれるんじゃないかって思えた。
夕日が陰りだして、どんどん寂しくなる。
このまま見つけてもらえなかったらどうしようかと。
「………日本号………」
昔のように心細くて日本号の名前を呼んでみる。
(会いたい……。)
膝を抱えていると。
「雛菊、お前の迷子になるのは才能か?」
急に、聞きなれた声が裏から聞こえた。
「日本号!!」
振り返ると、昔のように。
呆れた顔の日本号が立ってる。
立ち上がり、ゆっくりと日本号に近づいて服を掴むと、胸に顔を埋める。
「ごめんなさい………。」
ぽそりと呟くと、頭上からは盛大なため息が聞こえ、ぎゅっと抱き締められる。
「起きたら居ないとか、心臓に悪いからやめろ。」
呆れた声だったけど。
日本号の服はしっとり汗ばんでいて。
走り回って探してくれたんだってわかった。
「やっぱり………見つけてくれた。」
嬉しくて。
いつも、必ず一番に見つけてくれるのは、いつだって日本号だった。
それが、今も変わらないことが嬉しかった。
「ったく……。」
よいしょっと、急に抱えられて驚く。
「ち、ちょっと、日本号!?」
慌てて顔を見ると昔のように笑っていた。
「昔も、迷子になって見つけた時はこうやって抱えて帰っただろ?」
そう言って抱き締めてくれる。
「もう、子供じゃないもん……」
降りようとしたけど、放してもらえるわけもなく。
諦めて抱えられてろと言われて、首にしがみつく。
「日本号、ありがとう………。」
そっと呟くと。
「俺が居ないところで迷子になられたら困るから出掛けるときは俺と一緒の時にしろ。」
と、少しだけ嬉しそうに呟いた。
貴方との約束はまだ思い出せないけど。
貴方と過ごした日々は、夢じゃなかったって思えたから。
今は腕の中に居たい………
まだ、小さい時の記憶。
夢の中で、私は日本号と遊んでいる。
楽しそうに、日本号に抱きついている。
「日本号、私が大きくなったら…………してくれる?」
何かを聞いてるけど、本人の私には聞こえない。
日本号は、優しく笑うと、私を抱き上げてくれる。
「あぁ、雛菊が大きくなってもそれを覚えてたらな。」
何を約束したんだろう。
たしかに小さい時、そんな話をしたような気がする……。
まぶしい朝日が障子に映り、日が登ったことを知らせる。
昨日は、いつの間にか泣きつかれて寝てしまったらしい。
少しだけ腫れぼったい瞼を押さえて起き上がると、周りを見渡す。
自分の部屋だけど。
誰かが近くに居る気配はない。
ぼんやりとした頭のまま、部屋を出て井戸に向かう。
とりあえず顔を洗いたかった。
また左文字に会うのが怖くて、何度も周りに人が居ないか確認して歩いた。
まだ、朝早くて、誰も外には居ない。
台所の煙突から煙が上がってるところを見ると、燭台切が朝食を作っているのか。
井戸で水を汲み、手を浸すと目が覚めるほど冷たい。
顔を洗い、手拭いで拭いてその手拭いを浸して絞り目を冷やす。
「………はぁ………」
腫れぼったい目に冷たい手拭いが気持ちよくてため息をこぼしてしまう。
「よぉ、早いな。」
後ろから不意にかけられた声にびっくりしたけど。
それは明らかに日本号の声だった。
「あ………日本号、おはよう。」
手拭いを取り、振り返ると、ちょうど顔を洗いに来た日本号が横に立つ。
繁々と顔を見たかと思うと、頭を撫でてくれた。
「いっぱい寝すぎて目が腫れたのか?」
笑いながら頭を撫でられて、少しだけ嬉しくなる。
「まぁ、そんなとこ。」
照れ隠しで下を向くと、日本号は気にせず顔を洗い始める。
「今日は日本号、出陣じゃなかったよね?」
大体早起きするのは出陣する部隊の刀剣ばかり。
でも、昨日出陣していた日本号は今日はお休みのはず。
「まぁな。たまたま早く目が覚めただけだ。」
そう言って乱暴に自分の顔を拭く。
「あ………今日は三日月が出陣で出るから、俺が近侍だとよ。」
よろしくな、と、顔を覗き込んで笑った。
朝食が終わり、部隊長が自室に集まる。
「今日は日本号の部隊はお休み、三日月の部隊は出陣をお願いします。
岩融、和泉守の部隊は遠征をお願いします。
皆、無事に帰ってきてください。」
指示書を見て各自に指示をだすと、部隊長は返事をして部屋を出ていく。
三日月と日本号は部屋に残った。
「では、わしは出陣してくるとしよう。
日本号、くれぐれも、主を頼んだぞ?」
腰に刀を携えて三日月が立ち上がると日本号に視線を移した。
「わかってるよ。主の子守りしてりゃあ良いんだろ?」
簡単だ。とでも言いたいようにニヤリと笑う。
「私、子供じゃないんですけど。」
ムッとして日本号を睨むと笑って返した。
「そうじゃの。主とて子供ではない。では、主よ、行ってまいる。」
私を見て三日月が笑ってくれた。
「はい。ご武運を。」
手を振り三日月を見送ると、部屋には日本号だけになった。
私は政府に提出する書類を書いたり、出陣している部隊の様子を見たりしていたけど。
横に居る日本号は暇そうにあくびをしたりゴロゴロしたりしている。
「いい加減外出ないと、雛菊、カビるぞ?」
昼食を終えて、また本でも読もうかと思っていると。
持っていた本を日本号に取り上げられた。
「カビないよ。でも………確かに、天気良いし、ちょっと散歩でもしようかな………。」
取られた本を机に置くと、日本号はよし、と一緒に立ち上がった。
広間を抜けて、玄関に行くと、燭台切がちょうど帰ってきたとこだった。
「主、お出かけですか?」
美味しそうな野菜を抱えて、こちらに来てくれる。
「天気が良いので、少しだけ散歩してきます。」
笑って答えると、気をつけて、と見送ってくれた。
「さて、どこ行くんだ?」
外に出ると、日本号が聞いてきた。
何処と言われても、小さい頃来て以来、あまり歩いたことがないからわからない。
「あ………、日本号、昔、一緒に花畑行ったことあるよね?」
今朝の夢を思い出して聞くと、少しだけ驚いていた。
「あぁ、何回かな。」
よく、覚えてたなと驚かれる。
「そこって、今もあるのかな?
そこに行ってみたい。」
小さい頃はいつも日本号の肩に乗せてもらってたから大した距離では無いだろうと、言ってみると、わかったと、歩き出した。
久々に入る森は昔と違い木々の背丈はこんなものだったかなと。
もっと鬱蒼としていた印象があった。
「懐かしいな~!よくこの森も入ったよね♪」
小さい頃は、本丸に連れてきてもらっては、姉が審神者の勉強をしてる間、よく一人で遊んでいた。
いつの間にか、日本号が遊んでくれることが増えてった気がしたけど。
「雛菊、昔はよくこの森で迷子になったよな(笑)」
確かに。
一人で森に行っちゃいけないって言われてるのに一人で行って、夕方まで迷子になったりもした。
「でも、迷子になっても、必ず日本号が見つけてくれたよね。
すごいと思ったな~。まるで、私が居るのがわかるみたいに、必ず見つけてくれて。」
いつも、迷子になっては、一人で泣いてた。
そんなとき、いつも日本号は呆れた顔でやって来ては、抱き締めてくれる。
腕の中はとても安心できる場所だった。
「ほら、着いたぞ。」
森の出口が見えて。
森を抜けると、そこには色とりどりの花が咲き誇っている。
「うわぁー!」
すごく懐かしい風景。
今朝、夢で見たままの風景だった。
見渡す限りの花畑。
「懐かしい。よく日本号とここで遊んだよね。」
ゆっくりと、花を踏まないように二人で歩く。
「そーだな。雛菊が本丸に来なくなってからはしばらく来てなかったけど、変わらねぇな。」
日本号も、懐かしそうに風景を見渡す。
昔の話をしながらしばらく歩いて。
大きな木の下で座って休むことにした。
「ねぇ、日本号?」
私の横でごろんと寝転んだ日本号を呼ぶと、肘をついて、なんだ?と、こっちに顔を向けてくれる。
「私、昔ここで日本号と何か約束しなかった?」
夢の中で、何か約束してた。
それが気になって聞くと。
「………さぁな。そんな昔のこと、覚えてねぇよ。」
少しだけ間を開けて、そっけない返事をすると、目を閉じてしまった。
「お前が忘れたなら、その約束は無かったんだろ………。」
ポソリと呟くと、そのまま寝てしまう。
「え?覚えてるの?」
慌てて聞き返したけど。
時すでに遅し、日本号は規則正しい寝息をたてていて。
返事はしてくれなかった。
「………もぅ………。」
少しだけ、日本号の頬をつついたりしてみたけど、全く起きる気配は無くて。
せめて、眠りの邪魔をしないように、立ち上がると少しだけ周りを散策することにした。
日本号が目覚めるまでに戻れば良い。
暖かい日差しを浴びながら、ゆっくりと、川を見たり、小道に入ってみたり。
小さい頃はすごく怖かった森なのに、今はなんだか懐かしい。
どれくらい歩いただろう?
さて、戻ろうと振り向いた時。
「………ここ、どこ?」
知らないうちに、森の奥まで歩いてしまったらしい。
見渡しても、森の出口も花畑も見えない。
もうすぐ夕日も落ちるのに、どうしたものかと、近くにあった木の下に座り込む。
さっきまで冒険してるみたいですごく楽しかったのに。
今は、困ったと、日本号に怒られることしか考えられなかった。
でも。
「迷ったら歩き回らねぇで、そこで座ってろ。」
昔、日本号に言われたことを思い出す。
座ってれば日本号が見つけてくれるんじゃないかって思えた。
夕日が陰りだして、どんどん寂しくなる。
このまま見つけてもらえなかったらどうしようかと。
「………日本号………」
昔のように心細くて日本号の名前を呼んでみる。
(会いたい……。)
膝を抱えていると。
「雛菊、お前の迷子になるのは才能か?」
急に、聞きなれた声が裏から聞こえた。
「日本号!!」
振り返ると、昔のように。
呆れた顔の日本号が立ってる。
立ち上がり、ゆっくりと日本号に近づいて服を掴むと、胸に顔を埋める。
「ごめんなさい………。」
ぽそりと呟くと、頭上からは盛大なため息が聞こえ、ぎゅっと抱き締められる。
「起きたら居ないとか、心臓に悪いからやめろ。」
呆れた声だったけど。
日本号の服はしっとり汗ばんでいて。
走り回って探してくれたんだってわかった。
「やっぱり………見つけてくれた。」
嬉しくて。
いつも、必ず一番に見つけてくれるのは、いつだって日本号だった。
それが、今も変わらないことが嬉しかった。
「ったく……。」
よいしょっと、急に抱えられて驚く。
「ち、ちょっと、日本号!?」
慌てて顔を見ると昔のように笑っていた。
「昔も、迷子になって見つけた時はこうやって抱えて帰っただろ?」
そう言って抱き締めてくれる。
「もう、子供じゃないもん……」
降りようとしたけど、放してもらえるわけもなく。
諦めて抱えられてろと言われて、首にしがみつく。
「日本号、ありがとう………。」
そっと呟くと。
「俺が居ないところで迷子になられたら困るから出掛けるときは俺と一緒の時にしろ。」
と、少しだけ嬉しそうに呟いた。
貴方との約束はまだ思い出せないけど。
貴方と過ごした日々は、夢じゃなかったって思えたから。
今は腕の中に居たい………