僕の言うことは絶対。逆らうなんて許さない
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※ヤンデレ注意
ある日、奇妙なものを見つけてしまった
それは私が部活で遅くなってしまい近道である森のようなところを通った
静かな夜は鳥のかすかな鳴き声や葉が擦れる音もしっかりと鼓膜へ届く
だから、この声に気づいてしまった
低い呻く声に
足は自然にそちらへ向いてしまう
怖さと恐ろしさがあったものの心底にある興味心に身体は勝てなかった
ローファーが地面に当たる音と呻き声が合わさるとさらに夜を暗くさせるようだ
「ヒッ・・・!?」
そこにいたのは小さく動く物体がいた
下半身は膝ぐらいまでしかなく、腕も一本しか生えていない
鼻を通す焦げたかのような臭いに、火傷をしているのだと思った
まだその物体は動いていてもがいている
叫ぶ暇もなく、家へと全速力で帰っていた
ベットの中で震え寝よう、寝ようと脳へ必死に呼びかける
結局寝れたのは深夜の三時ぐらいだった
次の日、あれは夢だったのか、現実だったのか確かめるためにまた見にいった
すると、その物体は
「・・・誰だ、」
「あ・・・あ、」
完全に物体ではなく、人型になっていた
あきらかに怪人だということはわかった。全身真っ黒な火傷の姿に人間とは思えないデカさ
何より――目と思われるものが一つしかない
その怪人は人型にはなったものの、昨日と体制は変わっていない
動けないのだろう。おそらく
ここで何故私がヒーローを呼ばなかったのかというと、可哀想だと思ってしまったからだ
火傷だらけのこの怪人が、一人で苦しむこの姿の怪人が
けれど、そんな同情なんてしなければ、大人しくヒーローを呼んでいれば
こんなことにはならなかったのかもしれない
「ボロス、来たよ」
「名無しさん」
あれからというもの、私とボロスは仲良くなった
ボロスは日を追うごとに回復していき、やがて今のごつごつとした姿に戻ったようである
今は完全に動けるようであったし元気そうだ
ボロスは人に見つからないよう木々の奥で暮らしている
これは私が言ったことだ
せっかく助かった命だ。人に・・・ヒーローに見つからぬよう過ごせば何事もなく生きていけるはず
本当は家で居候させてあげたい気持ちがいっぱいいっぱいであったが、生憎私は高校生
当然両親もいるし、弟妹だっている
うちで住まわせるのは絶対に無理だ
だから仕方なくここで暮らしてもらいいている
なるべく不便がないように様々な物はもっいってあげてるが
それは食べ物であったり、日用品であったり
初めての物ばかりでボロスは驚くことばっかりだった
そのうろたえる姿には思わず笑ってしまう
段々と距離を縮めるにつれてボロスも自分のことを話してくれるようになった
なんとボロスは歴史的とも言えるA市崩壊の頭目なのだと
それでも私はボロスのことを受け入れた。受け入れてしまった
優しく彼に触れると、同じように彼も私に優しく触れてくる
柔らかに話せば、彼も同じように柔らかに話してくれる
きっとボロスは知らなかったのだ
様々な優しさを。誰も教えてくれなかったのだと思う
だから今からでも遅くはないと、そう言った
「・・・もっと早くに名無しさんと出会って、こうして普通に過ごす道もあったのだと知っていればよかった」
聞けばボロスは後少しの間しか生きられないのだそう
寿命を削ってまで戦ったことが今更になって後悔するなど、前の俺に言ったら信じられないだろうな。とボロスは微かに笑った
その微かな笑顔に胸が苦しくなった
自分より遥かに大きいボロスの頭を立ち上がって撫でる
ボロスは驚いた表情を一瞬見せたが、すぐに解けたかのように笑って私を見た
「残り少ない命の時間を、少しでも名無しさんと共有していたい。きっと俺は死んで後悔することはわかっているから、せめて、幸せだったといえる時間がほしい」
ボロスは私の腰に腕を回して抱きついてきた
体温のない身体に驚いたが、私もボロスの首へ腕を回し抱きしめた
後少ない命を精一杯楽しませてあげよう。私に出来る限りのことはしてあげよう
たとえ怪人だと、宇宙人だとしても誰だって心に隙間はあるものだ
それを埋めることがただの人間である私にできるだろうか
・・・いや、やってあげよう
せめて、ボロスがあの世へ行ってしまっても「幸せだったぞ」と言わしてあげたい
「名無しさんは明るい時何してるんだ?」
「学校に行ってるよ」
「学校?」
「そう。いろんなことを学ぶ場所だよ。人間は無知だから様々な知識を身につけないと生きてけないの」
「そうなのか」
「うん、そうなの」
まだボロスとは暗い時間にしか会ったことがない
平日は学校があるし、休日も何かしら予定が立て込んでしまっている
暗い世界でしかボロスを見たことがない
それでも、月夜に照らされるボロスは圧倒的存在感を放ち綺麗だと思った
ボロスは私を見つめた後視線を違う方向にして変わらない声色で言う
「・・・そんなのに行かないで、俺に会うことはできないのか?」
「ごめんね。できないの」
「何故だ?」
「行かなきゃいけないっていうルールがあるからだよ。自分で選んだ道だから最後まで突き通さないと怒られちゃう」
「誰に怒られるんだ?」
「先生っていう教えてくれる人」
「怒られるのは嫌か」
「そうだね。怒られるのは嫌かな」
「・・・」
ぽつり、ぽつりと言葉を落としていくボロス
その言葉にすべてノーという返事しかできなかった
なるべくボロスの言うことは聞いてあげたいけど私には私の生活があって、それを変えることはできない
だから「ごめんね」としかボロスに言えなかった
ある日、奇妙なものを見つけてしまった
それは私が部活で遅くなってしまい近道である森のようなところを通った
静かな夜は鳥のかすかな鳴き声や葉が擦れる音もしっかりと鼓膜へ届く
だから、この声に気づいてしまった
低い呻く声に
足は自然にそちらへ向いてしまう
怖さと恐ろしさがあったものの心底にある興味心に身体は勝てなかった
ローファーが地面に当たる音と呻き声が合わさるとさらに夜を暗くさせるようだ
「ヒッ・・・!?」
そこにいたのは小さく動く物体がいた
下半身は膝ぐらいまでしかなく、腕も一本しか生えていない
鼻を通す焦げたかのような臭いに、火傷をしているのだと思った
まだその物体は動いていてもがいている
叫ぶ暇もなく、家へと全速力で帰っていた
ベットの中で震え寝よう、寝ようと脳へ必死に呼びかける
結局寝れたのは深夜の三時ぐらいだった
次の日、あれは夢だったのか、現実だったのか確かめるためにまた見にいった
すると、その物体は
「・・・誰だ、」
「あ・・・あ、」
完全に物体ではなく、人型になっていた
あきらかに怪人だということはわかった。全身真っ黒な火傷の姿に人間とは思えないデカさ
何より――目と思われるものが一つしかない
その怪人は人型にはなったものの、昨日と体制は変わっていない
動けないのだろう。おそらく
ここで何故私がヒーローを呼ばなかったのかというと、可哀想だと思ってしまったからだ
火傷だらけのこの怪人が、一人で苦しむこの姿の怪人が
けれど、そんな同情なんてしなければ、大人しくヒーローを呼んでいれば
こんなことにはならなかったのかもしれない
「ボロス、来たよ」
「名無しさん」
あれからというもの、私とボロスは仲良くなった
ボロスは日を追うごとに回復していき、やがて今のごつごつとした姿に戻ったようである
今は完全に動けるようであったし元気そうだ
ボロスは人に見つからないよう木々の奥で暮らしている
これは私が言ったことだ
せっかく助かった命だ。人に・・・ヒーローに見つからぬよう過ごせば何事もなく生きていけるはず
本当は家で居候させてあげたい気持ちがいっぱいいっぱいであったが、生憎私は高校生
当然両親もいるし、弟妹だっている
うちで住まわせるのは絶対に無理だ
だから仕方なくここで暮らしてもらいいている
なるべく不便がないように様々な物はもっいってあげてるが
それは食べ物であったり、日用品であったり
初めての物ばかりでボロスは驚くことばっかりだった
そのうろたえる姿には思わず笑ってしまう
段々と距離を縮めるにつれてボロスも自分のことを話してくれるようになった
なんとボロスは歴史的とも言えるA市崩壊の頭目なのだと
それでも私はボロスのことを受け入れた。受け入れてしまった
優しく彼に触れると、同じように彼も私に優しく触れてくる
柔らかに話せば、彼も同じように柔らかに話してくれる
きっとボロスは知らなかったのだ
様々な優しさを。誰も教えてくれなかったのだと思う
だから今からでも遅くはないと、そう言った
「・・・もっと早くに名無しさんと出会って、こうして普通に過ごす道もあったのだと知っていればよかった」
聞けばボロスは後少しの間しか生きられないのだそう
寿命を削ってまで戦ったことが今更になって後悔するなど、前の俺に言ったら信じられないだろうな。とボロスは微かに笑った
その微かな笑顔に胸が苦しくなった
自分より遥かに大きいボロスの頭を立ち上がって撫でる
ボロスは驚いた表情を一瞬見せたが、すぐに解けたかのように笑って私を見た
「残り少ない命の時間を、少しでも名無しさんと共有していたい。きっと俺は死んで後悔することはわかっているから、せめて、幸せだったといえる時間がほしい」
ボロスは私の腰に腕を回して抱きついてきた
体温のない身体に驚いたが、私もボロスの首へ腕を回し抱きしめた
後少ない命を精一杯楽しませてあげよう。私に出来る限りのことはしてあげよう
たとえ怪人だと、宇宙人だとしても誰だって心に隙間はあるものだ
それを埋めることがただの人間である私にできるだろうか
・・・いや、やってあげよう
せめて、ボロスがあの世へ行ってしまっても「幸せだったぞ」と言わしてあげたい
「名無しさんは明るい時何してるんだ?」
「学校に行ってるよ」
「学校?」
「そう。いろんなことを学ぶ場所だよ。人間は無知だから様々な知識を身につけないと生きてけないの」
「そうなのか」
「うん、そうなの」
まだボロスとは暗い時間にしか会ったことがない
平日は学校があるし、休日も何かしら予定が立て込んでしまっている
暗い世界でしかボロスを見たことがない
それでも、月夜に照らされるボロスは圧倒的存在感を放ち綺麗だと思った
ボロスは私を見つめた後視線を違う方向にして変わらない声色で言う
「・・・そんなのに行かないで、俺に会うことはできないのか?」
「ごめんね。できないの」
「何故だ?」
「行かなきゃいけないっていうルールがあるからだよ。自分で選んだ道だから最後まで突き通さないと怒られちゃう」
「誰に怒られるんだ?」
「先生っていう教えてくれる人」
「怒られるのは嫌か」
「そうだね。怒られるのは嫌かな」
「・・・」
ぽつり、ぽつりと言葉を落としていくボロス
その言葉にすべてノーという返事しかできなかった
なるべくボロスの言うことは聞いてあげたいけど私には私の生活があって、それを変えることはできない
だから「ごめんね」としかボロスに言えなかった
1/2ページ