六十八発目
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ビルや家が斜めに一斉に倒れる
まるで空間が削られたように
もしかしなくても怪人の仕業なのだが
スーパーの特売品が入った袋を片手にマントをたなびかせる
いつものように何もかもを壊してしまう拳を振り下ろそうとした刹那
怪人自ら倒れた。いや自らじゃない
誰かにやられたみたいだ
その証拠に怪人の足に致命傷にならない程度の傷が
その場へ行ってみると、変な仮面を被ったガタイのいい男がいた
「何だお前」
「俺は、しゅ・・・しゅ、趣味で怪人を、やっているものだ」
「ボロス何やってんの」
「・・・俺が聞きたい」
脱力したように肩を落とすボロスになぜかドンマイという言葉がでた
お前の場合は怪人じゃなくて宇宙人が正解だろ
ボロスはため息をつきながら足に怪我を負って悶えている怪人を指差しながら
「こいつはどこへやればいいんだ」
「え、知らね」
「チッ・・・名無しさんのやつ・・・」
そういえば名無しさんはどうしたんだ
いつもなら怪人をこんなふうにしないで連れ去っていくような感じで趣味を終えるのだが
ボロスの言動から察するに名無しさんの代わりに来た、みたいな感じだ
名無しさんはどうしたんだ、と聞くと
「怪我をしたんだ。足にな」
「は!?」
「だから今病院に・・・サイタマ!?」
ボロスの最後の言葉を聞かずに地面を思いっきり蹴った
行き先はもちろんQ市の病院
住んでいる場所は知らないがQ市に住んでいることは聞いたことがある
とにかく俺は今までで一番の全力疾走でQ市にある病院を走り回った
そしてついに
「あれ、サイタマじゃん。どうしたのこんなところで」
「・・・っ名無しさん!」
病院の自動ドアからでてきたのはいつも通りに飄々として手をヒラヒラと振ってきた名無しさん
ただ、足には包帯を巻いて
左足を引きずってヒョコヒョコとこっちへ来る
「おまっ・・・どうしたんだよその足!?」
「あー、これね。うんまぁ・・・その・・・」
ヤカンを落として咄嗟に避けようとしたんだけど上に蹴り上げちゃって火傷しちゃったエヘヘ
だとよ。うん、こいつバカなんだろ
でっかいため息をついて疲れたようにその場にヤンキー座りをしてしまう
こんな病院の前でスキンヘッドの男がヤンキー座りとか周りの迷惑そのものだがしょうがない。こいつのせいだ
でもまぁ名無しさんが元気でよかった
肌色に眩しいくらい巻かれた包帯はみていて痛々しいものだった
でも火傷といっていたから包帯の中はもっと痛々しいんだろう
まったく、こいつという奴は…
しょうがない
「家までおくっていってやるよ。ホラ」
「え、なにその体制」
「おんぶ。歩くの辛いんだろ」
名無しさんに背をむけしゃがむ
自分でもこんなベタなことするのは恥ずかしいことだが、引きずりながら歩いている名無しさんの姿を見て放っておけない
名無しさんは驚いてたけど、すぐにくずしたような笑顔でおじゃまします、と俺の背中に体を全部あずけてくれた
女性特有の柔らかい身体が背中で感じて変に鼓動がなる
もちろんよくありがちな大きな胸が当たって、というのはないのだが
それを言ってやると名無しさんは体を震わして殴る素振りを見せる
そんなかわいらしい姿にまたしても心臓が脈うつがそれを誤魔化すように笑う
いつもと変わらない会話で家までおくって行った
俺の家と張り合えるようなアパートの扉を開いてリビングの座布団の上に下ろしてあげる
「ありがとねー、サイタマ」
「おう。ていうか家案外普通だな」
「案外ってなんだ、案外って」
名無しさんとはそこそこの関係だったつもりだったのだが、実は一回も名無しさんの家に遊びに来たことはなかった
少し家の中を見回してみて、食器やタオルが多かったり男物の服が干してあることに何か重いものが胸に圧し掛かるようだった
まるで空間が削られたように
もしかしなくても怪人の仕業なのだが
スーパーの特売品が入った袋を片手にマントをたなびかせる
いつものように何もかもを壊してしまう拳を振り下ろそうとした刹那
怪人自ら倒れた。いや自らじゃない
誰かにやられたみたいだ
その証拠に怪人の足に致命傷にならない程度の傷が
その場へ行ってみると、変な仮面を被ったガタイのいい男がいた
「何だお前」
「俺は、しゅ・・・しゅ、趣味で怪人を、やっているものだ」
「ボロス何やってんの」
「・・・俺が聞きたい」
脱力したように肩を落とすボロスになぜかドンマイという言葉がでた
お前の場合は怪人じゃなくて宇宙人が正解だろ
ボロスはため息をつきながら足に怪我を負って悶えている怪人を指差しながら
「こいつはどこへやればいいんだ」
「え、知らね」
「チッ・・・名無しさんのやつ・・・」
そういえば名無しさんはどうしたんだ
いつもなら怪人をこんなふうにしないで連れ去っていくような感じで趣味を終えるのだが
ボロスの言動から察するに名無しさんの代わりに来た、みたいな感じだ
名無しさんはどうしたんだ、と聞くと
「怪我をしたんだ。足にな」
「は!?」
「だから今病院に・・・サイタマ!?」
ボロスの最後の言葉を聞かずに地面を思いっきり蹴った
行き先はもちろんQ市の病院
住んでいる場所は知らないがQ市に住んでいることは聞いたことがある
とにかく俺は今までで一番の全力疾走でQ市にある病院を走り回った
そしてついに
「あれ、サイタマじゃん。どうしたのこんなところで」
「・・・っ名無しさん!」
病院の自動ドアからでてきたのはいつも通りに飄々として手をヒラヒラと振ってきた名無しさん
ただ、足には包帯を巻いて
左足を引きずってヒョコヒョコとこっちへ来る
「おまっ・・・どうしたんだよその足!?」
「あー、これね。うんまぁ・・・その・・・」
ヤカンを落として咄嗟に避けようとしたんだけど上に蹴り上げちゃって火傷しちゃったエヘヘ
だとよ。うん、こいつバカなんだろ
でっかいため息をついて疲れたようにその場にヤンキー座りをしてしまう
こんな病院の前でスキンヘッドの男がヤンキー座りとか周りの迷惑そのものだがしょうがない。こいつのせいだ
でもまぁ名無しさんが元気でよかった
肌色に眩しいくらい巻かれた包帯はみていて痛々しいものだった
でも火傷といっていたから包帯の中はもっと痛々しいんだろう
まったく、こいつという奴は…
しょうがない
「家までおくっていってやるよ。ホラ」
「え、なにその体制」
「おんぶ。歩くの辛いんだろ」
名無しさんに背をむけしゃがむ
自分でもこんなベタなことするのは恥ずかしいことだが、引きずりながら歩いている名無しさんの姿を見て放っておけない
名無しさんは驚いてたけど、すぐにくずしたような笑顔でおじゃまします、と俺の背中に体を全部あずけてくれた
女性特有の柔らかい身体が背中で感じて変に鼓動がなる
もちろんよくありがちな大きな胸が当たって、というのはないのだが
それを言ってやると名無しさんは体を震わして殴る素振りを見せる
そんなかわいらしい姿にまたしても心臓が脈うつがそれを誤魔化すように笑う
いつもと変わらない会話で家までおくって行った
俺の家と張り合えるようなアパートの扉を開いてリビングの座布団の上に下ろしてあげる
「ありがとねー、サイタマ」
「おう。ていうか家案外普通だな」
「案外ってなんだ、案外って」
名無しさんとはそこそこの関係だったつもりだったのだが、実は一回も名無しさんの家に遊びに来たことはなかった
少し家の中を見回してみて、食器やタオルが多かったり男物の服が干してあることに何か重いものが胸に圧し掛かるようだった
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