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真っ白な部屋に私達二人
色があるのは花と私達自身
だけど私の心と脳はこの部屋と同じように真っ白だった
いつかこんな日が来るとは思っていた
彼はヒーローをやっているのだから
むしろ命が助かったというだけでも神に感謝しなければならないだろう
それは、感謝している。本当に
だけど、だけど
「頼む、泣かないでくれ名無しさん」
そう言ってイアイは私の頭を大きな右の手のひらで優しく撫でてくれる
その手つきはいつもと変わらない。変わらないのだけど
いつもと違う手の感触にまた涙がたまっていく
いつもは右手ではなく左手で撫でてもらっていたのに
その左手は、いや、左腕は
本来あるべきところになく、その根元にはこれでもかというほど包帯が巻かれていた
無くなってしまった左手にはたくさんの思い出があったのに
イアイの左は私の特等席だった
いつもその左手で私を撫でたり、手を握ってくれたりしてた
でもそれが無くなってしまったんだ
もう二度と帰ってこないものに
約束した、薬指の指輪も
全部全部無くなっちゃった
「名無しさん」
下をうつむいていた私の顎を右手で上にあげたと思ったら後頭部を押されて自分の額と私の額を合わせてきた
至近距離で見る
涙で真っ赤になってしまった私の目を真っ直ぐに見つめて
「大丈夫だ。俺はまだ剣の未来が終わったわけじゃない。それに名無しさんとの思い出が無くなったわけでもない。もし、名無しさんが無くなったと思うんだったからこれから作っていけばいい」
「イア、イ」
それからゆっくりと唇を合わせてきた
一瞬だけ唇を合わせてすぐ離し、またキスをするのはイアイの癖だ
あぁ、そうだ私は何を不安がってたんだろう
別に左腕がなくなってもイアイはイアイなのに。何を不安がっていたのか
一番辛いのはイアイなのに
一番泣きたいのはイアイなのに
私はそんな彼の傍にいて慰めていけなきゃいけないのに
「ごめん。ごめんねイアイ」
「謝るな。何もしてないだろう」
「うん、ごめんね。ヘヘ、退院したらどっか遊びに行こう」
「あぁ」
色があるのは花と私達自身
だけど私の心と脳はこの部屋と同じように真っ白だった
いつかこんな日が来るとは思っていた
彼はヒーローをやっているのだから
むしろ命が助かったというだけでも神に感謝しなければならないだろう
それは、感謝している。本当に
だけど、だけど
「頼む、泣かないでくれ名無しさん」
そう言ってイアイは私の頭を大きな右の手のひらで優しく撫でてくれる
その手つきはいつもと変わらない。変わらないのだけど
いつもと違う手の感触にまた涙がたまっていく
いつもは右手ではなく左手で撫でてもらっていたのに
その左手は、いや、左腕は
本来あるべきところになく、その根元にはこれでもかというほど包帯が巻かれていた
無くなってしまった左手にはたくさんの思い出があったのに
イアイの左は私の特等席だった
いつもその左手で私を撫でたり、手を握ってくれたりしてた
でもそれが無くなってしまったんだ
もう二度と帰ってこないものに
約束した、薬指の指輪も
全部全部無くなっちゃった
「名無しさん」
下をうつむいていた私の顎を右手で上にあげたと思ったら後頭部を押されて自分の額と私の額を合わせてきた
至近距離で見る
涙で真っ赤になってしまった私の目を真っ直ぐに見つめて
「大丈夫だ。俺はまだ剣の未来が終わったわけじゃない。それに名無しさんとの思い出が無くなったわけでもない。もし、名無しさんが無くなったと思うんだったからこれから作っていけばいい」
「イア、イ」
それからゆっくりと唇を合わせてきた
一瞬だけ唇を合わせてすぐ離し、またキスをするのはイアイの癖だ
あぁ、そうだ私は何を不安がってたんだろう
別に左腕がなくなってもイアイはイアイなのに。何を不安がっていたのか
一番辛いのはイアイなのに
一番泣きたいのはイアイなのに
私はそんな彼の傍にいて慰めていけなきゃいけないのに
「ごめん。ごめんねイアイ」
「謝るな。何もしてないだろう」
「うん、ごめんね。ヘヘ、退院したらどっか遊びに行こう」
「あぁ」
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