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君との見る月
君の名前は?
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もう、戦うのも、刀剣達が傷つくのも見たくなかった………。
私は、お姉ちゃんのように強くはない。
夢の中、私は泣いている。
(小さい頃の私だ………。)
1度だけ、お姉ちゃんと喧嘩をした。
あれは、確か従姉妹のお姉さんの結婚式があった日。
「できるもん!!」
ボロボロ泣きながら、お姉ちゃんに言い返してる私。
「刀剣と結婚なんて出来るわけないでしょ!!」
いつも優しいはずのお姉ちゃんはすごく怒ってる。
(刀剣と………結婚……?)
「だって………日本号が………結婚してくれるっていったもん……。」
溢れる涙を袖で拭いながら、消え入りそうな声で。
それでも、お姉ちゃんは怒ってる。
「 雛菊 、刀剣は私達とは違うの。私達審神者や、時間を守る為の存在。だから結婚なんて出来ないんだよ………。」
私を諭すように言ってくれるけど、あの頃の私が納得する訳なんてなくて。
(そうだ………。私、日本号に………)
ー日本号、私が大きくなったら結婚してくれる?ー
あの日、日本号にした約束を思い出した。
私が覚えてたらって言ってたけど。
日本号は昔から私を守ってくれてたんだ………。
お姉ちゃんは、刀剣たちがいつか破壊されて居なくなる日が来たら私が悲しむから、そう言ってたんだと気づいた。
お姉ちゃんは、昔から強くて優しかったんじゃない。
私が苦しまないように、悲しまないように、率先して大変なことを背負ってたんだ………。
「………お姉ちゃん………」
ぼんやりと、頬に触れる温もりで目を覚ました。
薄暗い部屋に行燈の薄明かり。
まだ覚醒しない頭で目を開ければ、頬に触れる大きな手。
「雛菊………?」
覗き込む日本号は悲しそうな顔をしてる。
「日本号、どうしたの………?」
何が悲しいのか聞くつもりで声を出して頬に触れる手に擦り寄る。
「やっと………戻ってきた………。」
心配してくれたのか、日本号の手は頭を撫でてくれる。
「………ごめんね………。」
手を伸ばそうとしたけど。
無理をした手は痛すぎて。
顔を顰めれば。
「無理すんな。」
そう言って、背中に手を入れて抱えるように起こしてくれる。
「紅葉様は………?」
あの後どうなったのか。
気を失ってしまい、全くわからない。
日本号は少し呆れた顔をして笑う。
「人の心配より、自分の心配しろよ。
紅葉は政府に連れていかれた。
本丸は取り壊しだとさ………。」
そうなのかと。
うちの本丸も相当被害があったはずだから、本当に大変なことが起こったんだと実感する。
「そっか………。
日本号は、怪我ない……?」
見た感じは何も無さそうだけど、元気が無さそうに見えるから。
「俺は手入れ部屋で治して貰えるからな。」
みんな元気だ。と、笑ってくれると、やはり嬉しい。
「なら、良かった……。」
日本号を含めて皆が無事だった。
それだけで気が抜ける。
「雛菊は………」
名前を呼ばれて日本号を見れば。
行燈に照らされて柔らかい視線とぶつかる。
「………いや。なんでもねぇ。」
ぶっきらぼうに、何かを言うのをやめて、視線をそらすと畳に置かれたお酒を煽る。
何なのか気になったけど。
「日本号。昔、私と約束したの、覚えてる?」
前、森で同じ質問をした。
その時は、はぐらかされたけど。
ハッとしたように、私を一瞬見たけど。
「………そんな昔のこと、覚えてねぇよ。」
言い捨てると、またお酒を煽ってる。
私は、たぶんこの答えを出されることを分かってた。
私が忘れてるなら、それは無かったことになるから。
「私も、忘れてたんだけどね………。
さっき、夢を見たの。
昔、お姉ちゃんと1回だけ喧嘩した時の夢。」
そっと、視線を下げれば。
お酒を置いて空いた日本号の手は、私の手に重ねられてる。
「お姉ちゃんは、いつも双子の私を苦しめないように、先回りして道を作ってくれてた。
日本号との約束も、私を苦しめるって分かってたから、反対してたの。
刀剣となんて、結婚できないって………。」
ぽそりと約束のワードを出すと、日本号の手はピクリと動き、私は日本号が逃げないように手を包み込む。
「約束、覚えてたら。
その時は約束守ってくれるんだよね………?」
日本号がどんな顔をしてるのか気になり、顔をあげれば。
少し戸惑ったような、少し、嬉しそうな。
複雑な視線をこちらに向けている。
「………ったく。なんで思い出すんだよ………。」
困らせてるのかもしれない。
でも、私は日本号が昔から好きだったから…。
日本号はお酒をまた煽って、ため息をつく。
「お前が覚えてないなら、それでよかったんだ。
ただ、雛菊を近くで守れるなら。
でもな。
どんどん綺麗になってくお前を見てて、いつの間にか思ってたんだ。
誰にも渡したくねぇって。」
そっと、私の頭を引き寄せると、髪に口付けを落としてくれる。
ふんわりと漂うお酒の匂い。
「約束、思い出したなら、そのまま俺のものになれ………。」
耳元でまるで囁くように。
伝えられた言葉に、脳が痺れる。
「………はい………。」
言葉が出てこなくて、ただ一言しかいえなくて。
それでも、絡む視線は優しくて。
後頭部を引き寄せられると、唇に落とされるお酒の味。
ピクりと手を動かせば。
逃げないように絡められる指。
甘いのに、アルコールの匂いに酔わされそうな口付けに、どんどん体の力は抜けていく。
名残り惜しそうに、唇を舐めながら放されると。
腕の中で力が抜けてしまう。
「まだ、夜は長いんだ。もう少し休めよ。」
無理させないように気を使ってくれる日本号は、私をそっと布団に戻してくれる。
頭を撫でてくれるけど。
そっと、その手を捕まえる。
「どうした?」
日本号はびっくりしてたけど。
ちゃんと伝えたくて。
「………日本号が、好きです。大好きなんです………。」
恥ずかしすぎて、片手で顔を隠しながら言えば、退かされる手。
「ちゃんと、目見て言ってくれよ。」
顔の横に手を置いて、顔を隠させてくれない。
たぶん、今私は真っ赤になってるだろう。
「………私と、結婚してくれる?」
ぽつりと消え入りそうな声で言えば。
クスりと笑ってくれる。
「最強の旦那になってやる。」
それだけ言うと、また落とされる口付け。
呼吸をするためにもがいても、離してもらえない。
「……寝る前に、もう少しだけ、味わせてくれ………。」
ぽつりと言いながら、首筋に滑る唇に、私の背中はどんどん粟立っていった………。
私は、お姉ちゃんのように強くはない。
夢の中、私は泣いている。
(小さい頃の私だ………。)
1度だけ、お姉ちゃんと喧嘩をした。
あれは、確か従姉妹のお姉さんの結婚式があった日。
「できるもん!!」
ボロボロ泣きながら、お姉ちゃんに言い返してる私。
「刀剣と結婚なんて出来るわけないでしょ!!」
いつも優しいはずのお姉ちゃんはすごく怒ってる。
(刀剣と………結婚……?)
「だって………日本号が………結婚してくれるっていったもん……。」
溢れる涙を袖で拭いながら、消え入りそうな声で。
それでも、お姉ちゃんは怒ってる。
「 雛菊 、刀剣は私達とは違うの。私達審神者や、時間を守る為の存在。だから結婚なんて出来ないんだよ………。」
私を諭すように言ってくれるけど、あの頃の私が納得する訳なんてなくて。
(そうだ………。私、日本号に………)
ー日本号、私が大きくなったら結婚してくれる?ー
あの日、日本号にした約束を思い出した。
私が覚えてたらって言ってたけど。
日本号は昔から私を守ってくれてたんだ………。
お姉ちゃんは、刀剣たちがいつか破壊されて居なくなる日が来たら私が悲しむから、そう言ってたんだと気づいた。
お姉ちゃんは、昔から強くて優しかったんじゃない。
私が苦しまないように、悲しまないように、率先して大変なことを背負ってたんだ………。
「………お姉ちゃん………」
ぼんやりと、頬に触れる温もりで目を覚ました。
薄暗い部屋に行燈の薄明かり。
まだ覚醒しない頭で目を開ければ、頬に触れる大きな手。
「雛菊………?」
覗き込む日本号は悲しそうな顔をしてる。
「日本号、どうしたの………?」
何が悲しいのか聞くつもりで声を出して頬に触れる手に擦り寄る。
「やっと………戻ってきた………。」
心配してくれたのか、日本号の手は頭を撫でてくれる。
「………ごめんね………。」
手を伸ばそうとしたけど。
無理をした手は痛すぎて。
顔を顰めれば。
「無理すんな。」
そう言って、背中に手を入れて抱えるように起こしてくれる。
「紅葉様は………?」
あの後どうなったのか。
気を失ってしまい、全くわからない。
日本号は少し呆れた顔をして笑う。
「人の心配より、自分の心配しろよ。
紅葉は政府に連れていかれた。
本丸は取り壊しだとさ………。」
そうなのかと。
うちの本丸も相当被害があったはずだから、本当に大変なことが起こったんだと実感する。
「そっか………。
日本号は、怪我ない……?」
見た感じは何も無さそうだけど、元気が無さそうに見えるから。
「俺は手入れ部屋で治して貰えるからな。」
みんな元気だ。と、笑ってくれると、やはり嬉しい。
「なら、良かった……。」
日本号を含めて皆が無事だった。
それだけで気が抜ける。
「雛菊は………」
名前を呼ばれて日本号を見れば。
行燈に照らされて柔らかい視線とぶつかる。
「………いや。なんでもねぇ。」
ぶっきらぼうに、何かを言うのをやめて、視線をそらすと畳に置かれたお酒を煽る。
何なのか気になったけど。
「日本号。昔、私と約束したの、覚えてる?」
前、森で同じ質問をした。
その時は、はぐらかされたけど。
ハッとしたように、私を一瞬見たけど。
「………そんな昔のこと、覚えてねぇよ。」
言い捨てると、またお酒を煽ってる。
私は、たぶんこの答えを出されることを分かってた。
私が忘れてるなら、それは無かったことになるから。
「私も、忘れてたんだけどね………。
さっき、夢を見たの。
昔、お姉ちゃんと1回だけ喧嘩した時の夢。」
そっと、視線を下げれば。
お酒を置いて空いた日本号の手は、私の手に重ねられてる。
「お姉ちゃんは、いつも双子の私を苦しめないように、先回りして道を作ってくれてた。
日本号との約束も、私を苦しめるって分かってたから、反対してたの。
刀剣となんて、結婚できないって………。」
ぽそりと約束のワードを出すと、日本号の手はピクリと動き、私は日本号が逃げないように手を包み込む。
「約束、覚えてたら。
その時は約束守ってくれるんだよね………?」
日本号がどんな顔をしてるのか気になり、顔をあげれば。
少し戸惑ったような、少し、嬉しそうな。
複雑な視線をこちらに向けている。
「………ったく。なんで思い出すんだよ………。」
困らせてるのかもしれない。
でも、私は日本号が昔から好きだったから…。
日本号はお酒をまた煽って、ため息をつく。
「お前が覚えてないなら、それでよかったんだ。
ただ、雛菊を近くで守れるなら。
でもな。
どんどん綺麗になってくお前を見てて、いつの間にか思ってたんだ。
誰にも渡したくねぇって。」
そっと、私の頭を引き寄せると、髪に口付けを落としてくれる。
ふんわりと漂うお酒の匂い。
「約束、思い出したなら、そのまま俺のものになれ………。」
耳元でまるで囁くように。
伝えられた言葉に、脳が痺れる。
「………はい………。」
言葉が出てこなくて、ただ一言しかいえなくて。
それでも、絡む視線は優しくて。
後頭部を引き寄せられると、唇に落とされるお酒の味。
ピクりと手を動かせば。
逃げないように絡められる指。
甘いのに、アルコールの匂いに酔わされそうな口付けに、どんどん体の力は抜けていく。
名残り惜しそうに、唇を舐めながら放されると。
腕の中で力が抜けてしまう。
「まだ、夜は長いんだ。もう少し休めよ。」
無理させないように気を使ってくれる日本号は、私をそっと布団に戻してくれる。
頭を撫でてくれるけど。
そっと、その手を捕まえる。
「どうした?」
日本号はびっくりしてたけど。
ちゃんと伝えたくて。
「………日本号が、好きです。大好きなんです………。」
恥ずかしすぎて、片手で顔を隠しながら言えば、退かされる手。
「ちゃんと、目見て言ってくれよ。」
顔の横に手を置いて、顔を隠させてくれない。
たぶん、今私は真っ赤になってるだろう。
「………私と、結婚してくれる?」
ぽつりと消え入りそうな声で言えば。
クスりと笑ってくれる。
「最強の旦那になってやる。」
それだけ言うと、また落とされる口付け。
呼吸をするためにもがいても、離してもらえない。
「……寝る前に、もう少しだけ、味わせてくれ………。」
ぽつりと言いながら、首筋に滑る唇に、私の背中はどんどん粟立っていった………。