もしも過去に戻れるならば
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「じゃあな、ドッペルゲンガー」
そして聞える刀が振り下ろされる音
嫌だ。死にたくない
・・・あぁけど死んだっていいかな
だってここで俺が死んでも誰も困らないし、気づかない
怪人の死体、としか認識されないんだ
それにもし俺が生き残れたとしてもみんなに裏切られて、絆を切られてどうやって生きていけば良い?
俺にそんな器用な生き方はできないよ
それでもまだ心の奥底で「生きたい」と願ってしまうのはまだ少しあいつらと楽しみたかったという思いがあるからなのか
でも、死んだらそんな思いもなくなるかな
そうだ。死んだら何も考えなくて済む
何もかも忘れられる
こんなに苦しまなくて済む
「・・・死にたい」
誰にも聞えないような声で呟いた
何も感じなかったのはもう首と胴体が離れてしまってるからなのか
体も動かないし、きっとそうだな
「なっ・・・んだよテメェ!?」
「おいおいどうしたんだよ名無しさん。・・・どういうことだ?」
そんな声で意識を少し取り戻し、我に返った
生きてる
きちんと胴体と首は繋がっていた
そして目の前には振り下ろされた刀を片手でとめているサイタマと震えているドッペルゲンガー
サイタマは少し手首を捻り、刀を折った。金属の折れる鈍い音
ドッペルゲンガーが後ろへ跳ぶ
「・・・っ!!!」
声にだせない叫び
今度こそ確信できる頬につたう涙
また助けに来てくれたんだサイタマは
「名無しさんから緊急番号に電話かかってきたけどすぐ切れたから何かあったと思ったんだよ。それにしても衛星機能ってすごいな」
さて、と言ってマントを揺らしながらゆっくりドッペルゲンガーの方へ向く
瞬間、自分の毛穴が逆立つどころか浮かび上がるかと思った
肌全体がビリビリとした振動を感じる
さっきよりも漠然とした恐怖を感じていた
怒っている
あの飄々として温厚そうなサイタマが
自分へ向けられている殺気ではないはずなのに
それほどサイタマの怒りは凄まじかった
しかし声色はいつもと変わらず言う
「で、お前何者?」
「な・・・何言ってんだよサイタマ!?」
慌てたように目を見開きながらドッペルゲンガーが手振りを激しくしサイタマへ叫ぶ
彼も恐怖しているのがわかった
「俺は俺だろ。名無しさんだよ!!そっちがドッペルゲンガーだ!!早く、早く殺そう!!」
「何言ってんだ」
ビクッとドッペルゲンガーがはねた
もう顔は歪み、汗もひどい
きっとサイタマの殺気を真正面から受けているからだろう
サイタマの殺気は虎レベルなら気絶できそうなくらい威圧がすごかった
それでも我を忘れてないのはドッペルゲンガーも中々の怪人なのだろう
しかし終わりだ
もう俺は確信していたし、安心していた
「お前がドッペルゲンガーだろ。こっちが本物の名無しさんだ」
「何で・・・何でそんなことがわかる!?どこに証拠があるっていうんだ!!!」
「どこって言われてもなぁ。まず喋り方も違うし雰囲気だって違うし・・・何より名無しさんは相手がこんなにボロボロになるまで痛めつけねぇよ」
サイタマはしっかり俺を見てくれていた
まだ出会って少ししか経ってないのに
・・・じゃあ、あいつらは?
あいつらとは出会って数年経っているにも関わらず偽者と本物の区別がついてなかった
そんなことを考えていたうちにサイタマは拳をかまえていた
それだけでドッペルゲンガーは尻餅をつく
きっともう威圧に耐えられなかったのであろう
「まっまままま待て!!」
「なんだよ」
「わかった!わかったよ!!俺はドッペルゲンガーだ。そっちが本物!!認める。認めるよ!!」
「・・・」
「でもそっちをそこまでボロボロにしたのは俺じゃない!!あいつらだ!!名無しさんの親友たちだ!!俺は何もしてない!!名無しさんの姿になっただけだ!!」
「そうなのか名無しさん?」
サイタマが俺のほうをむいて尋ねてきた
それに少し戸惑いながらも軽く頷く
確かに、確かにこの傷はドッペルゲンガーにやられたわけではない
ドッペルゲンガーは直接俺に手をだしたわけではないのだ
俺に成りすましただけ
そう。それだけだ
ドッペルゲンガーが口角をヒクつかせて汗まみれになりながらも笑いながら言った
「な!?だから俺は何もやって」
「もういい」
「ゴッフェァァァァァァァ!!」
サイタマの前へ突き出した拳の風圧で髪が揺れる
揺れた髪が元の位置へ戻り肌へチラチラとあたる感触が少しだけ心地よかった
「名無しさんだいじょ・・・えっその出血量やばくね・・・?おい名無しさん!?名無しさん!!」
そんなサイタマの声が遠くで聞えている気がして
体からすべてが抜けていく感覚
その抜けていくのが血だとわかるのはサイタマだけであっただろう
瞼に鉛がのせられたように重くなる
徐々にサイタマの顔が見えなくなっていき、いずれ何も見えなくなった「じゃあな、ドッペルゲンガー」
そして聞える刀が振り下ろされる音
嫌だ。死にたくない
・・・あぁけど死んだっていいかな
だってここで俺が死んでも誰も困らないし、気づかない
怪人の死体、としか認識されないんだ
それにもし俺が生き残れたとしてもみんなに裏切られて、絆を切られてどうやって生きていけば良い?
俺にそんな器用な生き方はできないよ
それでもまだ心の奥底で「生きたい」と願ってしまうのはまだ少しあいつらと楽しみたかったという思いがあるからなのか
でも、死んだらそんな思いもなくなるかな
そうだ。死んだら何も考えなくて済む
何もかも忘れられる
こんなに苦しまなくて済む
「・・・死にたい」
誰にも聞えないような声で呟いた
何も感じなかったのはもう首と胴体が離れてしまってるからなのか
体も動かないし、きっとそうだな
「なっ・・・んだよテメェ!?」
「おいおいどうしたんだよ名無しさん。・・・どういうことだ?」
そんな声で意識を少し取り戻し、我に返った
生きてる
きちんと胴体と首は繋がっていた
そして目の前には振り下ろされた刀を片手でとめているサイタマと震えているドッペルゲンガー
サイタマは少し手首を捻り、刀を折った。金属の折れる鈍い音
ドッペルゲンガーが後ろへ跳ぶ
「・・・っ!!!」
声にだせない叫び
今度こそ確信できる頬につたう涙
また助けに来てくれたんだサイタマは
「名無しさんから緊急番号に電話かかってきたけどすぐ切れたから何かあったと思ったんだよ。それにしても衛星機能ってすごいな」
さて、と言ってマントを揺らしながらゆっくりドッペルゲンガーの方へ向く
瞬間、自分の毛穴が逆立つどころか浮かび上がるかと思った
肌全体がビリビリとした振動を感じる
さっきよりも漠然とした恐怖を感じていた
怒っている
あの飄々として温厚そうなサイタマが
自分へ向けられている殺気ではないはずなのに
それほどサイタマの怒りは凄まじかった
しかし声色はいつもと変わらず言う
「で、お前何者?」
「な・・・何言ってんだよサイタマ!?」
慌てたように目を見開きながらドッペルゲンガーが手振りを激しくしサイタマへ叫ぶ
彼も恐怖しているのがわかった
「俺は俺だろ。名無しさんだよ!!そっちがドッペルゲンガーだ!!早く、早く殺そう!!」
「何言ってんだ」
ビクッとドッペルゲンガーがはねた
もう顔は歪み、汗もひどい
きっとサイタマの殺気を真正面から受けているからだろう
サイタマの殺気は虎レベルなら気絶できそうなくらい威圧がすごかった
それでも我を忘れてないのはドッペルゲンガーも中々の怪人なのだろう
しかし終わりだ
もう俺は確信していたし、安心していた
「お前がドッペルゲンガーだろ。こっちが本物の名無しさんだ」
「何で・・・何でそんなことがわかる!?どこに証拠があるっていうんだ!!!」
「どこって言われてもなぁ。まず喋り方も違うし雰囲気だって違うし・・・何より名無しさんは相手がこんなにボロボロになるまで痛めつけねぇよ」
サイタマはしっかり俺を見てくれていた
まだ出会って少ししか経ってないのに
・・・じゃあ、あいつらは?
あいつらとは出会って数年経っているにも関わらず偽者と本物の区別がついてなかった
そんなことを考えていたうちにサイタマは拳をかまえていた
それだけでドッペルゲンガーは尻餅をつく
きっともう威圧に耐えられなかったのであろう
「まっまままま待て!!」
「なんだよ」
「わかった!わかったよ!!俺はドッペルゲンガーだ。そっちが本物!!認める。認めるよ!!」
「・・・」
「でもそっちをそこまでボロボロにしたのは俺じゃない!!あいつらだ!!名無しさんの親友たちだ!!俺は何もしてない!!名無しさんの姿になっただけだ!!」
「そうなのか名無しさん?」
サイタマが俺のほうをむいて尋ねてきた
それに少し戸惑いながらも軽く頷く
確かに、確かにこの傷はドッペルゲンガーにやられたわけではない
ドッペルゲンガーは直接俺に手をだしたわけではないのだ
俺に成りすましただけ
そう。それだけだ
ドッペルゲンガーが口角をヒクつかせて汗まみれになりながらも笑いながら言った
「な!?だから俺は何もやって」
「もういい」
「ゴッフェァァァァァァァ!!」
サイタマの前へ突き出した拳の風圧で髪が揺れる
揺れた髪が元の位置へ戻り肌へチラチラとあたる感触が少しだけ心地よかった
「名無しさんだいじょ・・・えっその出血量やばくね・・・?おい名無しさん!?名無しさん!!」
そんなサイタマの声が遠くで聞えている気がして
体からすべてが抜けていく感覚
その抜けていくのが血だとわかるのはサイタマだけであっただろう
瞼に鉛がのせられたように重くなる
徐々にサイタマの顔が見えなくなっていき、いずれ何も見えなくなった
そして聞える刀が振り下ろされる音
嫌だ。死にたくない
・・・あぁけど死んだっていいかな
だってここで俺が死んでも誰も困らないし、気づかない
怪人の死体、としか認識されないんだ
それにもし俺が生き残れたとしてもみんなに裏切られて、絆を切られてどうやって生きていけば良い?
俺にそんな器用な生き方はできないよ
それでもまだ心の奥底で「生きたい」と願ってしまうのはまだ少しあいつらと楽しみたかったという思いがあるからなのか
でも、死んだらそんな思いもなくなるかな
そうだ。死んだら何も考えなくて済む
何もかも忘れられる
こんなに苦しまなくて済む
「・・・死にたい」
誰にも聞えないような声で呟いた
何も感じなかったのはもう首と胴体が離れてしまってるからなのか
体も動かないし、きっとそうだな
「なっ・・・んだよテメェ!?」
「おいおいどうしたんだよ名無しさん。・・・どういうことだ?」
そんな声で意識を少し取り戻し、我に返った
生きてる
きちんと胴体と首は繋がっていた
そして目の前には振り下ろされた刀を片手でとめているサイタマと震えているドッペルゲンガー
サイタマは少し手首を捻り、刀を折った。金属の折れる鈍い音
ドッペルゲンガーが後ろへ跳ぶ
「・・・っ!!!」
声にだせない叫び
今度こそ確信できる頬につたう涙
また助けに来てくれたんだサイタマは
「名無しさんから緊急番号に電話かかってきたけどすぐ切れたから何かあったと思ったんだよ。それにしても衛星機能ってすごいな」
さて、と言ってマントを揺らしながらゆっくりドッペルゲンガーの方へ向く
瞬間、自分の毛穴が逆立つどころか浮かび上がるかと思った
肌全体がビリビリとした振動を感じる
さっきよりも漠然とした恐怖を感じていた
怒っている
あの飄々として温厚そうなサイタマが
自分へ向けられている殺気ではないはずなのに
それほどサイタマの怒りは凄まじかった
しかし声色はいつもと変わらず言う
「で、お前何者?」
「な・・・何言ってんだよサイタマ!?」
慌てたように目を見開きながらドッペルゲンガーが手振りを激しくしサイタマへ叫ぶ
彼も恐怖しているのがわかった
「俺は俺だろ。名無しさんだよ!!そっちがドッペルゲンガーだ!!早く、早く殺そう!!」
「何言ってんだ」
ビクッとドッペルゲンガーがはねた
もう顔は歪み、汗もひどい
きっとサイタマの殺気を真正面から受けているからだろう
サイタマの殺気は虎レベルなら気絶できそうなくらい威圧がすごかった
それでも我を忘れてないのはドッペルゲンガーも中々の怪人なのだろう
しかし終わりだ
もう俺は確信していたし、安心していた
「お前がドッペルゲンガーだろ。こっちが本物の名無しさんだ」
「何で・・・何でそんなことがわかる!?どこに証拠があるっていうんだ!!!」
「どこって言われてもなぁ。まず喋り方も違うし雰囲気だって違うし・・・何より名無しさんは相手がこんなにボロボロになるまで痛めつけねぇよ」
サイタマはしっかり俺を見てくれていた
まだ出会って少ししか経ってないのに
・・・じゃあ、あいつらは?
あいつらとは出会って数年経っているにも関わらず偽者と本物の区別がついてなかった
そんなことを考えていたうちにサイタマは拳をかまえていた
それだけでドッペルゲンガーは尻餅をつく
きっともう威圧に耐えられなかったのであろう
「まっまままま待て!!」
「なんだよ」
「わかった!わかったよ!!俺はドッペルゲンガーだ。そっちが本物!!認める。認めるよ!!」
「・・・」
「でもそっちをそこまでボロボロにしたのは俺じゃない!!あいつらだ!!名無しさんの親友たちだ!!俺は何もしてない!!名無しさんの姿になっただけだ!!」
「そうなのか名無しさん?」
サイタマが俺のほうをむいて尋ねてきた
それに少し戸惑いながらも軽く頷く
確かに、確かにこの傷はドッペルゲンガーにやられたわけではない
ドッペルゲンガーは直接俺に手をだしたわけではないのだ
俺に成りすましただけ
そう。それだけだ
ドッペルゲンガーが口角をヒクつかせて汗まみれになりながらも笑いながら言った
「な!?だから俺は何もやって」
「もういい」
「ゴッフェァァァァァァァ!!」
サイタマの前へ突き出した拳の風圧で髪が揺れる
揺れた髪が元の位置へ戻り肌へチラチラとあたる感触が少しだけ心地よかった
「名無しさんだいじょ・・・えっその出血量やばくね・・・?おい名無しさん!?名無しさん!!」
そんなサイタマの声が遠くで聞えている気がして
体からすべてが抜けていく感覚
その抜けていくのが血だとわかるのはサイタマだけであっただろう
瞼に鉛がのせられたように重くなる
徐々にサイタマの顔が見えなくなっていき、いずれ何も見えなくなった「じゃあな、ドッペルゲンガー」
そして聞える刀が振り下ろされる音
嫌だ。死にたくない
・・・あぁけど死んだっていいかな
だってここで俺が死んでも誰も困らないし、気づかない
怪人の死体、としか認識されないんだ
それにもし俺が生き残れたとしてもみんなに裏切られて、絆を切られてどうやって生きていけば良い?
俺にそんな器用な生き方はできないよ
それでもまだ心の奥底で「生きたい」と願ってしまうのはまだ少しあいつらと楽しみたかったという思いがあるからなのか
でも、死んだらそんな思いもなくなるかな
そうだ。死んだら何も考えなくて済む
何もかも忘れられる
こんなに苦しまなくて済む
「・・・死にたい」
誰にも聞えないような声で呟いた
何も感じなかったのはもう首と胴体が離れてしまってるからなのか
体も動かないし、きっとそうだな
「なっ・・・んだよテメェ!?」
「おいおいどうしたんだよ名無しさん。・・・どういうことだ?」
そんな声で意識を少し取り戻し、我に返った
生きてる
きちんと胴体と首は繋がっていた
そして目の前には振り下ろされた刀を片手でとめているサイタマと震えているドッペルゲンガー
サイタマは少し手首を捻り、刀を折った。金属の折れる鈍い音
ドッペルゲンガーが後ろへ跳ぶ
「・・・っ!!!」
声にだせない叫び
今度こそ確信できる頬につたう涙
また助けに来てくれたんだサイタマは
「名無しさんから緊急番号に電話かかってきたけどすぐ切れたから何かあったと思ったんだよ。それにしても衛星機能ってすごいな」
さて、と言ってマントを揺らしながらゆっくりドッペルゲンガーの方へ向く
瞬間、自分の毛穴が逆立つどころか浮かび上がるかと思った
肌全体がビリビリとした振動を感じる
さっきよりも漠然とした恐怖を感じていた
怒っている
あの飄々として温厚そうなサイタマが
自分へ向けられている殺気ではないはずなのに
それほどサイタマの怒りは凄まじかった
しかし声色はいつもと変わらず言う
「で、お前何者?」
「な・・・何言ってんだよサイタマ!?」
慌てたように目を見開きながらドッペルゲンガーが手振りを激しくしサイタマへ叫ぶ
彼も恐怖しているのがわかった
「俺は俺だろ。名無しさんだよ!!そっちがドッペルゲンガーだ!!早く、早く殺そう!!」
「何言ってんだ」
ビクッとドッペルゲンガーがはねた
もう顔は歪み、汗もひどい
きっとサイタマの殺気を真正面から受けているからだろう
サイタマの殺気は虎レベルなら気絶できそうなくらい威圧がすごかった
それでも我を忘れてないのはドッペルゲンガーも中々の怪人なのだろう
しかし終わりだ
もう俺は確信していたし、安心していた
「お前がドッペルゲンガーだろ。こっちが本物の名無しさんだ」
「何で・・・何でそんなことがわかる!?どこに証拠があるっていうんだ!!!」
「どこって言われてもなぁ。まず喋り方も違うし雰囲気だって違うし・・・何より名無しさんは相手がこんなにボロボロになるまで痛めつけねぇよ」
サイタマはしっかり俺を見てくれていた
まだ出会って少ししか経ってないのに
・・・じゃあ、あいつらは?
あいつらとは出会って数年経っているにも関わらず偽者と本物の区別がついてなかった
そんなことを考えていたうちにサイタマは拳をかまえていた
それだけでドッペルゲンガーは尻餅をつく
きっともう威圧に耐えられなかったのであろう
「まっまままま待て!!」
「なんだよ」
「わかった!わかったよ!!俺はドッペルゲンガーだ。そっちが本物!!認める。認めるよ!!」
「・・・」
「でもそっちをそこまでボロボロにしたのは俺じゃない!!あいつらだ!!名無しさんの親友たちだ!!俺は何もしてない!!名無しさんの姿になっただけだ!!」
「そうなのか名無しさん?」
サイタマが俺のほうをむいて尋ねてきた
それに少し戸惑いながらも軽く頷く
確かに、確かにこの傷はドッペルゲンガーにやられたわけではない
ドッペルゲンガーは直接俺に手をだしたわけではないのだ
俺に成りすましただけ
そう。それだけだ
ドッペルゲンガーが口角をヒクつかせて汗まみれになりながらも笑いながら言った
「な!?だから俺は何もやって」
「もういい」
「ゴッフェァァァァァァァ!!」
サイタマの前へ突き出した拳の風圧で髪が揺れる
揺れた髪が元の位置へ戻り肌へチラチラとあたる感触が少しだけ心地よかった
「名無しさんだいじょ・・・えっその出血量やばくね・・・?おい名無しさん!?名無しさん!!」
そんなサイタマの声が遠くで聞えている気がして
体からすべてが抜けていく感覚
その抜けていくのが血だとわかるのはサイタマだけであっただろう
瞼に鉛がのせられたように重くなる
徐々にサイタマの顔が見えなくなっていき、いずれ何も見えなくなった
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