ハッピーバースディ! プレゼントは俺
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「う、うーん・・・」
名無しさんは普段はあまり開かないパソコンの電源を入れ、様々な情報があらゆるところに飛び交っているネットへと頭を悩ましていた
詳しく言えばネット通販
そこには色々なゴルフクラブが映し出されている
実は今日から一週間後、親友であるイアイアンの誕生日であった
名無しさんはそのためのプレゼントを選んでいるところだ
ゴルフが趣味、といっていたのでプレゼントにゴルフクラブをプレゼントしたら喜んでもらえるのではないかと思い調べている最中だ
どうせなら良いものをあげたい
しかし、問題は値段である
当然質が良いものは高い。最低でも十万ラインだ
正直に言えば名無しさんの稼ぎと、背景にある環境でそれぐらいは余裕で買えるものであった
しかしあまりにも高いものを買ってしまうと遠慮されてしまうし貰った後味も悪いし、何よりも相手にプレッシャーをかけてしまうだろう
堅真面目なイアイアンなら尚更の話だ
しかし普通に買える値段のものだともしかしたら既に持っているのかもしれない
イアイアンもA級3位。それなりの稼ぎは持っているものだ
名無しさんは特にゴルフに詳しいわけでもないし一緒に行ったこともない
だから彼がどのクラブを持っているのか知らなかった
イアイアンは優しい。きっとプレゼントされたものが既に持っていたとしても自分の好みでなかろうと喜ぶであろう
しかしせっかくの誕生日だ。普段お世話になっているし、一緒にいてくれている
心の底から喜んでもらいたい
頭を抱えため息を吐いた
その日はそのままパソコンの電源を切らずに寝た
「なーイアイ。俺にゴルフ教えてくれよ」
「唐突だな」
「いや、いつもイアイ楽しそうだから少し興味があって」
「本当か。それなら喜んで教える」
次の日名無しさんはいつも通りいつものメンバーといた
そして一層のこと一緒に行って情報を集めようと思ったのだ
イアイアンはゴルフはヒーロー仲間とは別の人たちと行っているらしい
名無しさん達は一度もイアイアンとゴルフをしに行ったこともないし、その姿も見たことがなかった
趣味というものはやはり興味から始まるものだ
趣味を共通できるというものは興味を共通できるし、すなわち感情も共通できるということである
自分の趣味を相手に強要したって何も面白くないのは当然だ
だからイアイアンは名無しさん達を一回も誘ったことがないのである
そして今回名無しさんが自分の趣味に興味を持ってくれたのが嬉しいことがその表情から伺えた
「そうだな、まず始めにセットで買ってしまったほうが楽だと思うんだが・・・その場合はテーラーミードかナエキがおすすめだな。それに名無しさんのことだから上達も早そうだからキャロンのビッグビーサとかヤマイとかのゴルフクラブなんかもいいと思うぞ。他にも・・・」
「ほほぉ・・・」
一応返事はしたが内容はカタカナばかりで全然頭に入ってなかった
それでも趣味について熱心に語るイアイアンには微笑ましさが見えた
「あっ、す、すまない一人で勝手に喋ってしまって」
「いやいいよ!それより予定どうするか」
「そうだな・・・。この後約束してるのが二週間後の土曜なんだが、空いてるか?」
「えっ」
しまった、まさかの事態
もう誕生日まで一週間を切っている
二週間後では全然間に合わないではないか
いや、よくよく考えれば当たり前だ
急にゴルフへ連れて行ってくれと言ってもすぐに行けるわけがない
頭の弱い名無しさんはそんなこと考えておらず、むしろ良いアイディアと思ってしまっていた
自分の脳の小ささを恨む
「予定あったか?」
「い、いや大丈夫・・・」
これでまた振り出しに戻ってしまった
いやもうゴルフ関連の商品をプレゼントするのは諦めよう、別の物にしよう
そう考えつつ話を聞いていた
時計の針が進んだ頃、イアイアンが別で用事があるとのことでこの場から離れた
隣でラーメンの話をしていた三人へと話しかける
「なー、イアイの誕生日プレゼント何買った?」
「俺腕時計買ったー!結構いいやつなんだぜ!!」
自慢げに話すのはスティンガーであった
成る程、腕時計とはいいセンスをしている
「俺、寺のジオラマのやつ。自分で組み立てる的な」
コーヒーを飲みながら答えてくれたのはゲンジだ
寺のジオラマとは新しいしいかにもイアイアンが喜びそうだ
しかも上級なプレゼントセンス
大人なセンスに名無しさんは尊敬の目でゲンジを見ていた
「まだ買ってはないんだけど、スニーカーにしようかなって思ってる」
イナズマックスが手を頭の後ろに組んで背もたれによっかかった
手を口元に当てて名無しさんは考える
そうか、スニーカーか
イナズマックスは靴屋をよく巡っている
ならば絶対と言っていいほど良いスニーカーをプレゼントできるだろう
それにスニーカーならば数多く持っていても無駄にはならない
自分の好みからプレゼントを選ぶ、それも良い考えだ
しかし結局参考に聞いてみたがイアイアンへのプレゼントは決まらなかった
そしてそのまま流れでラーメン屋に行くこととなる
その間も名無しさんはずっとイアイアンへのプレゼントで、涎が出てしまいそうなほど匂いを外へ出すラーメン屋の前でも頭がたくさんであった
赤い暖簾を潜り狭い店内へと四人で座る
名無しさんは横に設置してある横長の本棚に気づく
ラインナップは一昔前の少年漫画だったり週が過ぎた週刊漫画、報道雑誌など店主の好みが初対面ながらわかるものであった
そこでとある一角に気づく
「あっあーーそれだ!!」
突然叫びだした名無しさんに三人は肩を跳ねさせて驚くし、店主は湯切りしていた麺を落とすところだった
名無しさんはすっかり悩みが解消されたようでスッキリとした顔で席に座る
「てんちょー!俺豚骨ラーメンで脂多めで!」
「ヘ、ヘイ!!」
今日は静かであった名無しさんが突然ご機嫌になり三人は変な目で名無しさんを見ていたが、おかしかったのはいつものことだったので気にしないことにした
名無しさんは麺が見えないほど白濁のスープのラーメンを美味しそうに食べていた
その日名無しさんは帰ったら胃もたれで寝れずじまいであった
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