七十発目
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「今宵はこのパーティーをぜひ楽しんでいってください」
ホールの中央から出てきたのは小太りの中年だった
小太り特有の丸いフォルムと顎鬚に、笑うと細くなる目
ソニックは静かにソイツを見つめた
お喋りな口は止まらずに、いつまでも話し続けている
「私のためにこんなに人が集まってくれるとは嬉しい限りです」
司会者にも負けない演説だ
周りに居た紳士淑女も彼の登場を祝うように拍手している
男はその拍手に満足気のよう
ホールのでかいシャンデリアに照らされたその男の顔はとても少女売買を行っているとは思えないぐらい温厚そうな中年だった
しかし人は顔で判断してはいけない
例えば十五歳くらいの少女がサイコキラーだったり、人当たりの良さそうな老人が危ない薬を作っていたり
今までの任務上からソニックは少しも疑ってなどいない
もし行ってなどいなかったらそれは依頼人の情報収集不足だったことになる
もちろんそれでも報酬金はいただくが
でもソニックが重要視しているのは金ではなく強さ・・・即ち彼にとってスピードだ
強くなるために修行の一環として任務を受けたに過ぎない
どうして強くならなくてはいけないのか
それは自分よりも速くて強い相手がいたからだ
一人はハゲたヒーローの男
もう一人は平然と隣にいる少女みたいな見た目をした怪人だ
自分より速い者などいてはならない
これは彼自身のプライドの問題だった
そして里の秩序の問題でもある
絶対、倒さなくてはならない
もちろん今もこうしてぬくぬくと談笑している名無しさんを、だ
そしていずれは嫁に―
「楽しんでいただけてるかな?名無しさんちゃん」
ハッと我に返るソニック
いつのまにか演説も終わりソニック達のところへ来ていた
ソニックはどうも名無しさんのことを考えてしまうと自分の世界に入ってしまう
恋は盲目とはよくいったものだ
年齢も年齢なため大人なりの素直さがでないのである
首を軽く振り切り替えた
近くに歩み寄ってきた主催者を足元から頭の先まで相手にバレないように観察する
ついでに後ろにいる二名のボディーガードも、だ
おそらく主催者は何も持ってないだろう
そしてボディーガードの二名は内ポケットに拳銃一丁に腰におよそ刃渡り十五センチのドスを持っているだろうと彼は予測した
これらも幾多の経験を積んでるからこそわかることだった
相手の瞳孔、歩き方、かすかな鉄の香り
しかし脅威ではない。これぐらいならソニックならボディーガードを三秒ほどで倒せるだろう
やはりそこまで強いボディーガドではなかった
面白いくらいに計画通りだった。今回の任務も楽勝だ
ソニックにとって計算外だったのは名無しさんがいたことぐらいだ
「ん?後ろの男性は誰かな?」
「えっ。えーと・・・あー・・・」
わざとらしく目を逸らし頬をかく名無しさん
もちろん後ろの男性とはソニックのことだった
あきらかに動揺していることがわかる
それに対して舌打ちをしてしまうソニックは必死で頭をフル回転させる
そりゃ誘ったときには一人だったのに、急に男が寄り付いていたらおかしいだろう
今まで任務で知り合いにあったことなどなかったので言い訳が思いつかないのだ
だってこんなところで知り合いに出会うなんて誰が予想してただろうか
しかし早く何か言わないと怪しまれるのでソニックは何か思いつけたわけではないが口を開く
しかし名無しさんに遮られた
「この人なんか話しかけてきてそれで仲良くなりました!!」
「!?」
バッと慌てたような顔をして名無しさんを見るソニックとドヤ顔をする名無しさん
何故驚愕なのだというと、その言い方だと俺はただの変態ではないか、と焦ったのだ
名無しさんはすぐに素晴らしい言い訳を言ったぞ私すごい!と思っているのだろう
確かにリアリティのある言い分けだが、これに主催者は納得するだろうか?
不安そうにソニックは主催者のことを見てみると主催者は変な者を見る目でソニックを見ていた
片眉を上げ、眉間に皺を寄せながら
駄目だ、怪しい者と認識されてしまっただろう
これはもう主催者の監視の下におかれてしまって行動するのが困難になってしまう
正体がバレないにしろ、任務に支障が来るのはソニックにとっては痛手だ
諦めがちにソニックは瞼を閉じた
「・・・君」
ため息混じりに主催者は言う
「警察の厄介になるのはやめてくれよ」
ソニック達の横を通り過ぎるときに主催者はソニックの肩に手を置いた
歩き進める主催者とボディーガードの黒い背中をソニックは震えながら見つめた
「え、ソニック犯罪犯したの?」
「・・・」
懐にしまってあるクナイを握り締めているが、必死でソニックは我慢する
何もわかってない名無しさんは頭にハテナを飛ばしながらソニックを心配していた
ホールの中央から出てきたのは小太りの中年だった
小太り特有の丸いフォルムと顎鬚に、笑うと細くなる目
ソニックは静かにソイツを見つめた
お喋りな口は止まらずに、いつまでも話し続けている
「私のためにこんなに人が集まってくれるとは嬉しい限りです」
司会者にも負けない演説だ
周りに居た紳士淑女も彼の登場を祝うように拍手している
男はその拍手に満足気のよう
ホールのでかいシャンデリアに照らされたその男の顔はとても少女売買を行っているとは思えないぐらい温厚そうな中年だった
しかし人は顔で判断してはいけない
例えば十五歳くらいの少女がサイコキラーだったり、人当たりの良さそうな老人が危ない薬を作っていたり
今までの任務上からソニックは少しも疑ってなどいない
もし行ってなどいなかったらそれは依頼人の情報収集不足だったことになる
もちろんそれでも報酬金はいただくが
でもソニックが重要視しているのは金ではなく強さ・・・即ち彼にとってスピードだ
強くなるために修行の一環として任務を受けたに過ぎない
どうして強くならなくてはいけないのか
それは自分よりも速くて強い相手がいたからだ
一人はハゲたヒーローの男
もう一人は平然と隣にいる少女みたいな見た目をした怪人だ
自分より速い者などいてはならない
これは彼自身のプライドの問題だった
そして里の秩序の問題でもある
絶対、倒さなくてはならない
もちろん今もこうしてぬくぬくと談笑している名無しさんを、だ
そしていずれは嫁に―
「楽しんでいただけてるかな?名無しさんちゃん」
ハッと我に返るソニック
いつのまにか演説も終わりソニック達のところへ来ていた
ソニックはどうも名無しさんのことを考えてしまうと自分の世界に入ってしまう
恋は盲目とはよくいったものだ
年齢も年齢なため大人なりの素直さがでないのである
首を軽く振り切り替えた
近くに歩み寄ってきた主催者を足元から頭の先まで相手にバレないように観察する
ついでに後ろにいる二名のボディーガードも、だ
おそらく主催者は何も持ってないだろう
そしてボディーガードの二名は内ポケットに拳銃一丁に腰におよそ刃渡り十五センチのドスを持っているだろうと彼は予測した
これらも幾多の経験を積んでるからこそわかることだった
相手の瞳孔、歩き方、かすかな鉄の香り
しかし脅威ではない。これぐらいならソニックならボディーガードを三秒ほどで倒せるだろう
やはりそこまで強いボディーガドではなかった
面白いくらいに計画通りだった。今回の任務も楽勝だ
ソニックにとって計算外だったのは名無しさんがいたことぐらいだ
「ん?後ろの男性は誰かな?」
「えっ。えーと・・・あー・・・」
わざとらしく目を逸らし頬をかく名無しさん
もちろん後ろの男性とはソニックのことだった
あきらかに動揺していることがわかる
それに対して舌打ちをしてしまうソニックは必死で頭をフル回転させる
そりゃ誘ったときには一人だったのに、急に男が寄り付いていたらおかしいだろう
今まで任務で知り合いにあったことなどなかったので言い訳が思いつかないのだ
だってこんなところで知り合いに出会うなんて誰が予想してただろうか
しかし早く何か言わないと怪しまれるのでソニックは何か思いつけたわけではないが口を開く
しかし名無しさんに遮られた
「この人なんか話しかけてきてそれで仲良くなりました!!」
「!?」
バッと慌てたような顔をして名無しさんを見るソニックとドヤ顔をする名無しさん
何故驚愕なのだというと、その言い方だと俺はただの変態ではないか、と焦ったのだ
名無しさんはすぐに素晴らしい言い訳を言ったぞ私すごい!と思っているのだろう
確かにリアリティのある言い分けだが、これに主催者は納得するだろうか?
不安そうにソニックは主催者のことを見てみると主催者は変な者を見る目でソニックを見ていた
片眉を上げ、眉間に皺を寄せながら
駄目だ、怪しい者と認識されてしまっただろう
これはもう主催者の監視の下におかれてしまって行動するのが困難になってしまう
正体がバレないにしろ、任務に支障が来るのはソニックにとっては痛手だ
諦めがちにソニックは瞼を閉じた
「・・・君」
ため息混じりに主催者は言う
「警察の厄介になるのはやめてくれよ」
ソニック達の横を通り過ぎるときに主催者はソニックの肩に手を置いた
歩き進める主催者とボディーガードの黒い背中をソニックは震えながら見つめた
「え、ソニック犯罪犯したの?」
「・・・」
懐にしまってあるクナイを握り締めているが、必死でソニックは我慢する
何もわかってない名無しさんは頭にハテナを飛ばしながらソニックを心配していた
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