ニュースでチロッと映っただけで、有名人気取りするやつ
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しばらく生活が安定してから夢を見るようになった
何度も何度も儚く消え、零れ落ちるようなあいつらの命が奪われる夢
俺は傷だらけで痛くて何もできなくて
ただただその一部始終を傍観していることしかできない
あいつらが命を奪われるのにも関わらず俺に必死にその奪うやつの顔を伝えようとしてくれる
白い霧に覆われていて陽炎のようなそいつに手を伸ばすも
―あぁ、届かない見えない
「おーい、ボロス?」
目を開けたらそいつの顔ではなく名無しさんの顔があった
そういえば少し眠ってしまったのだったな
ゆっくりと起き上がりメガネを探す
同時にくる安心感と少しの失望感
別に名無しさんの顔が見れたことは嬉しいし喜ばしいこのなのだが
・・・俺はもしあいつらの命を残酷に、残虐に奪ったそいつを見つけたところでどうしたいんだろうか
復讐とか暴力とかそんなものはとうに名無しさんと出会ってから捨てたはず
はず、なんだ
そんなことは俺も、何より名無しさんが望んでないからそんなことはしない
でも抑えようと思っても胸の底にあるアツい塊のような怒りは消えなくていつか溶けてあふれ出してしまいそうだ
「どうしたんだよそんな険しい顔して。怖い夢でも見たのか?」
「・・・いや、なんでもない」
そんな感情も名無しさんなら止めてくれると、縋るように抱きつく
この人間特有の温かさと鼓動音が胸の底にあった塊を少しずつ削ってくれているような気がした
「おーいー、はーなーせー!」
「嫌だ」
「はぁ・・・。ちょっと銃の手入れしに帰ってきただけなのに」
なんだかんだ言って甘えさせてくれる名無しさんに遠慮なく身をあずける
今のこんな平和で日常な毎日がたまらなく愛おしい
前の俺だったら考えもしなかったことだ
毎日奪い亡くし消失してたあの頃とは大違いだ
こんな幸せな日々を俺自身の手で壊すわけにはいかない
この、何もかも奪ってしまった拳で
もしも名無しさんが誰かに奪われて、失ってしまったらと思うだけで全身の毛が逆立つ
だが自分はこれと同じことをやってきたんだ
背徳感と後悔と日常の幸せの波に揺れながらもう一回瞼を閉じた
「ん、寝るのか。やっぱ疲れたまってるんだな。おやすみ」
「あぁ、おやすみ。名無しさん」
今度はあんなまどろっこしい夢を見ずに名無しさんの夢でも見たいものだ
何度も繰り返されたこの光景
もう夢だと理解できるのは遅くない
何とか俺に伝えようと必死に俺にテレパシーを送ってきた
絶命してまだ意識がある8秒間の間に送ってくれた言葉は
「生かす価値がない・・・こいつらは悪だ。速やかに正義を執行したまでさ」
無の感情でそう言い放つそいつの顔は今までより少しハッキリ見える
あと少し。あと少しだけでいいから霧が晴れてくれ
「・・・ロ、ス?ボロス?」
「・・・っ!!」
「大丈夫か?何か苦しそうだったけど」
眉を下げて心配そうに俺を見つめる名無しさんにまたか、と思ってしまった
あと、もう少しだったのに
名無しさんの肉声の声とテレビから聞こえる音声が混ざり少し混乱する
落ち着かせようと眉間を抑えてみるが効果はないようだ
ちょっと時間が経って軽い深呼吸をしたら
【そうですね・・・ヒーローとして大切なのは速やかに悪を排除し、正義を執行することです】
「あー・・・アマイマスク今C市で生放送やってるんだ」
名無しさんの声よりも無機質みたいな声にメガネをはずそうとする手を止めた
聞き覚えのある声と言葉
そして今までより少しハッキリと見えたその顔に
「――・・・こいつだ」
「え?ってボロス!?どこ行くんだよ!?」
気づいたら、外へ出ていた
何度も何度も儚く消え、零れ落ちるようなあいつらの命が奪われる夢
俺は傷だらけで痛くて何もできなくて
ただただその一部始終を傍観していることしかできない
あいつらが命を奪われるのにも関わらず俺に必死にその奪うやつの顔を伝えようとしてくれる
白い霧に覆われていて陽炎のようなそいつに手を伸ばすも
―あぁ、届かない見えない
「おーい、ボロス?」
目を開けたらそいつの顔ではなく名無しさんの顔があった
そういえば少し眠ってしまったのだったな
ゆっくりと起き上がりメガネを探す
同時にくる安心感と少しの失望感
別に名無しさんの顔が見れたことは嬉しいし喜ばしいこのなのだが
・・・俺はもしあいつらの命を残酷に、残虐に奪ったそいつを見つけたところでどうしたいんだろうか
復讐とか暴力とかそんなものはとうに名無しさんと出会ってから捨てたはず
はず、なんだ
そんなことは俺も、何より名無しさんが望んでないからそんなことはしない
でも抑えようと思っても胸の底にあるアツい塊のような怒りは消えなくていつか溶けてあふれ出してしまいそうだ
「どうしたんだよそんな険しい顔して。怖い夢でも見たのか?」
「・・・いや、なんでもない」
そんな感情も名無しさんなら止めてくれると、縋るように抱きつく
この人間特有の温かさと鼓動音が胸の底にあった塊を少しずつ削ってくれているような気がした
「おーいー、はーなーせー!」
「嫌だ」
「はぁ・・・。ちょっと銃の手入れしに帰ってきただけなのに」
なんだかんだ言って甘えさせてくれる名無しさんに遠慮なく身をあずける
今のこんな平和で日常な毎日がたまらなく愛おしい
前の俺だったら考えもしなかったことだ
毎日奪い亡くし消失してたあの頃とは大違いだ
こんな幸せな日々を俺自身の手で壊すわけにはいかない
この、何もかも奪ってしまった拳で
もしも名無しさんが誰かに奪われて、失ってしまったらと思うだけで全身の毛が逆立つ
だが自分はこれと同じことをやってきたんだ
背徳感と後悔と日常の幸せの波に揺れながらもう一回瞼を閉じた
「ん、寝るのか。やっぱ疲れたまってるんだな。おやすみ」
「あぁ、おやすみ。名無しさん」
今度はあんなまどろっこしい夢を見ずに名無しさんの夢でも見たいものだ
何度も繰り返されたこの光景
もう夢だと理解できるのは遅くない
何とか俺に伝えようと必死に俺にテレパシーを送ってきた
絶命してまだ意識がある8秒間の間に送ってくれた言葉は
「生かす価値がない・・・こいつらは悪だ。速やかに正義を執行したまでさ」
無の感情でそう言い放つそいつの顔は今までより少しハッキリ見える
あと少し。あと少しだけでいいから霧が晴れてくれ
「・・・ロ、ス?ボロス?」
「・・・っ!!」
「大丈夫か?何か苦しそうだったけど」
眉を下げて心配そうに俺を見つめる名無しさんにまたか、と思ってしまった
あと、もう少しだったのに
名無しさんの肉声の声とテレビから聞こえる音声が混ざり少し混乱する
落ち着かせようと眉間を抑えてみるが効果はないようだ
ちょっと時間が経って軽い深呼吸をしたら
【そうですね・・・ヒーローとして大切なのは速やかに悪を排除し、正義を執行することです】
「あー・・・アマイマスク今C市で生放送やってるんだ」
名無しさんの声よりも無機質みたいな声にメガネをはずそうとする手を止めた
聞き覚えのある声と言葉
そして今までより少しハッキリと見えたその顔に
「――・・・こいつだ」
「え?ってボロス!?どこ行くんだよ!?」
気づいたら、外へ出ていた
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