六話
夢小説設定
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──死にそうだ。
「クッソ……なん、な、んだよ……」
自宅へと帰り靴も脱げないままその場へと座りこんでしまった。
頭を抑える。
また、最近になって頭痛が再発したのだ。
頭痛だけならまだしも、名無しさんはまた別のことで悩んでいた。
最近、覚えのないことが起きている。
いつのまにか、自分が血の湖の中心に立っているのだ。
いつ、誰が、何で。周りを見回しても誰も居ない。
自分の服や刀を見てみると血がベットリと付着していた。
誰でもない、自分自身が、こんなことをやったのだ。
しかし記憶にない。
いつのまにか、こうなっていた。今も、服に鮮血がついていた。
名無しさんは、自分自身のことが怖くなっていた。
見に覚えの無い残虐な虐殺。
冷たい血。どうして、こんなこと。
病院に行こうかとも思った。
しかし、ヒーローである自分が夢遊病、もしくは精神が狂い始めただなんて世間に広まったらヒーロー全体に影響がでるだろう。
気軽に病院へはいけない。
「いッ……!!」
目の奥をえぐられたかのような痛み。ついに倒れこんでしまう。意識はギリギリ繋いであるままだ
「迎えに来たよ」
「!?」
後ろから、聞き覚えの無い声。
ドアが開いている。
かすんだ視界では誰だか確認できないが、知り合いではない。
刀を握ろうとしたが、上手く持てない。
「……あぁ。そろそろだね、もうすぐだ」
ダメだダメだ!気を失ってはダメだ!そうは思っていても意識の糸はもう切れる。
ゴト・・・と優しい音をたて名無しさんは気絶してしまった。
白衣を着た男はそんな名無しさんを見る。
少しも動かないことを確認してから名無しさんを持ち上げた。
「おまたせ、皇鬼君」
抱えた名無しさんの前髪をどかし、額に生え始めたわずか一センチほどの突起を見てそう呟いた。
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