七十五発目
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「あーどっこいしょ」
名無しさんは親父臭い言葉とともにその場へ座りこんだ
女性として恥じを持つべき格好である
まぁ、これが彼女の普段家でいる格好なのだが
そんな名無しさんの姿にソニックとライヤは呆然とした
思わず立ち上がる
「はぁ!?テメェふざけんなよ!!戦うんじゃねぇのかよ!!」
「「え?何で? 私は関係ないじゃん。これは君とソニックの戦いでしょ?」
今までの空気をすべて壊すぐらいの笑顔で名無しさんは答えた
ライヤの息が荒くなる
これが彼にできる精一杯の怒りの抑え方だった
「あぁわかったよ。じゃあそこで見てればいい!!コイツが!!死ぬ姿をなぁ!!既にボロボロなんだから、一瞬で片はつくぞ!!」
そう言った矢先、ライヤはソニックの脇腹を狙って脚を振りかざす
ソニックは後方転回で避ける。更にまた後ろへ
まるで蝶が舞うような動き
名無しさんはソニックのほうへ首を捻る
「いけるでしょ?ソニック」
「当たり前……だっ!!」
ライヤとは対極のようにソニックは軽やかに地を蹴った
床にヒビが入ることはなく、ただ砂だけが舞い散っている
そして思いっきりライヤの近くの床を蹴り上げた
床、というよりは砂というほうが正解だろう
戦っていて床は床の役目をほぼしていなかった
蹴り上げられた砂がライヤの目へ入った
目の異物に悶えるライヤへ躊躇せず蹴りを繰り出す
しかしその脚はギリギリ顎の下を通過してしまった
目が使えなくても、気配でわかったということだ
ライヤは「バカが」と呟き笑った
「!!??」
世界が反転していた
顔面が床に当たっていた
何が起きたのか理解しようとする前にまずは立ち上がることを優先させた
床へ手をつき、立ち上がる
だが
「ア゛ぁ!!??」
またしても自分の身体が床へ大衝突した
ライヤは世界が反転して見えていた
何が起きているのか、どうなっているのか
脳の中のコードが絡むに絡まって、解こうとしてもさらに絡まってしまうだけだった
やがて千切れ――電線から火花が咲く
もはやライヤは錯乱状態であった
そんなライヤをソニックはただただ見つめているだけだった
ソニックが仕掛けた攻撃は皮一枚の攻撃だった
顎の皮一枚スレスレをかすることによって、ほんのわずかに”振る”ことができる
脳を
そうして正常な機能を失った脳は次々ライヤへ”ありえないこと”をインプットさせた
既にライヤは戦える状態ではなかった
ソニックは走り出し、残り二本しかないクナイをライヤの首の付け根へ刺した
「ヒィッギィィィィィィ!!!」
絶叫が部屋全体を振るわせた
チリチリと砂が降ってくる
ライヤの鋼鉄で覆われた身体が剝がれ、肌色の肉体が露わになっていた
花が枯れていくように、死んでいくように
――やはり、首の付け根が弱点だったか
ソニックの読みは当たっていた
鋼鉄になってから最初に戦ったときに攻撃が唯一効いたのがこの部位であった
次に、巨大化する時にした注射をしたのもここであった
だから首の付け根、ここの部位は実験の手術痕なのではと予想したのだ
人間であり、弱点である部分
ソニックは枯れていくライヤを静かに見つめていた
「哀れな奴だ」
どうしてこんなにも戦いに差がついてしまったのだろうか
ライヤのほうが優勢であったというのに
様々な理由があるだろうが、一番は気持ちの問題ではないだろうか
最初ソニックは名無しさんが人質として捕らえられていたため気持ちに余裕がなかった
だが名無しさんが無事だとわかったら気持ちに余裕ふができた
逆にライヤは人質が逃げてきて、しかも超人的な力を持っているという自分の理解の範囲を超えた出来事によって気持ちに余裕がなくなってしまった
きっとこれが理由だろう
よく漫画や映画でもあるだろう
愛する人を守るために超人的な力が覚醒するということが
きっと、それと似たようなものだ
「お疲れさんーソニック」
「あぁ」
名無しさんが出てきた穴から、僅かな風が入ってきた
その風はソニックの体を撫でる
火照った体に心地が良い
汗で顔にへばりついてしまった髪を掻き分けながら大の字になるライヤへ近づいた
右手には残り一本のクナイを握って
名無しさんは親父臭い言葉とともにその場へ座りこんだ
女性として恥じを持つべき格好である
まぁ、これが彼女の普段家でいる格好なのだが
そんな名無しさんの姿にソニックとライヤは呆然とした
思わず立ち上がる
「はぁ!?テメェふざけんなよ!!戦うんじゃねぇのかよ!!」
「「え?何で? 私は関係ないじゃん。これは君とソニックの戦いでしょ?」
今までの空気をすべて壊すぐらいの笑顔で名無しさんは答えた
ライヤの息が荒くなる
これが彼にできる精一杯の怒りの抑え方だった
「あぁわかったよ。じゃあそこで見てればいい!!コイツが!!死ぬ姿をなぁ!!既にボロボロなんだから、一瞬で片はつくぞ!!」
そう言った矢先、ライヤはソニックの脇腹を狙って脚を振りかざす
ソニックは後方転回で避ける。更にまた後ろへ
まるで蝶が舞うような動き
名無しさんはソニックのほうへ首を捻る
「いけるでしょ?ソニック」
「当たり前……だっ!!」
ライヤとは対極のようにソニックは軽やかに地を蹴った
床にヒビが入ることはなく、ただ砂だけが舞い散っている
そして思いっきりライヤの近くの床を蹴り上げた
床、というよりは砂というほうが正解だろう
戦っていて床は床の役目をほぼしていなかった
蹴り上げられた砂がライヤの目へ入った
目の異物に悶えるライヤへ躊躇せず蹴りを繰り出す
しかしその脚はギリギリ顎の下を通過してしまった
目が使えなくても、気配でわかったということだ
ライヤは「バカが」と呟き笑った
「!!??」
世界が反転していた
顔面が床に当たっていた
何が起きたのか理解しようとする前にまずは立ち上がることを優先させた
床へ手をつき、立ち上がる
だが
「ア゛ぁ!!??」
またしても自分の身体が床へ大衝突した
ライヤは世界が反転して見えていた
何が起きているのか、どうなっているのか
脳の中のコードが絡むに絡まって、解こうとしてもさらに絡まってしまうだけだった
やがて千切れ――電線から火花が咲く
もはやライヤは錯乱状態であった
そんなライヤをソニックはただただ見つめているだけだった
ソニックが仕掛けた攻撃は皮一枚の攻撃だった
顎の皮一枚スレスレをかすることによって、ほんのわずかに”振る”ことができる
脳を
そうして正常な機能を失った脳は次々ライヤへ”ありえないこと”をインプットさせた
既にライヤは戦える状態ではなかった
ソニックは走り出し、残り二本しかないクナイをライヤの首の付け根へ刺した
「ヒィッギィィィィィィ!!!」
絶叫が部屋全体を振るわせた
チリチリと砂が降ってくる
ライヤの鋼鉄で覆われた身体が剝がれ、肌色の肉体が露わになっていた
花が枯れていくように、死んでいくように
――やはり、首の付け根が弱点だったか
ソニックの読みは当たっていた
鋼鉄になってから最初に戦ったときに攻撃が唯一効いたのがこの部位であった
次に、巨大化する時にした注射をしたのもここであった
だから首の付け根、ここの部位は実験の手術痕なのではと予想したのだ
人間であり、弱点である部分
ソニックは枯れていくライヤを静かに見つめていた
「哀れな奴だ」
どうしてこんなにも戦いに差がついてしまったのだろうか
ライヤのほうが優勢であったというのに
様々な理由があるだろうが、一番は気持ちの問題ではないだろうか
最初ソニックは名無しさんが人質として捕らえられていたため気持ちに余裕がなかった
だが名無しさんが無事だとわかったら気持ちに余裕ふができた
逆にライヤは人質が逃げてきて、しかも超人的な力を持っているという自分の理解の範囲を超えた出来事によって気持ちに余裕がなくなってしまった
きっとこれが理由だろう
よく漫画や映画でもあるだろう
愛する人を守るために超人的な力が覚醒するということが
きっと、それと似たようなものだ
「お疲れさんーソニック」
「あぁ」
名無しさんが出てきた穴から、僅かな風が入ってきた
その風はソニックの体を撫でる
火照った体に心地が良い
汗で顔にへばりついてしまった髪を掻き分けながら大の字になるライヤへ近づいた
右手には残り一本のクナイを握って
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