過去のライバルは今の味方。まぁお前は別にライバルじゃなかったけどな!
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今後の安全地帯の拡大促進の話し合いにA級ヒーローへと協会からお願いがきた
人数は集まらず、六人ほどしかいない
せっかく俺が召集をかけたのにっ・・・!と蛇咬拳のスネックはテーブルに両手をついて震えていた
総勢四十名いて、全員に連絡を回したはずなのにこれしか集まらなかった
理由は様々あるだろう。忙しい、用事がある、面倒くさい
重要な話し合いにみえてそれほどでもないことはみんなわかっているから人数がこれしか集まらなかったのだ
安全地帯の拡大、といっても怪人がでるホットゾーンはZ市の一部であるしQ市はS級である番犬マンが守っている
協会側も「できたらお願いねー」程度なのである
これは地帯を広げることが主体ではなく市民への平和活動アピールのほうが協会の狙いであることはみんな薄々気づいていた
そんな中集まった六人
一人はすっかりやる気が失われているが
そんなスネックに肩を叩くものがいた
「その・・・元気だせ。確かにいないものはたくさんいるが、決してお前のせいじゃない」
「あぁ・・・ありがとうイアイアン・・・」
「そうだぜスネックさん!いない人のぶんまで俺頑張るし」
「ありがとう・・・名無しさん・・・」
人間不信に陥る寸前のスネックは優しさの温かみを思い出した
「さ!みんな早く会議始めようぜ。とりあえず資料はあるみたいだから・・・はい」
当然一位のアマイマスクは来ていないため、二位である名無しさんが仕切ることとなる
こういうことは本当はスネックのほうが向いているが生憎彼は人間の優しさに触れたものの立ち直るのは少し時間が要りそうであった
名無しさんが資料を一人ずつに配り終える
若いながらに名無しさんは堂々とみんなの前で喋り始めた
「まず一ページ目を開いてください。こちらはまず協会が考案した設計となっています。一による場合あ、あい・・・あいお・・・?」
「そうおう、だな」
「う゛っ。い、いや読めたし!」
「本当か?」
「読めたよ!!わ、わざとだし・・・」
「それじゃあこの前の可笑しいを”かしょしい”って読んだのもわざとか」
「イアイのバカー!!言うなよ!!」
名無しさんはイアイアンの頭を小突いた
イアイアンは笑っている
話し合い中でもこの二人の仲の良さは目立つ
スネックがそんな二人を遠めがちにみた
そしてふと思う
「お前らって、いつから仲良くなったんだっけ?俺が知る限りではいつのまにか仲良くなっていたな」
まるで幼馴染みたいだな、とスネックは言う
実はA級になった当初、研修の名無しさんについていたのはスネックだったのだ
だが、この二人が仲良くなった経緯は知らない。記憶ではいつのまにかこの二人が廊下で楽しそうに喋っていたぐらいだ
名無しさんとイアイアンがそんな言葉に二人で目を合わせた
首をかしげたのは名無しさんであった
「ええと・・・なんだっけ・・・。確か怪人を倒すので仲良くなった気がする」
割とすごく仲がいい人との出会いは覚えていないものである
幼馴染だって、出会いは覚えているだろうか
そう、本当に”いつのまにか”なのである
いつのまにか、相手が隣にいることが当たり前になってしまっているのだ
名無しさんは記憶を搾り出そうとするも、中々出てこない
「・・・そうだな。人質になった名無しさんを助けたのがきっかけだ」
「あー!!そうそう」
「へぇ・・・あの名無しさんさんが人質になってしまったことがあるんですね」
グリーンが驚いた調子で言った
「確かそうだった!俺はあんまり覚えてねーけど。元々イアイのことはやっぱA級だったし知ってたんだよ。凄腕の剣士って。すごい人だなぁ、っていうのが第一印象」
「俺はちみっこい奴だな、っていうのが第一印象だったな」
またしても名無しさんがイアイのことを小突く
イアイアンは仕返しに名無しさんへデコピンをした
・・・嘘、ついてしまったな
イアイアンは思う
引き出しの奥へ手を伸ばすように名無しさんと自分との出会いが思い出された
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