いつだって欲しいものは手に入れてきたはずなのに
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盗賊を始め、欲しいものはすべて手に入れてきた
星を滅ぼして手元に残る宝の数々に満足していた
手こずる・・・というわけでもないが実力を認めた星の者は部下にもした
いつのまにか船にはたくさんの宝と船員でたくさんとなる
玉座ともいっていい椅子に座り静かに今まで手に入れてきた数々をみる
それは自分を高めることでもあった
自分の力が改めて強大なことに自然に笑みが浮かんでしまう
次に手に入れられるものは何だろうか
高鳴るかすかな鼓動に身体に力が入る
次へと着陸する星を船から見た
着陸まであともう少し
その星は、とても綺麗であった
周りの暗さとは正反対に水色の星は輝いている
あまりにも、綺麗であったものだから暫しの間その星を眺めていて時間が経つのも忘れていた
気づいたら星はもう目の前であった
「ボロス様、着陸のご準備を」
「・・・あぁ」
自分がこの綺麗な星の中に入るのが実感が湧かなくて
この星に着陸するんだなと自覚が戻り始めたのは声をかけられてからであった
この綺麗な星からどんなものが手に入り、己を高めてくれるのか
久しぶりに胸がかすかに高鳴るようであった
船が着陸し綺麗な星の地へと足を踏み入れる
目を細めてしまうほど、目の前には点々と光の球が浮かぶ湖が広がっていた
一旦目を閉じ、あまりにも綺麗すぎる世界を遮断した
自分には眩しすぎたのだ。この星は
目をゆっくり開けば変わらない輝く世界
だが一旦世界を遮断すれば自分の心が入れ替わったかのようにすっきりと清々しい気持ちとなっていた
先ほどまでは感動が身体を動かしてくれなかったが今はどうだろう
この綺麗な星が、世界が、自分の物に
両腕を広げ、さぁ始まりだ
おそらく一回光が沈んだような気がする
そうしてまた光が星を包み辺りが明るくなって湖に浮かぶ光の球は輝きを取り戻す
耳には聞き覚えのある声しか聞こえない
足元に転がる動かない肉体を視界に入れずただただ目前にある建物しか入らなかった
作られた物で自然と匹敵するほどに綺麗な建築物
荒らされていない場はここだけ
ここを制圧すればこの星の侵略は済んだものである
長年の経験でわかるがここにはこの星の親玉が鎮座している
躯を蹴り捨てるよう、その建築物へと足を踏み入れた
ガラスを踏むかのような床を砕くかと思うほどに一歩、また一歩進んでいく
向かいかかってくる軍隊など視界の端にも入らない
目指すのはただただ頂点のみ
「来たか」
頂点へとたどり着き、奥に見えるのはおそらく親玉で正解だろう
二つの目に額にはもう一つ目があり肌は世界が違うように白かった
さぁ、最後の開戦だ
こいつははたして俺を楽しまさせてくれるだろうか
「・・・久々に、マントが汚れたな」
白い男は地に伏せもう動くことはなかった
少しだけ骨のある男であったが楽しませてくれるほどではなく呆れの息が出る
しかしまぁ、この綺麗な星の綺麗なものを略奪できて胸には満足感が満たされそうになっているのは認めよう
最後にこの厳重に封鎖されている扉を壊してから
男が座っていた椅子の後ろにはこの輝く場に似合わない扉が異世界のように聳え立っていた
ここまで厳重にしているとは、中にはきっと莫大な物を隠しているとしか思えない
拳を握り、その扉を破壊する
降り注ぐ扉の破片がすべて地へと降りるまで暫し待ち中へと踏み入れる
中は暗く、光輝く物すらもない
中央に一人、誰かが座っているだけであった
「・・・」
「・・・」
他には何も無い。中央にいた生物は自分を見つめている。
俺もそいつを見つめた
何故だろうか。目を奪われるのは
この綺麗な星でそいつの瞳が一番、綺麗だと本能的に思う
本能的にこいつが欲しいと、欲望の手が伸びた
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