もぅマジムリ リスカしょ。。。
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ついこの間両親が事故で亡くなってしまった
それが私が就職してお金貯めて、今までと日頃の感謝の気持ちをこめて旅行券をプレゼントしてその途中で事故が起きてしまったというなんとも皮肉な出来事だ
つい最近知人に騙されて通帳のお金をほとんど盗まれてしまった。親の遺産もあったのに
彼女は明るく人当たりもよくて感じのいい同僚だった
何か大きな悩みを抱えているそうなのでそれを聞いてあげているうちにズブズブと彼女の戦略に嵌ってしまったのだ
今はもう食べていけるのがやっとのお金しか持っていない
その他にもファミレスで何時間も語ってメンヘラレッテル貼られる不幸自慢はたくさんある
どうして自分ばっかり、と独り言を呟いてしまうのも許してほしい
そんな私だけど怪人にはそんなに出会ったことがない
これが不幸中の幸いなのか
でも今はすぐにでも怪人に会って襲われたかった
本音を言うと死にたい
これだけのことですぐに死を選びたがると年長者に言われるだろうが、時代は変わっていく
こんな、怪人は出るが平和な環境で生まれると少しの傷で死にたくなってしまうものだ
死んだ後の世界がどうなってるかわからないが生きているこの世界よりはマシだと確信している
死のうにも自殺では自分勝手な理由で他者に迷惑がかかってしまうし自分が逃げたみたいな感じがして嫌なのだ
それならば、怪人に殺されたほうが迷惑はかかるが自分勝手ではないし命の責任は怪人の手にある
これが最低なことはわかっているのだがこのご時世は最低で、理不尽で、自分勝手なのだから別にいいだろう
今日も怪人を求めてZ市へ来ていたわけだが、ついに、ついに
『やぁやぁお嬢さん。随分と疲れた顔をしているね』
口元には薄汚れた布で覆われており、青いシルクハットを深めに被っていて顔が見えない
群青色のトレンチコートの裾が風に怪しく揺れながらそいつは言った
『それじゃあ僕が・・・診てあげるっ!』
閉じていたトレンチコートを蝶が羽ばたくように開く
その中には数々の手術器具や拷問器具
ここまで来たらもう怪人と断定していいだろう
あぁ、よかった。やっと死ねる
我侭を言ってしまうなら痛いのは嫌だな
その怪人はツバメのような速さで私の目前まできて、メスを振り下ろす
メスに映った自分の醜い顔を最後に瞼を下ろした
・・・が、どこも痛くないし血が出ている感覚もない
少しずつ瞼を開けて何があったのか見てみると、真っ白な景色
「よー、危なかったな」
白いマントを揺らしながらこっちへ振り向いたその顔はどこか見覚えがあるような気がした
その人はメスを人差し指と中指で真剣白刃取りのように綺麗にとめていた
「あっれ。お前名無しさん?」
「え・・・?」
どうしてこの人は私の名前を知っているのだろう
彼の顔をよくよく見てみて脳にインプットされた記憶を逆再生のように思い出してみる
確か、確か中学のときに同じ班だった
「サイ、タマ?」
「おー、やっぱり。久しぶりだな名無しさん」
旅人が心地の良い音楽を聴いたときのように笑った
髪の毛がないので誰だかわからなかった。そしてその格好は何なんだろうか
コスプレ、なのかな
もちろん彼は怪人のメスは止めたまま私と話している
『な、なんだお前は!?まぁいい。俺の邪魔をすると、』
「人が会話してるときに入ってくんじゃねぇ」
『ゲフォッハァァァァァァァァァ』
「っ!?」
赤い拳の残像が見えるほどに振り下ろした一撃は怪人の体がゴムでできてるように吹っ飛ばした
今何をしたんだ彼は
しばらく会っていない旧友、というほどまでにではないが、サイタマはここ数十年ですごく変わっていた
助けてくれてありがとう、そんな言葉がでるわけもなく、自分の感情を操ることもせずにサイタマの胸倉を容赦なく掴みあげる
「なっにしてくれちゃってんの!?」
「いや、普通にお前のこと助けただけだけど」
「なんで余計なことすんのよ!!私は・・・私は、死にたかったのに・・・」
力が抜けその場に座り込んで今まで溜まっていたものがすべて涙へ変わっていく
それを両手で救おうとして顔を覆うが指の間から花びらから水の雫が落ちていくように流れ出る
「あ、あー・・・すまん・・・?」
そんなサイタマの声も感覚神経に通っただけで脳には届かない
やっと死ねるかと思ったのに
そのチャンスを、こいつは殺した
「いや悪かったって。そんなに泣くなよ。これやるから」
「・・・?」
嫌々顔を上げてみてみると木の棒に「当たり」と書いてあるものが
条件反射のようにそれを受け取る
「何これ」
「何って、アイスの当たり棒」
何て空気の読めない奴
そうだ、サイタマは昔からこんなやつだった
中学時代から先生に意味のないケンカを売ったり上級生に呼び出されたり
周りからみたら生きるのが下手くそな奴と思われてだだろう
それは私も例外じゃない
そんなサイタマの意図がわからない行動に頭が痛くなってきた
「まぁでもそれでアイス交換するまでは死にたくなくなっただろ」
一度だけ、一度だけ彼にはできそうにもない笑顔を見たことがある
それは修学旅行のときに私がお菓子で当たりつきを当てたけどいらなかったからサイタマにあげたときだ
そのときと同じような笑顔で
「今度死ぬときは怪人に襲われるときにしろよ。それまでにアイスの当たり当てとくから」
そう言って瓦礫だからけの十字路を右に曲がっていった
取り残された私はアイスの棒を希望の光のように握り締める
・・・アイスを交換するまでもう少しだけ生きるのを踏ん張ってみようかな
それが私が就職してお金貯めて、今までと日頃の感謝の気持ちをこめて旅行券をプレゼントしてその途中で事故が起きてしまったというなんとも皮肉な出来事だ
つい最近知人に騙されて通帳のお金をほとんど盗まれてしまった。親の遺産もあったのに
彼女は明るく人当たりもよくて感じのいい同僚だった
何か大きな悩みを抱えているそうなのでそれを聞いてあげているうちにズブズブと彼女の戦略に嵌ってしまったのだ
今はもう食べていけるのがやっとのお金しか持っていない
その他にもファミレスで何時間も語ってメンヘラレッテル貼られる不幸自慢はたくさんある
どうして自分ばっかり、と独り言を呟いてしまうのも許してほしい
そんな私だけど怪人にはそんなに出会ったことがない
これが不幸中の幸いなのか
でも今はすぐにでも怪人に会って襲われたかった
本音を言うと死にたい
これだけのことですぐに死を選びたがると年長者に言われるだろうが、時代は変わっていく
こんな、怪人は出るが平和な環境で生まれると少しの傷で死にたくなってしまうものだ
死んだ後の世界がどうなってるかわからないが生きているこの世界よりはマシだと確信している
死のうにも自殺では自分勝手な理由で他者に迷惑がかかってしまうし自分が逃げたみたいな感じがして嫌なのだ
それならば、怪人に殺されたほうが迷惑はかかるが自分勝手ではないし命の責任は怪人の手にある
これが最低なことはわかっているのだがこのご時世は最低で、理不尽で、自分勝手なのだから別にいいだろう
今日も怪人を求めてZ市へ来ていたわけだが、ついに、ついに
『やぁやぁお嬢さん。随分と疲れた顔をしているね』
口元には薄汚れた布で覆われており、青いシルクハットを深めに被っていて顔が見えない
群青色のトレンチコートの裾が風に怪しく揺れながらそいつは言った
『それじゃあ僕が・・・診てあげるっ!』
閉じていたトレンチコートを蝶が羽ばたくように開く
その中には数々の手術器具や拷問器具
ここまで来たらもう怪人と断定していいだろう
あぁ、よかった。やっと死ねる
我侭を言ってしまうなら痛いのは嫌だな
その怪人はツバメのような速さで私の目前まできて、メスを振り下ろす
メスに映った自分の醜い顔を最後に瞼を下ろした
・・・が、どこも痛くないし血が出ている感覚もない
少しずつ瞼を開けて何があったのか見てみると、真っ白な景色
「よー、危なかったな」
白いマントを揺らしながらこっちへ振り向いたその顔はどこか見覚えがあるような気がした
その人はメスを人差し指と中指で真剣白刃取りのように綺麗にとめていた
「あっれ。お前名無しさん?」
「え・・・?」
どうしてこの人は私の名前を知っているのだろう
彼の顔をよくよく見てみて脳にインプットされた記憶を逆再生のように思い出してみる
確か、確か中学のときに同じ班だった
「サイ、タマ?」
「おー、やっぱり。久しぶりだな名無しさん」
旅人が心地の良い音楽を聴いたときのように笑った
髪の毛がないので誰だかわからなかった。そしてその格好は何なんだろうか
コスプレ、なのかな
もちろん彼は怪人のメスは止めたまま私と話している
『な、なんだお前は!?まぁいい。俺の邪魔をすると、』
「人が会話してるときに入ってくんじゃねぇ」
『ゲフォッハァァァァァァァァァ』
「っ!?」
赤い拳の残像が見えるほどに振り下ろした一撃は怪人の体がゴムでできてるように吹っ飛ばした
今何をしたんだ彼は
しばらく会っていない旧友、というほどまでにではないが、サイタマはここ数十年ですごく変わっていた
助けてくれてありがとう、そんな言葉がでるわけもなく、自分の感情を操ることもせずにサイタマの胸倉を容赦なく掴みあげる
「なっにしてくれちゃってんの!?」
「いや、普通にお前のこと助けただけだけど」
「なんで余計なことすんのよ!!私は・・・私は、死にたかったのに・・・」
力が抜けその場に座り込んで今まで溜まっていたものがすべて涙へ変わっていく
それを両手で救おうとして顔を覆うが指の間から花びらから水の雫が落ちていくように流れ出る
「あ、あー・・・すまん・・・?」
そんなサイタマの声も感覚神経に通っただけで脳には届かない
やっと死ねるかと思ったのに
そのチャンスを、こいつは殺した
「いや悪かったって。そんなに泣くなよ。これやるから」
「・・・?」
嫌々顔を上げてみてみると木の棒に「当たり」と書いてあるものが
条件反射のようにそれを受け取る
「何これ」
「何って、アイスの当たり棒」
何て空気の読めない奴
そうだ、サイタマは昔からこんなやつだった
中学時代から先生に意味のないケンカを売ったり上級生に呼び出されたり
周りからみたら生きるのが下手くそな奴と思われてだだろう
それは私も例外じゃない
そんなサイタマの意図がわからない行動に頭が痛くなってきた
「まぁでもそれでアイス交換するまでは死にたくなくなっただろ」
一度だけ、一度だけ彼にはできそうにもない笑顔を見たことがある
それは修学旅行のときに私がお菓子で当たりつきを当てたけどいらなかったからサイタマにあげたときだ
そのときと同じような笑顔で
「今度死ぬときは怪人に襲われるときにしろよ。それまでにアイスの当たり当てとくから」
そう言って瓦礫だからけの十字路を右に曲がっていった
取り残された私はアイスの棒を希望の光のように握り締める
・・・アイスを交換するまでもう少しだけ生きるのを踏ん張ってみようかな
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