82発目
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用事も終わり、名無しさんはサイタマの家へ急ぐ
だがサイタマの家へ近づくに連れてあたりがあれている様子に首をかしげる
地面はえぐれているし、コンクリートは砕け散り、街灯が一つ壊れているではないか
危ないなぁ、と街灯を見つめながら歩いていると足元に何かがあたった
何かと見てみれば、
「うわっソニック!?」
ソニックが寝っ転がっていた
気を失っているらしく名無しさんが声をかけても反応は見せない
ついにソニックの肩を掴み上半身を起こして、揺らした
「おーいソニック起きてってばー」
こんなところで寝ていては風邪を引いてしまう
それに不審者みたいで通報されてしまうではないか
まぁここに人が通ることなど滅多にないのだが
あともう少し声をかけてもダメなようだったら放っておこう
揺らしても揺らしても目を起こす気配は見せない
「……ッ!!」
あ、もう無理だ諦めよう
と手を離すのとソニックが意識を取り戻すのは同時であった
ゴン!といい音が鳴る
「~!!」
「ご、ごめんソニック……」
危うくもう一度気を失うところである
暫し悶絶してから正気を取り戻した
まだ後頭部は痛そうで、これ以上の痛めつけないように手で押さえている
この現状は何となくだが察することはできた
おそらくサイタマに勝負を挑み負けたのだろう
服が破けているところをみると少し相手をしてくれたのだろうか
「名無しさん……貴様何故ここにいる……」
「えと、サイタマのとこに……」
「そうか」
今一、会話のキャッチボールができえてるのかできていないのか
できているのだが、相手の投げる箇所が悪いという感じだ
ソニックは顔を顰めて、名無しさんのことは見ていなかった
「あれ、ねぇソニック髪の毛どうしたの」
「!!」
後頭部を支えていた手が次は軽くなった髪を触る
前まで結んでいた髪の毛は肩より短くなっていた
そういえば首元が涼しいと思ったら紫のマフラーもしていない
サイタマの奴、やりすぎなのでは?と思う
「クソ……あの金魚の糞の野郎……!!」
「金魚の糞?」
「あのクソガキのことだ!!」
クソガキとは、と考える
ひょっとしたらジェノスのことだろうか
そう告げると、当たったようで唇を噛みしめ顔に血管を浮かせた
なるほど、マフラーと髪をそんな風にしてしまったのはジェノスであったか
容赦を知らぬ彼にはありえることだ
話を聞けば、最終的にやったのはサイタマだったそうだが
ソニックの何度負けてもめげない精神には名無しさんも賞賛する
髪の毛を取られたことに、容姿をこんな風にされたことに怒っているのではない
こんな風にされたことで、自分の弱さを露見することが屈辱的なのだと
「ふーん、でもさ、ショートも似合ってるよソニック」
「んなッ!?」
「男前になったよ」
「そ、そうか」
悔しがっていた顔が途端に明るくなる
短くなってしまった髪を触り嬉しそうだ
ソニックが尻餅を上げたらワンテンポ遅く名無しさんも立ち上がる
「名無しさん!今日のところは見逃してやる。だが、次は勝負しろ!!」
「へ、あう、うん。お大事にね」
最後、嬉しそうな面持ちで鼻を鳴らし黒い影を一瞬だけ残してこの場から去っていった
何だったのか、しかし考えるだけ無駄なので名無しさんは足早にサイタマの家へと行った
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