おばけなんて嘘さ 後編
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サイタマが死んだ
まぁそれは前編を読んでくれたらわかるだろう
これはその続きなのだが
「だいぶメタな始まりだなぁ」
吹いてしまった味噌汁を吹き、幻覚かと思ったまま朝食を終えた
だが、そこに寝っ転がっているサイタマを見るにどうやら幻覚ではないようで
段々、自分の気持ちに整理ができてきた
整理ができてまず最初に私がしたことは
「「ウワァァァァァァァァ!!」」
隣の部屋の壁をぶち抜くことであった
私の叫び声と驚いたサイタマの声は重なった
急に壁がぶっ壊れた隣人は、声すらあげられないほど驚いていた。口が間抜けに空いている
着かけのシャツの手は止めたまま呆然と私のことを見ているままだった
「おま、おま何してんだよ・・・」
ドン引きしているサイタマを放っておき、ボロスへと駆け寄り両肩を掴む
全裸?そんなもん知らねぇ
そんなことよりも大切なことがある
「ボ、ボボボボボロス、サササ、サイタマが」
「・・・一旦落ち着け。お前は今自分がしたことを理解しているか?」
「サササ、サイタマがそこに・・・」
サイタマのことを指さした
ボロスは私の指の先に視線を向ける
一瞬だけ、破壊された壁のほうを見ていたが
サイタマはボロスと目が合ったようで「よっ」と言っているように片手をあげる
「ついに精神がイかれたか・・・」
「えぇ!?待って!?」
「わかっている。お前も・・・辛かったことは。傍にいてやるべきだった」
「ちが、だって、そこ、サイタマ」
「もういい。一人で抱え込むな」
ソッと、大きな体では想像できないほど優しく抱きしめられた
いや、違う、そうではない
「あっ!てめこんにゃろ」
サイタマがボロスに向かってパンチをする瞬間が見えた
混乱のあまり「あ」としか言葉を発せずボロスを守るという考えが抜けていて動けなかった
だが、そのパンチはボロスをすり抜ける
「だーちくしょう。やっぱ無理か」
「・・・・・・」
何が、何が起きているのだろう
誰か教えてくれ頼む
「・・・みんなに会いに行くか」
ボロスの言葉も聞かないまま家を飛び出した
胸の中にいた人間がいなくなり空中で空き余す両手はそのままで首だけが、出て行った人物を見るために動いた
私は走った。がむしゃらにとある人のところへ走った
まさか見えるのが私だけではあるまい
というか、見えたくない
「ハハッなんだ名無しさん、ブサイクな顔してんな」
「るせぇ!!」
だが話しかけてきて返事をしてしまっているのだから、見えていると、存在していると認めなければならない
どうして返事をしてしまうのか
・・・サイタマが本当にそこに、生きているように傍についているからだ
前と同じように
向かった先はM市である
「キングーー!!キングいるぅーー!!?!?」
「待って待って名無しさん氏待ってドア壊れる」
おそらくこの急な来訪ですぐに出れないとは、さてはイケナイゲームをしていたなキング?
おっと、今はそんなことを考えている暇でなかった
玄関で大きな転ぶ音が聞こえてからドアが開く
頭を押さえていることからぶつけてしまったのだろう
私は、キングの心配をするより先に自分のことを優先させてしまう
肩あたりを指さして言う
「キング大変サイタマがっ・・・!!」
「よっキング久しぶりだなー」
「・・・?」
少しだけ首を傾げた
大の大人がそんなことしても全然可愛くないぞ
「名無しさん氏大丈夫・・・?あの、俺じゃ頼りないかもだけどその・・・一緒にゲームしたり買い物行ったりとかはできるから・・・えと・・・いつでも俺のところに来て大丈夫だよ」
「違うのぉぉぉ!!サイタマがここにいるのぉぉぉぉぉ!!」
「キングにも俺のことは見えてないみたいだなー」
「上がってく?名無しさん氏、全然会ってくれないからやってないゲームいっぱいあるよ。お菓子もこれから買ってこようかな・・・って名無しさん氏?」
また最後の言葉を聞かないうちに私は走り出した
まずい。このままではサイタマのことが見えているのが私だけということになるではないか
だったとして、何故私だけが見えてしまうのだ
いやいやたまたまあの二人が霊感がなかっただけかもしれない
確かにボロスは宇宙人だし、キングは一般人
もう少し一般ではない人なら見えるかもしれない
私は次に森へと向かった
そこには俊足で動く黒い物体
私のことが見えたら動きが止まった
「名無しさんか・・・久しぶりだな」
「ソニック・・・ソニック・・・私は君を信じてる・・・」
「?。・・・心配、していたぞ。大丈夫か」
「あのさ、ここにサイタマがいるんだけど見える?」
サイタマは顔をしかめて鬱陶しいような顔をしていた
反対にソニックはポカン、とした顔を見せたがすぐに元の顔に戻る
「気持ちはわからなくはない。好敵手を別の者に取られ、失意し厭世していまう・・・だが、」
走った。ひたすらに走った
そして色々な人の元へ行きサイタマの存在を確かめたが、みんな最初に発する言葉は「大丈夫?」である
さすがにここまで来ると自分がおかしいと思い始めてきた
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