八月十五日の
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携帯の画面を見てみると、八月十五日の十二時半を表示していた
残り十五日で課題を終わらせなきゃいけないという現実が、太陽の光と同じように襲ってくる
ため息を一つ
「あー・・・なんで課題なんてものがこの世にあるんだろう。イアイもそう思わね?」
「いや、宿題は最初のほうに終わらせるだろ」
くそ、イアイはこういうタイプだったわ
俺は後ででいいやーってなっちゃうタイプ。いつも痛い目にあってるというのに
今年はイアイに手伝ってもらわないようにしないと
去年は作文やってもらっちゃって、それが表彰されてしまったのは悪い思い出だ
そんな思い出話などを駄弁っていた
「でも、夏は嫌いだな。俺は」
「え?なんで?」
近寄ってきた猫を撫でながら、ふてぶてしくそう言った
夏はお祭りあったり海行ったり遊べることがたくさんあるのに
今年も五人でたくさん遊びたいのに
ふと猫が逃げ出してしまった
その猫が行った先はゆらゆらと揺れる陽炎ただよる横断歩道
俺が行くより速くにイアイは飛び出してしまった
猫を追いかけてそのまま飛び込んでしまったのは
赤に変わった信号機
バッと通ったトラックが、何かを引きずって鳴き叫ぶ
俺はその場から動けなかった
何が起きているのか、脳で予想していたことが超えてしまったのか神経が機能していない
自我に戻れたのは、血飛沫の色とイアイの香りが混ざってむせ返ってからだ
目の前がクラクラする。夏の日差しのせいでもあるのだろうか
よく目が見えないまま、見えたのはユラユラ揺れている人の形だった
そいつは
「嘘じゃないぞ」
と笑っていた
夏の綺麗な空の水色とかき回すような蝉の音にすべて眩んだ
チクタクチクタクと、時計の針の音で目覚めた
今は何時だろう
八月十四日の午前十二時過ぎぐらいを指す
あれは夢だったのだろうか
悪い夢を見たな
だけど、やけにうるさい蝉の声をおぼえていた
「わっり!すげぇ遅れた!!」
「さすがに遅すぎだぞ、名無しさん」
「ごめん」
「寝すぎもよくないぞ」
あんな夢を見て、イアイに何かあったのかと思ったがそんなことないようだ
いつも通りのイアイで安心した
そうだ、さっさとあんなの忘れよう
とは言ってもやはり脳裏から離れない
何度も何度も脳内で再生されるあのシーン
削除ボタンを押しても壊れていて消せない
でももしこれが、あの夢の逆再生ということだったら
「・・・なぁ、今日はもう帰らね?」
暑いからファミレスでも行こうという提案にイアイはうなずいてくれた
このなんとも言えない不安を胸に道へでたとき
周りの人はみんな口を開けて上を見上げていた
空から何か降ってきた
長い、無機質な
ちょうど太陽の光を遮るように
そのまま落下してきた鉄柱はイアイに突き刺さっていた
足元に何かしたたっている
これは、違う。血じゃない。そこでぐったりと鉄が刺さりながら倒れてるのはイアイじゃない
だって、だって今さっき隣で話してたじゃないか
違う。これは。そうだ、夢だ。また夢なんだ。早く覚めろ。覚めてくれ
どこからか、声が聞こえた
「夢じゃないぞ」
その声は子供がいたずらに成功したときのように笑っていた
じょじょに眩む視界に、イアイの横顔が笑っていたように見えたのは気のせいだろうか
残り十五日で課題を終わらせなきゃいけないという現実が、太陽の光と同じように襲ってくる
ため息を一つ
「あー・・・なんで課題なんてものがこの世にあるんだろう。イアイもそう思わね?」
「いや、宿題は最初のほうに終わらせるだろ」
くそ、イアイはこういうタイプだったわ
俺は後ででいいやーってなっちゃうタイプ。いつも痛い目にあってるというのに
今年はイアイに手伝ってもらわないようにしないと
去年は作文やってもらっちゃって、それが表彰されてしまったのは悪い思い出だ
そんな思い出話などを駄弁っていた
「でも、夏は嫌いだな。俺は」
「え?なんで?」
近寄ってきた猫を撫でながら、ふてぶてしくそう言った
夏はお祭りあったり海行ったり遊べることがたくさんあるのに
今年も五人でたくさん遊びたいのに
ふと猫が逃げ出してしまった
その猫が行った先はゆらゆらと揺れる陽炎ただよる横断歩道
俺が行くより速くにイアイは飛び出してしまった
猫を追いかけてそのまま飛び込んでしまったのは
赤に変わった信号機
バッと通ったトラックが、何かを引きずって鳴き叫ぶ
俺はその場から動けなかった
何が起きているのか、脳で予想していたことが超えてしまったのか神経が機能していない
自我に戻れたのは、血飛沫の色とイアイの香りが混ざってむせ返ってからだ
目の前がクラクラする。夏の日差しのせいでもあるのだろうか
よく目が見えないまま、見えたのはユラユラ揺れている人の形だった
そいつは
「嘘じゃないぞ」
と笑っていた
夏の綺麗な空の水色とかき回すような蝉の音にすべて眩んだ
チクタクチクタクと、時計の針の音で目覚めた
今は何時だろう
八月十四日の午前十二時過ぎぐらいを指す
あれは夢だったのだろうか
悪い夢を見たな
だけど、やけにうるさい蝉の声をおぼえていた
「わっり!すげぇ遅れた!!」
「さすがに遅すぎだぞ、名無しさん」
「ごめん」
「寝すぎもよくないぞ」
あんな夢を見て、イアイに何かあったのかと思ったがそんなことないようだ
いつも通りのイアイで安心した
そうだ、さっさとあんなの忘れよう
とは言ってもやはり脳裏から離れない
何度も何度も脳内で再生されるあのシーン
削除ボタンを押しても壊れていて消せない
でももしこれが、あの夢の逆再生ということだったら
「・・・なぁ、今日はもう帰らね?」
暑いからファミレスでも行こうという提案にイアイはうなずいてくれた
このなんとも言えない不安を胸に道へでたとき
周りの人はみんな口を開けて上を見上げていた
空から何か降ってきた
長い、無機質な
ちょうど太陽の光を遮るように
そのまま落下してきた鉄柱はイアイに突き刺さっていた
足元に何かしたたっている
これは、違う。血じゃない。そこでぐったりと鉄が刺さりながら倒れてるのはイアイじゃない
だって、だって今さっき隣で話してたじゃないか
違う。これは。そうだ、夢だ。また夢なんだ。早く覚めろ。覚めてくれ
どこからか、声が聞こえた
「夢じゃないぞ」
その声は子供がいたずらに成功したときのように笑っていた
じょじょに眩む視界に、イアイの横顔が笑っていたように見えたのは気のせいだろうか
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