聞け!俺の美声を!! 聞け!俺の魂を!!
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嫌い。大嫌いだ
「はーい。これから歌のテストするから出席番号順に並んで」
歌のテストなんて
私の中学の音楽のテストは迷惑なことにみんなの前で歌うことがテストとなっている
成績を決めるのは先生なのだから先生の前で歌えばいいのに
みんなの前で歌うことの意味がわからない
手に持っている楽譜を握り締める
楽しげな音符が散らばっている楽譜は当然クシャクシャになった
そのまま机にうつぶせになる
もうみんな私のことを放っておいてくれ
今から腹痛でも訴えて保健室に逃げ込んでしまいたい
それほど歌のテストが嫌いだった
小さい頃から家族や友達に音痴音痴と言われていたらそりゃ嫌いになるだろう
自由勝手に歌えて馬鹿できるカラオケは中々好きなものだけど
「じゃあ次名無しさん。ほら、早くしろー」
先生も意地悪だよなぁ
私が歌が嫌いってことわかってて早くしろとか言ってさ
ここで逆らう勇気なんてないに決まってるのでみんなの前に行く
「名無しさんの綺麗な歌声楽しみにしてるよ」
「てめぇしばくぞ」
友達に嫌味たっぷりの励ましをもらって壇上へ立った
軽快な音楽がスピーカーからでる
いかにも始まるよ!という和音に息を吸って口を開いた
「どうしたの名無しさん。いつもと違ったね」
まぁね、とだけ返して自分の席に座った
いつもと違う。当たり前だ
前の歌のテストでは本気で歌ってたけど今回はあんまり声をださずみんなと同じようにやっただけ
歌のテストなんてそんなものだろう
このテストは歌が上手い人しか得しないんだから
壇上の上についているスピーカーが授業の終わりを知らせた
席から立って教室に帰ろうとした時
「なぁ」
話しかけられて、後ろを振り返るとサイタマだった
その顔は何となく不服そうな顔をしている
何、と返したらサイタマは口をへの字に曲げながら
「何で歌のテスト手抜いたんだよ」
ギクッとした
が、すぐに冷静になる
別に私だけじゃない。みんな手を抜いてるじゃないか
サイタマだって
何でそんなことサイタマに言われなくてはならないのか
確かに手を抜いたことに対して罪悪感がある
けどそれを他人にどうの言われる問題ではないだろう
「別にサイタマには関係ないよ」
早く話しを終わらせて教室に帰りたいので少し冷たく返す
だって私には残り少ない休み時間で借りたラノベを読まなくてはならないのだから
「関係なくねーよ」
頭をかきながら言った
「だって俺名無しさんの歌結構好きだし」
「は?」
素で変な声が出た
サイタマの言った言葉を理解するのに時間がかかる
えーっと・・・私の?歌が?好き?
頭大丈夫なの?
だって上手いわけでもないし、むしろ超下手くそというレベルなのに
それを好きだって?君は今すぐ病院へ行ったほうがいいと思う
「確かに名無しさん音痴だけど」
そうやって正直に言われるのは結構傷つくからやめてくれ
自覚してるんだからその傷をえぐってやるなよ
「けど、名無しさんの声好きだぜ」
いつもの淡々とした顔で平然とそう言った
その言葉はサイタマにとって何気ない。普通の一言だったのだろうけど
「あ・・・あり、がと・・・」
私を喜ばせて、照れさせるのには充分な言葉だった
「はーい。これから歌のテストするから出席番号順に並んで」
歌のテストなんて
私の中学の音楽のテストは迷惑なことにみんなの前で歌うことがテストとなっている
成績を決めるのは先生なのだから先生の前で歌えばいいのに
みんなの前で歌うことの意味がわからない
手に持っている楽譜を握り締める
楽しげな音符が散らばっている楽譜は当然クシャクシャになった
そのまま机にうつぶせになる
もうみんな私のことを放っておいてくれ
今から腹痛でも訴えて保健室に逃げ込んでしまいたい
それほど歌のテストが嫌いだった
小さい頃から家族や友達に音痴音痴と言われていたらそりゃ嫌いになるだろう
自由勝手に歌えて馬鹿できるカラオケは中々好きなものだけど
「じゃあ次名無しさん。ほら、早くしろー」
先生も意地悪だよなぁ
私が歌が嫌いってことわかってて早くしろとか言ってさ
ここで逆らう勇気なんてないに決まってるのでみんなの前に行く
「名無しさんの綺麗な歌声楽しみにしてるよ」
「てめぇしばくぞ」
友達に嫌味たっぷりの励ましをもらって壇上へ立った
軽快な音楽がスピーカーからでる
いかにも始まるよ!という和音に息を吸って口を開いた
「どうしたの名無しさん。いつもと違ったね」
まぁね、とだけ返して自分の席に座った
いつもと違う。当たり前だ
前の歌のテストでは本気で歌ってたけど今回はあんまり声をださずみんなと同じようにやっただけ
歌のテストなんてそんなものだろう
このテストは歌が上手い人しか得しないんだから
壇上の上についているスピーカーが授業の終わりを知らせた
席から立って教室に帰ろうとした時
「なぁ」
話しかけられて、後ろを振り返るとサイタマだった
その顔は何となく不服そうな顔をしている
何、と返したらサイタマは口をへの字に曲げながら
「何で歌のテスト手抜いたんだよ」
ギクッとした
が、すぐに冷静になる
別に私だけじゃない。みんな手を抜いてるじゃないか
サイタマだって
何でそんなことサイタマに言われなくてはならないのか
確かに手を抜いたことに対して罪悪感がある
けどそれを他人にどうの言われる問題ではないだろう
「別にサイタマには関係ないよ」
早く話しを終わらせて教室に帰りたいので少し冷たく返す
だって私には残り少ない休み時間で借りたラノベを読まなくてはならないのだから
「関係なくねーよ」
頭をかきながら言った
「だって俺名無しさんの歌結構好きだし」
「は?」
素で変な声が出た
サイタマの言った言葉を理解するのに時間がかかる
えーっと・・・私の?歌が?好き?
頭大丈夫なの?
だって上手いわけでもないし、むしろ超下手くそというレベルなのに
それを好きだって?君は今すぐ病院へ行ったほうがいいと思う
「確かに名無しさん音痴だけど」
そうやって正直に言われるのは結構傷つくからやめてくれ
自覚してるんだからその傷をえぐってやるなよ
「けど、名無しさんの声好きだぜ」
いつもの淡々とした顔で平然とそう言った
その言葉はサイタマにとって何気ない。普通の一言だったのだろうけど
「あ・・・あり、がと・・・」
私を喜ばせて、照れさせるのには充分な言葉だった
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