晴れてる日でも家に篭る
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
どいつもこいつも同じ反応ばっかり
『ヒ、ヒッゆるし・・・ウッギャアアアアアアアアアア!!』
そんな耳が裂けるような叫びも聞き飽きたものだ
星では勇敢な戦士だったと言っていたのに命乞いをして、頭を床にこすり付けて、なんと無様なことか
力を持っているというのはこんなにもつまらないことだったか
みんなみんな、同じ姿にしか見えない
俺を恐怖し、畏怖し、戦慄し
部下たちだってみんな俺に従っている心の奥底に恐怖があるだけでのことであって
こんなつまらない人生があるだろうか
せめて、弱くても俺に歯向かって反抗してくれる面白いやつでもいたらこのたいくつな人生に少しぐらい刺激があるのだろう
そんな奴にあってみたいものだ
今日やっと面白い奴を見つけた
いつも通り星で三本指に入る強い奴となんだか弱そうな奴合わせて四対が捕虜となった
いつもと変わらない笑える命乞いを聞こうと思ったのだが
「ボロスさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「!?」
俺が予想してた叫びとは違う叫びが返ってきた
結構長いこと生きてきてこんなことは初めてだ
もしかしてこいつなら俺を楽しませてくれるかもしれない、と思いペットにすることにした
名は名無しさんというらしい
まぁ飽きたら捨てるだけだ
こいつらのようにな
ペットを飼って3日が経った
「おい名無しさん」
「はい何でしょうボロス様!!」
俺に怖いほどに服従してくれている
ここは部下達と同じでつまらん、と思っていたのだが
「遅い。殺すぞ」
「はい喜んで」
名無しさんは本当に俺のことが怖くないらしく、普通の奴等ならプレッシャーだけで死んでもおかしくないというのに元気だ
それに、ペットという身分にも関わらず(それに不満を持っているわけではなさそうだが)主人である俺に慣れ慣れしく話しかけてくる
「ボロス様の過去の素晴らしい功績をぜひお聞かせください!!」
まぁ、話していて悪い気はしない
話していてその興奮振りを体全体で表現している名無しさんの姿には笑いが起きるものだった
それに名無しさんは何だか自分のことを見てくれているような気がして
他の奴等は俺の強さに憧れて、もしくは恐怖して従っているだけ
それを別に咎める気はないし、俺自身も力がすべてだと思っているからどうも思わなかったのだが
「ボロス様の好きな食べ物は何ですか?」
「どういう色が好きですか?」
「好きなタイプは?」
質問されてすぐに答えられないものばっかりだった
今まで自分自身のことを考えたこともなかったせいで自分がどういう生き物なのか知ることはなかったが名無しさんのおかげで自分がどんな奴なのかがわかった
名無しさんのおかげで自分自身のことを知り、こだわりが、今までとは違うプライドが、誇りができた
おかげで前よりも少しだけ感情を表にだすようになった気がする
「そうなんですか!またボロス様のことが知れて嬉しいです!!」
素直な感情をだしている名無しさんの笑顔が、なんとなく羨ましく感じた
俺は今までやったきたことを考えるととてもそんなことはできそうにない
羨ましいからこそ、名無しさんの感情豊かな表情に少しずつ惹かれていってるのかもしれない
1/2ページ