私のお兄ちゃんがこんなにもかっこいい!!
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「荷物ここに置いとくな」
「ありがとう」
本当はせっかくこっちへ帰ってきたのだから外食にしようと思っていたのだが、四人が家へ帰りますと言ったのとゆっくりしたいと彼女が言うので家で夜ご飯にすることとなった
ちなみに家は家でも実家ではなく名無しさんの家である
妹がここで泊まりたいと言ったので、妹の頼みが中々断れない名無しさんは承諾した
そして明日、名無しさんは協会へ用事があるというと付いていきたいと
とくに大事な話し合いがあるわけでもないのでこちらもオッケーした
妹は部屋を歩き回っていた
「ここがお兄ちゃんのお家かー!」
ハタから見れば部屋を見ているだけだが、彼女はコッソリと
「(とりあえず女の気配はないみたいだな・・・)」
ただ単に名無しさんに悪い虫が寄り付いていないかチェックしているだけであった
明日のヒーロー協会へ着いて行くのだって、他に兄に変な奴が寄り添っていないか確かめるだけであった
可愛くって強くて何でもできて頼りになる自慢なお兄ちゃん
そんな兄のためなら何だってできる
物心がついた時から彼女はそう強く思っていた
兄が用意してくれた夜ご飯を共に食べる
普段一人での夜が多い名無しさんは妹と一緒にご飯を共にすることは嬉しいようだ
様々な話をする
「そういえばお兄ちゃんさ」
「ん?」
「ガロウ君とは今どうなの?」
笑顔で聞く
その裏には大層でかい怪物が潜んでいることを名無しさんは知らない
「あー・・・ミユはそっか知らなかったか。ガロウとは中学でそれっきり連絡も取り合ってないんだよなぁ」
「そうなの!」
飛びっきりのスマイルである
彼女にとって唯一の邪魔者がガロウという存在であった
泣き虫で気弱なクセに兄に纏わりつく金魚の糞
そいつのせいで我が愛しい兄は自分と遊んでくれる機会が減ったのだ
更に気にくわなったのが名無しさんもガロウのことが大好きであったこと
一回だけ、ガロウと言い合いになった所を兄に見られてしまったことがある
そこで兄は当時の彼女には信じられなかった、自分を注意したのであった。ガロウではなく、この自分を
一体兄はガロウのどこがそんなに大好きであったのか、時間が経った今でもわからぬことである
今もまだ仲良くしているというのなら、消そうと思っていたのだが連絡すら取っていないのならまぁ許してやろう
「今何してるんだろうな!会いたいな」
いや、やはり彼を見かけ次第社会的に消してから肉体を消してやろう
最後の唐揚げを口に入れ、咀嚼しながら考えた
今日の名無しさんの仕事は報告書作成と、被害者へのお見舞いであった
お見舞い、といっても軽い怪我で済んだのだが
まぁ要するにアフターケアとどうやって怪人が現れたのかを聞くのである
隣に妹を連れて協会へ入るとやはりザワリとした耳打ち話や小さい声が広がる
また騒動にならないうちに妹だということを大々的に公表しなければ
ロビーには昨日、共に怪人討伐をしたスティンガーが先にいた
もちろん今回の報告書作成も一緒にやらなければならない
「待たせたなスティンガー」
「おいおい遅せぇぞ名無しさんートイレで・・・」
スティンガーがこちらへ振り返るや否や、一瞬で顔を青ざめた
まるで、幽霊のような未知なものを見てしまったように
「え、あ、なんで・・・」
「?。いやぁ、協会内を見たいっていうからさ」
「昨日ぶりですねスティンガーさん」
決して崩さぬ笑顔で挨拶をする
まさか昨日の今日でまた出会うことと思わなかったスティンガーは口を引きつらせた
後ろは崖で、目の前に森のボスの虎がいるように
実際後ろの崖はやらなくてはいけない避けては通れない仕事で、虎は彼女だ
逃げ出すことはできない。死なないためには崖へ飛び込むしかないが、虎がそこまで追いかけてきそうである
「どうしたんだよスティンガー、具合悪いのか?」
心配してくれる名無しさん
名無しさんは味方になってくれるのか敵になるのかがわからない
敵、という言い方はおかしいが兄絶対主義な彼女にとって下手に、いつものように名無しさんと関わるのは一番恐ろしいことであった
もういっそこのまま体調が悪いことにして帰ってしまおうか
「今、スタッフに言ってくるからちょっと待ってろ」
名無しさんがカウンターへと向かう
すると、笑顔であった妹はスッと冷めた表情になり
「は?あんたお兄ちゃんの仕事増やすわけ」
「名無しさんさんごめんなさいめっちゃ俺元気でぇーーーーす‼‼仕事したいです‼」
そう言うものだから、名無しさんはカウンターのスタッフに話しかけようとしていたのをやめこちらに戻ってきた
スティンガーの顔色を伺う
「本当に大丈夫か?遠慮すんなよ、一人でもできる仕事だし」
「いえいえそんな滅相もございません‼名無しさんさんにご迷惑おかけするには!」
「お前本当に大丈夫か?」
彼女は、それでいいんだ、とばかりに笑顔に戻っていた
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