学校の七不思議!?
第四幕
翌週の月曜日の放課後、僕らは美咲先輩に呼び出されて部室に集まっていた。
「この前はみんなお疲れぇ~、藤井さんからいろいろ聞いたよ~なんか大変なことがあったみたいだね。」
山戸先輩は美咲先輩から何があったのか一通り聞いたらしい。
「今日みんなに集まってもらったのは、あの黒い人影たちの正体について私の憶測と、ちょっと得た情報があったからお知らせしたくて。」
美咲先輩の話す声は少し深刻そうだった。
「あの後、竹内先生にあった出来事を伝えておいたの。そして、前の教頭先生に話を聞いてもらえないかと思ってお話していたら、今日の昼に竹内先生から……その……前の教頭先生は辞職後数か月して息を引き取ったらしいの。」
この事実を知り、部室に重い空気が流れる。
「龍君、今日もあの人影は見かけた?」
「はい。昼休みの時間に中庭に立っているのをみました。」
「どんな人なの?」
「スーツを着た、60代くらいの男性の方で、すごく優しそうな雰囲気なんです。」
「それって、この方?」
美咲先輩は卒業アルバムを広げ、一枚の写真を指差す。
「はい、この方です。」
写真の下には、”教頭 堀町光隆”の文字が書いてある。
「あの人影……教頭先生だったんですね。」
「じゃあ、毎朝玄関に立っていたり、昼休みに中庭にいるのって……」
「まだここに勤めて、生徒を見守っていたんだな。」
「金曜の夜、私たちを調理実習室に招いたのも、明里ちゃんを助けるためだったのね。」
少し心が熱くなった気がした。
「そうと分かれば、本人に聞きに行くしかないっしょ!」
しんみりする部室に、神宮寺先輩の声が響いた。
「俊君、聞きに行くって、教頭先生に??」
「です!もしかしたら、龍が話せるかもって思うんで!」
僕らは部室を飛び出し、あの人影を探す。下校時間だったこともあって、見つけるのにそう時間がかからなかった。
生徒玄関を出て、真っ直ぐ校門に向かう。校門にはほかに生徒指導の先生も立っていたが、気には留めず、僕は教頭先生に意識を向ける。
「堀町教頭先生……ですか?」
その人影は僕の方に向きかえり、こう伝えた。
”この前はありがとう。”
きっと、調理実習室で起きたことの事だろう。
「いえ、こちらこそ、先生があの場に居なかったら明里を助けることができませんでした。」
精一杯の感謝を、みんな分伝えると、先生は優しく微笑みお辞儀をした。
「それで、聞きたいことがあるんです。調理室に居たあの子について知りませんか?」
僕らの質問を受けると、教頭先生は僕にいろいろな情景や感情の情報を伝えてきた。
”私があの子にあったのは、私が勤め始めた初めの年の春。すでに違う女の子にとりついていた。私も君のように霊感が強くてね、毎日毎日その霊と話をした。その子は、まだこの学校が建つ前の寄宿学校だった時代、他の生徒からいじめにあっていたようなんだ。いつも刃物や尖ったもので脅され、逆らうと切り付けられたという。そしてその子は意を決して校舎の屋上から自殺した。当時は二階建てだったが、校舎の周りは石に囲まれていて、あたりが悪く亡くなったようなのだ。そして、いじめた人を復讐するため夜な夜な現れたり、取りついたりしていたようなんだ。私はそれを知って、屋上に花をそえるようになり、ほぼ毎日その子と会話をした。しかし、私が徐々に弱るたびに彼女の力は増していった。きっと私らはあまり相性が良くなかったのだろうな。私はここを辞職し、数か月後には死んだ。あの子がずっと気がかりで今でもここに勤めてるってわけさ。”
僕は教頭先生から受け取った情報を部のみんなに共有した。
その後、僕らは調理室や屋上に出向き、その子と話をするようになった。そして、オカルト部では教頭先生がしていたようにその女の子を供養することと、少しでも浄霊することを決めたのであった。
今回起きたこの事件や教頭先生、調理室の霊についてはオカルト研究部の極秘事項とされ、今後の部の歴史に深く刻まれることとなった。
翌週の月曜日の放課後、僕らは美咲先輩に呼び出されて部室に集まっていた。
「この前はみんなお疲れぇ~、藤井さんからいろいろ聞いたよ~なんか大変なことがあったみたいだね。」
山戸先輩は美咲先輩から何があったのか一通り聞いたらしい。
「今日みんなに集まってもらったのは、あの黒い人影たちの正体について私の憶測と、ちょっと得た情報があったからお知らせしたくて。」
美咲先輩の話す声は少し深刻そうだった。
「あの後、竹内先生にあった出来事を伝えておいたの。そして、前の教頭先生に話を聞いてもらえないかと思ってお話していたら、今日の昼に竹内先生から……その……前の教頭先生は辞職後数か月して息を引き取ったらしいの。」
この事実を知り、部室に重い空気が流れる。
「龍君、今日もあの人影は見かけた?」
「はい。昼休みの時間に中庭に立っているのをみました。」
「どんな人なの?」
「スーツを着た、60代くらいの男性の方で、すごく優しそうな雰囲気なんです。」
「それって、この方?」
美咲先輩は卒業アルバムを広げ、一枚の写真を指差す。
「はい、この方です。」
写真の下には、”教頭 堀町光隆”の文字が書いてある。
「あの人影……教頭先生だったんですね。」
「じゃあ、毎朝玄関に立っていたり、昼休みに中庭にいるのって……」
「まだここに勤めて、生徒を見守っていたんだな。」
「金曜の夜、私たちを調理実習室に招いたのも、明里ちゃんを助けるためだったのね。」
少し心が熱くなった気がした。
「そうと分かれば、本人に聞きに行くしかないっしょ!」
しんみりする部室に、神宮寺先輩の声が響いた。
「俊君、聞きに行くって、教頭先生に??」
「です!もしかしたら、龍が話せるかもって思うんで!」
僕らは部室を飛び出し、あの人影を探す。下校時間だったこともあって、見つけるのにそう時間がかからなかった。
生徒玄関を出て、真っ直ぐ校門に向かう。校門にはほかに生徒指導の先生も立っていたが、気には留めず、僕は教頭先生に意識を向ける。
「堀町教頭先生……ですか?」
その人影は僕の方に向きかえり、こう伝えた。
”この前はありがとう。”
きっと、調理実習室で起きたことの事だろう。
「いえ、こちらこそ、先生があの場に居なかったら明里を助けることができませんでした。」
精一杯の感謝を、みんな分伝えると、先生は優しく微笑みお辞儀をした。
「それで、聞きたいことがあるんです。調理室に居たあの子について知りませんか?」
僕らの質問を受けると、教頭先生は僕にいろいろな情景や感情の情報を伝えてきた。
”私があの子にあったのは、私が勤め始めた初めの年の春。すでに違う女の子にとりついていた。私も君のように霊感が強くてね、毎日毎日その霊と話をした。その子は、まだこの学校が建つ前の寄宿学校だった時代、他の生徒からいじめにあっていたようなんだ。いつも刃物や尖ったもので脅され、逆らうと切り付けられたという。そしてその子は意を決して校舎の屋上から自殺した。当時は二階建てだったが、校舎の周りは石に囲まれていて、あたりが悪く亡くなったようなのだ。そして、いじめた人を復讐するため夜な夜な現れたり、取りついたりしていたようなんだ。私はそれを知って、屋上に花をそえるようになり、ほぼ毎日その子と会話をした。しかし、私が徐々に弱るたびに彼女の力は増していった。きっと私らはあまり相性が良くなかったのだろうな。私はここを辞職し、数か月後には死んだ。あの子がずっと気がかりで今でもここに勤めてるってわけさ。”
僕は教頭先生から受け取った情報を部のみんなに共有した。
その後、僕らは調理室や屋上に出向き、その子と話をするようになった。そして、オカルト部では教頭先生がしていたようにその女の子を供養することと、少しでも浄霊することを決めたのであった。
今回起きたこの事件や教頭先生、調理室の霊についてはオカルト研究部の極秘事項とされ、今後の部の歴史に深く刻まれることとなった。