君を守るために強くなったんだ
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※村パン版の怪人協会戦です
※タツマキの過去を捏造しています
※恋愛ではなく友情です
C級ヒーロー380位、名無しさん。
彼女は俗にいうエスパーだ。
ただし、タツマキやフブキとは超能力の使い方が異なる。
名無しさんの超能力は、人体の修復をすることがメイン。
怪我をした人物は名無しさんの手にかかれば、1時間ほどで全快する。
人を治す能力は非常に珍しく、ヒーロー協会にとっては重宝される能力。
だが何故こんなにもランクが低いのか。
それは、市民の貢献度が低いから、戦闘ができないから、と言われている。
名無しさんが行っていることは市民を助けるというより、怪人と戦っているヒーローを治療しているだけ。
そうなれば必然的に順位は低い。
ただしヒーロー協会は彼女を手放す事はできない。
だから彼女には特別、C級ヒーローの週1活動は免除されていた。
協会からは仕事を詰められ、ヒーローとしては低待遇で。
普通の人であれば辞めても仕方ない。
彼女が辞めないのは理由がある。
「タツマキちゃーん!」
「名無しさん」
とある市でタツマキがふよふよ浮いていたので、名無しさんが下から声をかける。
タツマキは下に降りて名無しさんと視線を合わせた。
身長はほぼ同じ。
年齢は名無しさんのほうが1個上で29歳。
この2人は共通点が多く、仲良くなるのは当たり前……と言いたいところだが違う。
2人は施設での同期のようなものだ。
同じ時に親に売られ、施設に入居。
どれだけ大人を驚かせる数値を出しても外には出してもらえない。
それは10歳にも満たない少女達には拷問のようなものであった。
では何故、あのブラストが助けにきてくれるまで耐えられたのか。
それはお互いが支えだったから。
子供だったとはいえタツマキの力であれば、施設を破壊し脱出できただろう。
だが出来なかったのは名無しさんという存在。
戦うことができない名無しさんは施設の奴らからも利用されてた。
実験で傷ついた者は名無しさんに治させる。
つまり、怪我をさせるほどの実験をさせても大丈夫となったのだ。
他の子供たちと比べて名無しさんの仕事は多い。
その事がいまだにタツマキの中に残っている。
タツマキはブラストのおかげでプロヒーローになった。
ブラストだけではない、誰かを、名無しさんを守りたかったから。
「アンタまだヒーローやっているの?」
「うん! だってヒーローやっていたほうが皆を助ける事ができるし」
そう、プロヒーローとなった名無しさんは他のヒーロー達と一緒に向かい負傷したヒーローを助ける。
それが名無しさんなりのヒーローだ。
「プロヒーロー辞めたら? どうせ協会もアンタの能力を利用してるんでしょ」
「心配してくれてるんだ。ありがとう」
「バッカじゃない! 誰がいつアンタの心配したのよ!!」
タツマキの暴言も名無しさんは理解している。
あんな事を言っているが、その本心は自分のことを心配してくれているのだ。
「大丈夫だよ。協会の人も無理しないでくれ、って言ってるし」
「フン。雑魚だから怪我するのよって協会に言ったらどうかしら」
そんな雑談をしながら2人は一緒にカフェへと入った。
相変わらず名無しさんはふわふわとした雰囲気を纏っている。
良く言えば優しい、悪く言えば舐められやすい。
名無しさんは優しいから何もかも断れないのだ。
そんな名無しさんをタツマキは心配しているのは事実なのだ。
「(フブキも名無しさんも私が守らなきゃ)」
「私の妹を危険な目に遭わせるようなことはやめて」
怪人協会突入の打ち合わせにて、タツマキが声を低くする。
セキンガルがフブキも作戦に呼んでいたのを阻止するためだった。
タツマキは背もたれに寄りかかる。
「それと、名無しさんも呼んでるの?」
「あ、あぁ。もし怪我をしたヒーローがいたら治療してもらうために」
「はぁ……あのね、治療係だったら医者でも呼んでおけばいいじゃない。なんでアンタ達名無しさんに頼りっきりなの? 最初から怪我する予定の情けない奴がこの作戦に参加する資格ないと思うけど」
「……この作戦の参加は名無しさんの強い志望だ」
「何?」
「名無しさんがこの作戦にどうしても参加したいそうだ。誰かに止められても、無理やり行ってやる。とのこと」
「……勿論、名無しさんは地上班よね?」
「そうだ」
タツマキは何度目かのため息を吐く。
呆れて目を瞑り気持を落ち着かせた。
そして目を開ける。
「絶対裏方にして。戦場には出さないで」
「わ、分かった」
タツマキの怒気が含んだ言葉はそれで最後だった。
やっと話を再開できる、とセキンガルはほっと胸を撫でおろす。
話がまとまりメンバーも集まった。
──、一方その頃地上班。
「はいッ 種目はS級のセンパイ方の応援だと伺っていますッ!」
それぞれが挨拶をして、ニードルスターがヒーローランキングのアップの交渉をする。
セキンガルが了承すると皆は喜んだ。
そんな様子を眺めているのは名無しさんだ。
ランキングが上がることが確定していても名無しさんは騒がない。
興味がないように見える。微笑んでいるのは、嬉しそうな皆を見ているからか。
※タツマキの過去を捏造しています
※恋愛ではなく友情です
C級ヒーロー380位、名無しさん。
彼女は俗にいうエスパーだ。
ただし、タツマキやフブキとは超能力の使い方が異なる。
名無しさんの超能力は、人体の修復をすることがメイン。
怪我をした人物は名無しさんの手にかかれば、1時間ほどで全快する。
人を治す能力は非常に珍しく、ヒーロー協会にとっては重宝される能力。
だが何故こんなにもランクが低いのか。
それは、市民の貢献度が低いから、戦闘ができないから、と言われている。
名無しさんが行っていることは市民を助けるというより、怪人と戦っているヒーローを治療しているだけ。
そうなれば必然的に順位は低い。
ただしヒーロー協会は彼女を手放す事はできない。
だから彼女には特別、C級ヒーローの週1活動は免除されていた。
協会からは仕事を詰められ、ヒーローとしては低待遇で。
普通の人であれば辞めても仕方ない。
彼女が辞めないのは理由がある。
「タツマキちゃーん!」
「名無しさん」
とある市でタツマキがふよふよ浮いていたので、名無しさんが下から声をかける。
タツマキは下に降りて名無しさんと視線を合わせた。
身長はほぼ同じ。
年齢は名無しさんのほうが1個上で29歳。
この2人は共通点が多く、仲良くなるのは当たり前……と言いたいところだが違う。
2人は施設での同期のようなものだ。
同じ時に親に売られ、施設に入居。
どれだけ大人を驚かせる数値を出しても外には出してもらえない。
それは10歳にも満たない少女達には拷問のようなものであった。
では何故、あのブラストが助けにきてくれるまで耐えられたのか。
それはお互いが支えだったから。
子供だったとはいえタツマキの力であれば、施設を破壊し脱出できただろう。
だが出来なかったのは名無しさんという存在。
戦うことができない名無しさんは施設の奴らからも利用されてた。
実験で傷ついた者は名無しさんに治させる。
つまり、怪我をさせるほどの実験をさせても大丈夫となったのだ。
他の子供たちと比べて名無しさんの仕事は多い。
その事がいまだにタツマキの中に残っている。
タツマキはブラストのおかげでプロヒーローになった。
ブラストだけではない、誰かを、名無しさんを守りたかったから。
「アンタまだヒーローやっているの?」
「うん! だってヒーローやっていたほうが皆を助ける事ができるし」
そう、プロヒーローとなった名無しさんは他のヒーロー達と一緒に向かい負傷したヒーローを助ける。
それが名無しさんなりのヒーローだ。
「プロヒーロー辞めたら? どうせ協会もアンタの能力を利用してるんでしょ」
「心配してくれてるんだ。ありがとう」
「バッカじゃない! 誰がいつアンタの心配したのよ!!」
タツマキの暴言も名無しさんは理解している。
あんな事を言っているが、その本心は自分のことを心配してくれているのだ。
「大丈夫だよ。協会の人も無理しないでくれ、って言ってるし」
「フン。雑魚だから怪我するのよって協会に言ったらどうかしら」
そんな雑談をしながら2人は一緒にカフェへと入った。
相変わらず名無しさんはふわふわとした雰囲気を纏っている。
良く言えば優しい、悪く言えば舐められやすい。
名無しさんは優しいから何もかも断れないのだ。
そんな名無しさんをタツマキは心配しているのは事実なのだ。
「(フブキも名無しさんも私が守らなきゃ)」
「私の妹を危険な目に遭わせるようなことはやめて」
怪人協会突入の打ち合わせにて、タツマキが声を低くする。
セキンガルがフブキも作戦に呼んでいたのを阻止するためだった。
タツマキは背もたれに寄りかかる。
「それと、名無しさんも呼んでるの?」
「あ、あぁ。もし怪我をしたヒーローがいたら治療してもらうために」
「はぁ……あのね、治療係だったら医者でも呼んでおけばいいじゃない。なんでアンタ達名無しさんに頼りっきりなの? 最初から怪我する予定の情けない奴がこの作戦に参加する資格ないと思うけど」
「……この作戦の参加は名無しさんの強い志望だ」
「何?」
「名無しさんがこの作戦にどうしても参加したいそうだ。誰かに止められても、無理やり行ってやる。とのこと」
「……勿論、名無しさんは地上班よね?」
「そうだ」
タツマキは何度目かのため息を吐く。
呆れて目を瞑り気持を落ち着かせた。
そして目を開ける。
「絶対裏方にして。戦場には出さないで」
「わ、分かった」
タツマキの怒気が含んだ言葉はそれで最後だった。
やっと話を再開できる、とセキンガルはほっと胸を撫でおろす。
話がまとまりメンバーも集まった。
──、一方その頃地上班。
「はいッ 種目はS級のセンパイ方の応援だと伺っていますッ!」
それぞれが挨拶をして、ニードルスターがヒーローランキングのアップの交渉をする。
セキンガルが了承すると皆は喜んだ。
そんな様子を眺めているのは名無しさんだ。
ランキングが上がることが確定していても名無しさんは騒がない。
興味がないように見える。微笑んでいるのは、嬉しそうな皆を見ているからか。
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