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君との見る月

君の名前は?

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よぉ、主、名前教えてくれよ?

目が覚めると、外は暗く、部屋の明かりがうっすらと揺れていた。


(私………気を失っちゃったのか………)
周りを見渡すと、柱に背中を預けて眠っている日本号が居た。


起き上がろうと手に力を入れると、ズキンと鈍い痛みが走った。

「くっ………」
そういえば、小夜君に噛み付かれたんだっけ。
痛みを押さえながら起き上がり、布団を退かすと、右手の肘から下は包帯で巻かれていた。


(腕の感覚はあるから、大丈夫かな………?)


「やっと目覚めたか。」
声に驚き日本号を見ると。
とても不機嫌そうな表情でこっちを見ていた。



「日本号………、付き添ってくれてたんだね。
ありがとう……。」
お礼を言うために日本号に体を向けると、日本号はゆっくりとこちらに近づき布団の横に座った。


「はぁ………。」
ため息をつくと、持っていた酒瓶の栓を開けて飲み始めた。

相当不機嫌なのがわかって、何を話せばいいか迷ってしまう。

「腕、痛むのか?」
話すことに悩んでいると、ぼそっと日本号が話しかけてくれた。


「あ………痛いけど……折れてはいないみたい。」
日本号の目の前でゆっくりと手をグーパーすると。
不機嫌なままその手を取り、日本号の手のひらで包まれた。


「ったく………。無茶しやがって。」
確かに。
腕に噛み付かれた時は小夜君を元に戻したい気持ちが優先しちゃって、痛みはほとんど感じなかった。


「お前は、一般人じゃなくて、この本丸を纏める審神者なんだろ。たかが刀剣一本にそこまで思い入れてたら、命がいくつあっても足りねぇだろ!」
強い口調に思わず身をすくめる。
私が無茶をしたのが悪いんだけど、怒ってる日本号は本当に怖い。


「ごめんなさい………。でも、たとえ刀剣だって、みんな大切な存在だから。居なくなるとか、失うとか、嫌なの………。」
おねぇちゃんを失った時。
大切な存在が居なくなるのが本当に怖かった。


落ち込んで、うつ向いていると。
そっと、痛くない左手をそっと引っ張った。

「なぁに?」
それは、体が動くほどではなかったから、顔を上げると。

「………こっちにこい。」
怒っているけど。
不安そうな瞳に、思わず体を上げると、そのまま胡座をかく足の間に座らされて抱えられる。


顔をあげて日本号を見上げると、悲しそうな瞳のままこちらを見つめてくれた。


雛菊、小夜が自我を取り戻したのは、お前の血を口にしたからなんだとよ。」
日本号は、包帯を巻かれた手を撫でながら、ぽつりぽつりと話始める。


「私の………血?」
自我を失うことと、私の血と、何が関係あるのかわからなかった。


「三日月の話では、稀血を持つ審神者は、瘴気に囚われた者を救うことができる。
でも、稀血であって、今まで何百年も存在しなかった。
俺も、ただの言い伝えだと思ってたくらいだからな。」

稀血………。
確かに、聞いたことはある。
瘴気を抑え、闇を切り開く力があるもの。
しかし、血の影響が強いため、存在を知られれば、時間遡行軍に狙われやすくなる。


「私に、そんな力があったんだ……。」
知らなかったことだけど。
この力があれば、時間遡行軍に教われて自我を失った刀剣も助けることができる。


それは、嬉しいことだった。


「そうだ!小夜くんは?」
小夜くんとちゃんと話す前に私が気絶してしまったから、心配になり日本号に聞くと。
あきれたように笑った。


「自我は戻ってるよ。お前にしたことを心底悔いて、自室で反省してる。」
後で会ってやれ。と言われてホッとした。
私にしたことなんてどうでもいいことだから。


「よかった。ありがとう………。」
ほっとして、日本号の胸にうずまる。


「本当に………心臓に悪すぎる……。」
少しだけ強く抱き締められ、心地いい。


「ごめんね………。」
顔をあげて両手で日本号の頬を撫でると。



「俺は、お前のこと………。」
苦しそうに何かを話てくれようとした時。


「失礼するぞ?」
そっと障子が開き、三日月が入ってきた。


「主よ、目覚めたのか?」
日本号に抱えられたままの私を見て、三日月が嬉しそうに近づいてくる。


「あ、三日月………。ごめんね。もう大丈夫だよ。」
ぱっと、日本号から手を離し、体の向きを変えて日本号の膝から降りる。


「腕の傷はだいぶ深い。それだけで済んで良かった。あまり無茶はしないでもらいたいものだな。」
呆れたように笑いながら、三日月はお茶を出してくれ、左手で受け取った。


「しばらくは、右手が使えないから、さらに役立たずになりそうね(笑」
手を触ると、やはりじんわりと痛みが走る。
書類とか書けないなぁと笑うと。

二人も笑ってくれた。


「書き物は任せてくれ。わしがやろう。」

「食事は俺が食わせてやろうか(笑)?なんなら風呂も入れてやるぞ?」

「おや、風呂はわしが入れた方が丁寧だとおもうぞ?」

二人の勝手な会話に、聞いてて慌てる。


「ちょ、ちょっと!さすがにお風呂くらい入れるから!!」
恥ずかしい!と、怒ると、二人はバレたことにまた楽しそうに笑っていた。


私の稀血で救える者が居るなら、それは嬉しい。


でも、この血があるせいで、紅葉様は心底怒り、暴れたことを私はまだ知らない。



雛菊、絶対許さない…………。攻撃開始ね…………。」
紅葉様の高笑いが、真っ暗な本丸に響き渡っていた。
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