僕の正面だぁれ? 下
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※僕の正面だぁれ?上の続き
※注意は上と同じく
彼の引っ越しの手伝いが終わり、自宅へ帰る
他のメンバーはイアイアンにご飯を奢ってもらうそうだ
俺はもう遅いし明日学校だから、という理由で帰ることにした
未成年がいたら居酒屋に入れなかっただろう
大人は大人で楽しんでくれ。というのは都合のいい言い訳で、単純に彼と一緒にいたくなかっただけだ
部屋に入り、電気をつける
自宅へついたというのに心臓の鼓動はまだ激しかった
気でも紛わらそうとテレビをつけた
いつもの声で、アナウンサーの女性が淡々と今日あったことを読み上げていた
ソファに座り、心臓と呼吸を落ち着かせる
・・・誰かに相談するべきだろうか?
いや、まだ証拠はない。どうするべきだろうか
【クローンで作られた人間、と呼べるでしょうか。まぁ仮に人間と呼ぶとして、その人間は自我を持とうとするのでしょうか?】
【えぇそうですね。もうまんま本人ですからねぇ】
【そうすると、オリジナルのほうはどうなってしまうのでしょう】
【おそらくどこかにはいると思います。作られた人間はオリジナルになろうとするというのが考えられますねぇ。しかしもし何かあったときにオリジナルには死んでてもらっては困る。どこかに閉じ込めている、という可能性のほうが高いです】
【しかし前に成功して、奴隷にしていたという事例が】
【まぁそれは―、いい例でしたね。僕が話しているのはあくまで仮の話で――・・・クローンの技術が進んだとはいえ――・・・】
テレビを切った
あぁやはりテレビなどつけるのではなかった
・・・クローン
その、可能性はある。だがなんの目的のために
本物のイアイアンは生きているだろうか
色々考えてみる。聞こえる音は時計の秒針だけだ
いくら考えてみても、しっくりくるのはクローンという考えだ
証拠は、ない。俺が騒ぎ立ててもし違ったら周囲に多大な迷惑をかけるだろう
なら調べよう。確実な証拠がでてくるまでは俺一人でどうにかしよう
ならどうやって証拠を集める?彼がイアイアンではないと感じるのは俺だけだ
怪しいと思うはもちろん・・・クローゼット横の扉である
もしあそこに本物のイアイが閉じ込められていたら・・・全身に鳥肌が立ち一刻も早く助けに行かねばという気持ちに駆られる
震える手に力を込め、落ち着かせる
無計画に行動して成功などしない。いつだって戦闘に必要だったのは冷静であることだ
「イアイ・・・・・・」
恐ろしいことである
平然としてイアイアンとなっているだなんて
しかも、俺たちはそれに気づかず彼をイアイアンとして接していた
何も怪しまれることなく周囲を欺き、イアイアンとして生きている
目をつむり、今後どうするか考えていると部屋の温度が一℃下がっていた
「よっイアイ」
「名無しさん、よく来たな。いらっしゃい」
出迎えてくれたイアイはとても嬉しそうな顔をしていた
幾か月ぶりに二人っきりで遊ぶこととなる
場所はもちろん、イアイの家であった
リビングへ案内され椅子に座る
すぐに目の前に澄んだ琥珀色の紅茶が運ばれた
立つ湯気を見るに淹れたてなのだろう。俺が来る頃を見計らってくれていたことが伺える
外は晴れてはいるが空気が冷たく、吸い込むだけで肺がツンとするぐらいには寒いので今日は一日イアイの家で遊ぶこととした
これも計画していた内の一つだが
話したり、ゲームをしたりして時間を潰していく
正直楽しかった
笑い方や仕草が、本物のイアイアンのようで
時間が経つのはあっという間であった
気づけばあっという間にお昼の時間だ
お邪魔している立場なので、俺が作ると提案する。イアイはお言葉に甘えてくれたようであった
これも計画通りであった
キッチンを借り冷蔵庫を開ける。中身はガランとしており、ブーンという音が自由に走り回っている
イアイの体を考えれば当然ではある。イアイ自身が料理をすることなどないであろう
それでも材料をかき集め、何とか作れそうなものを考えてみた
考えるだけ、無駄なのだろうけど自然を装うためにそうした
少しの間だけまな板を包丁で叩く音を響かせる
そして見計らうように話しかけた
「あ、なぁイアイちょっと買い物頼んでいいか?」
「もちろん」
買ってきてほしい物を口頭で伝え、彼は外へ出る準備をした
ジャケットを羽織り玄関へ
彼が完全に扉を閉めるまで見送った
「・・・・・・さて」
隠しておいた銃を取り出す
友人の家へ遊びに行くのに武装するのは不自然すぎたので持ってきたのは銃一丁だけであった
計画はほぼ完璧といってもいいだろう
買い物を頼んで断る確率は低いと見ていた
イアイなら絶対に断らない。なら彼も断らないであろう
玄関を気にしつつ、あのクローゼットのある部屋へ向かった
誰もいない部屋は、気味が悪かった。一定のリズムで耳鳴りもする
一人暮らしのためこのような状況にも慣れているにも関わらず、だ
暖房をつけていた部屋にいたせいか喉も唇も乾燥する
固唾を飲み込みクローゼットの扉を開いた
そして真横に設置された扉。見れば見るほどただの扉であるが彼が隣にいたときの、あの、気持ち悪さが胃から這い上がってくるようだ
扉の高さは俺の半分ほどくらいである
ドアノブに、手をかけようと腕を伸ばす
「・・・・何してるんだ?」
「!!」
振り向けば、彼がいた
※注意は上と同じく
彼の引っ越しの手伝いが終わり、自宅へ帰る
他のメンバーはイアイアンにご飯を奢ってもらうそうだ
俺はもう遅いし明日学校だから、という理由で帰ることにした
未成年がいたら居酒屋に入れなかっただろう
大人は大人で楽しんでくれ。というのは都合のいい言い訳で、単純に彼と一緒にいたくなかっただけだ
部屋に入り、電気をつける
自宅へついたというのに心臓の鼓動はまだ激しかった
気でも紛わらそうとテレビをつけた
いつもの声で、アナウンサーの女性が淡々と今日あったことを読み上げていた
ソファに座り、心臓と呼吸を落ち着かせる
・・・誰かに相談するべきだろうか?
いや、まだ証拠はない。どうするべきだろうか
【クローンで作られた人間、と呼べるでしょうか。まぁ仮に人間と呼ぶとして、その人間は自我を持とうとするのでしょうか?】
【えぇそうですね。もうまんま本人ですからねぇ】
【そうすると、オリジナルのほうはどうなってしまうのでしょう】
【おそらくどこかにはいると思います。作られた人間はオリジナルになろうとするというのが考えられますねぇ。しかしもし何かあったときにオリジナルには死んでてもらっては困る。どこかに閉じ込めている、という可能性のほうが高いです】
【しかし前に成功して、奴隷にしていたという事例が】
【まぁそれは―、いい例でしたね。僕が話しているのはあくまで仮の話で――・・・クローンの技術が進んだとはいえ――・・・】
テレビを切った
あぁやはりテレビなどつけるのではなかった
・・・クローン
その、可能性はある。だがなんの目的のために
本物のイアイアンは生きているだろうか
色々考えてみる。聞こえる音は時計の秒針だけだ
いくら考えてみても、しっくりくるのはクローンという考えだ
証拠は、ない。俺が騒ぎ立ててもし違ったら周囲に多大な迷惑をかけるだろう
なら調べよう。確実な証拠がでてくるまでは俺一人でどうにかしよう
ならどうやって証拠を集める?彼がイアイアンではないと感じるのは俺だけだ
怪しいと思うはもちろん・・・クローゼット横の扉である
もしあそこに本物のイアイが閉じ込められていたら・・・全身に鳥肌が立ち一刻も早く助けに行かねばという気持ちに駆られる
震える手に力を込め、落ち着かせる
無計画に行動して成功などしない。いつだって戦闘に必要だったのは冷静であることだ
「イアイ・・・・・・」
恐ろしいことである
平然としてイアイアンとなっているだなんて
しかも、俺たちはそれに気づかず彼をイアイアンとして接していた
何も怪しまれることなく周囲を欺き、イアイアンとして生きている
目をつむり、今後どうするか考えていると部屋の温度が一℃下がっていた
「よっイアイ」
「名無しさん、よく来たな。いらっしゃい」
出迎えてくれたイアイはとても嬉しそうな顔をしていた
幾か月ぶりに二人っきりで遊ぶこととなる
場所はもちろん、イアイの家であった
リビングへ案内され椅子に座る
すぐに目の前に澄んだ琥珀色の紅茶が運ばれた
立つ湯気を見るに淹れたてなのだろう。俺が来る頃を見計らってくれていたことが伺える
外は晴れてはいるが空気が冷たく、吸い込むだけで肺がツンとするぐらいには寒いので今日は一日イアイの家で遊ぶこととした
これも計画していた内の一つだが
話したり、ゲームをしたりして時間を潰していく
正直楽しかった
笑い方や仕草が、本物のイアイアンのようで
時間が経つのはあっという間であった
気づけばあっという間にお昼の時間だ
お邪魔している立場なので、俺が作ると提案する。イアイはお言葉に甘えてくれたようであった
これも計画通りであった
キッチンを借り冷蔵庫を開ける。中身はガランとしており、ブーンという音が自由に走り回っている
イアイの体を考えれば当然ではある。イアイ自身が料理をすることなどないであろう
それでも材料をかき集め、何とか作れそうなものを考えてみた
考えるだけ、無駄なのだろうけど自然を装うためにそうした
少しの間だけまな板を包丁で叩く音を響かせる
そして見計らうように話しかけた
「あ、なぁイアイちょっと買い物頼んでいいか?」
「もちろん」
買ってきてほしい物を口頭で伝え、彼は外へ出る準備をした
ジャケットを羽織り玄関へ
彼が完全に扉を閉めるまで見送った
「・・・・・・さて」
隠しておいた銃を取り出す
友人の家へ遊びに行くのに武装するのは不自然すぎたので持ってきたのは銃一丁だけであった
計画はほぼ完璧といってもいいだろう
買い物を頼んで断る確率は低いと見ていた
イアイなら絶対に断らない。なら彼も断らないであろう
玄関を気にしつつ、あのクローゼットのある部屋へ向かった
誰もいない部屋は、気味が悪かった。一定のリズムで耳鳴りもする
一人暮らしのためこのような状況にも慣れているにも関わらず、だ
暖房をつけていた部屋にいたせいか喉も唇も乾燥する
固唾を飲み込みクローゼットの扉を開いた
そして真横に設置された扉。見れば見るほどただの扉であるが彼が隣にいたときの、あの、気持ち悪さが胃から這い上がってくるようだ
扉の高さは俺の半分ほどくらいである
ドアノブに、手をかけようと腕を伸ばす
「・・・・何してるんだ?」
「!!」
振り向けば、彼がいた
1/3ページ