五十五発目
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俺は偽者のヒーローだ
誰かの活躍を横取りして、ヒーローなんかやっちゃって
こんなの怪人よりもよっぽどタチが悪い
怪人よりも悪の存在だな、と常々思う
そんな俺でも本物のかっこいいヒーローに憧れがないわけじゃない
画面の向こうで困ってる人を助けるその姿には胸があつくなるものだ
ゲームをやっていると自分が強くなったような気がして
自分がヒーローである、という感覚に酔いしれることができた
だから今日もコントローラーを握り締める
『ヂュエエエエエエ!!貴様等全員餌にしてやる!!』
「何言ってんだ!!こっちはキングさんがいるんだぞ!!お前なんて三秒あれば殺せるぞー!!」
「そうだそうだー!!」
「やっちまってくださいキングさん!!」
ドッドッドッドという激しい鼓動音が観衆の声に混ざり聞こえる
俺の鼓動音なのだが
最悪。最悪だ
ちょっとコンビニに軽食買いに行っただけなのに
怪人に出くわすなんて
ほとほと自分の悪運の強さに呆れる
『なんで何もしてこねぇ!?なめてんのか!!』
「・・・」
「あったりめーだろバーカ!!キングさんから見たらお前なんて蚊と変わらねーんだよ!!」
「一瞬で勝負がついちゃうしね!!」
恐怖で体が動かないだけです
名無しさん氏早く来ないかなぁ
怖い
『ムっムカツクぜえええええ!!!ヂュアアアアアア!!!』
怪人が俺にむかって拳を振り上げてきた
名無しさん氏助けてええええええ
『ゲ・・・グ・・・』
怪人が勝手に倒れた
「さすがキングさん!!触れずに倒すなんて!!」
「ヒューヒュー」
「・・・危ないから早くどっかへ行くんだ」
「わかりました!!」
市民がいなくなったくらいに怪人の後ろにあった電信柱へ駆け寄る
「名無しさん氏~。ごめん、ありがとう」
「いえいえ。けどプリン奢りね」
ニヒヒ、と笑った
たぶん後ろから石でも投げて気絶させてくれたのだろう
命を助けてくれたんだからプリンなんて安いものだ
「でもそれよりも先に協会に報告行ったら?そのあと一緒にコンビニ行こ」
「うん」
一緒に協会へ行く
今は仮面を被ってないし、普通の女の子だから何ので問題ない
でも周りからみたら何か親子に見えそう
名無しさん氏が幼すぎるんだよ
けど前に年齢聞いたら・・・
・・・格ゲーで負けた
名無しさん氏には外で待っててもらい俺は中へ入り受付をすませる
あぁ、ヤダな。人いっぱいる
俺を見てヒソヒソしてるし
こんな目立つ生き方じゃなくて、普通に、平凡に、通常な人生を送りたかったなぁ
「そ、それでは少しお待ちください(やっべぇ本物のキングさん)」
「あぁ」
待合室のソファに座り、コーヒーでも飲みながら待つ
外で名無しさん氏を待たせてるの悪かったかな
一緒に中で待ってればよかった
ふと、話し声が聞こえた
「なー、変人怪人って知ってるか?」
「あー・・・怪人助けるっていう?」
「そうそう」
変人怪人とはいわずもがな名無しさん氏のことだ
協会内で変人とか言われてるのは黙っといてあげてる
だって・・・知らないことほうがいいこともあるし
まぁ名無しさん氏はそんなこと言われてたってどうにも思わないんだろうけど
あの子はメンタル的にも強いし
「許せないよなー!せっかく怪人を倒したっていうのにそれを助けるなんてさ」
「本当だよ。あいつこそ本物の悪だよな」
何、言ってるのさ
本物の悪?名無しさん氏はそんなんじゃない
むしろヒーローと言える
俺が困ってるときはいつもいつも助けてくれた
怪人、だなんていってるけど
本当は俺が憧れてる、胸が熱くなるようなヒーローなのに
「おかげでポイント稼げねーし」
「お給料ももらえないしなー」
「あんな奴早く倒されちゃえばいいのに」
・・・誰かが言ってたっけ
”怪人よりも悪の存在は何だい?それは・・・君達人間のほうじゃないのか”
あぁ、そうだ。この前やったゲームの悪役が言ってたっけ
その通りだ。まったくもってその通り
そんな観衆の好感が欲しいだけでヒーローやってる君達の方が悪じゃないか
何の見返りも求めてない名無しさん氏のほうがヒーローとしてふさわしい
でも、俺に彼らのことは言えないんだろう
だって、
「・・・っ!」
友達の悪口を言われてるのに何も言い返さない俺のほうがよっぽど悪だからだ
誰かの活躍を横取りして、ヒーローなんかやっちゃって
こんなの怪人よりもよっぽどタチが悪い
怪人よりも悪の存在だな、と常々思う
そんな俺でも本物のかっこいいヒーローに憧れがないわけじゃない
画面の向こうで困ってる人を助けるその姿には胸があつくなるものだ
ゲームをやっていると自分が強くなったような気がして
自分がヒーローである、という感覚に酔いしれることができた
だから今日もコントローラーを握り締める
『ヂュエエエエエエ!!貴様等全員餌にしてやる!!』
「何言ってんだ!!こっちはキングさんがいるんだぞ!!お前なんて三秒あれば殺せるぞー!!」
「そうだそうだー!!」
「やっちまってくださいキングさん!!」
ドッドッドッドという激しい鼓動音が観衆の声に混ざり聞こえる
俺の鼓動音なのだが
最悪。最悪だ
ちょっとコンビニに軽食買いに行っただけなのに
怪人に出くわすなんて
ほとほと自分の悪運の強さに呆れる
『なんで何もしてこねぇ!?なめてんのか!!』
「・・・」
「あったりめーだろバーカ!!キングさんから見たらお前なんて蚊と変わらねーんだよ!!」
「一瞬で勝負がついちゃうしね!!」
恐怖で体が動かないだけです
名無しさん氏早く来ないかなぁ
怖い
『ムっムカツクぜえええええ!!!ヂュアアアアアア!!!』
怪人が俺にむかって拳を振り上げてきた
名無しさん氏助けてええええええ
『ゲ・・・グ・・・』
怪人が勝手に倒れた
「さすがキングさん!!触れずに倒すなんて!!」
「ヒューヒュー」
「・・・危ないから早くどっかへ行くんだ」
「わかりました!!」
市民がいなくなったくらいに怪人の後ろにあった電信柱へ駆け寄る
「名無しさん氏~。ごめん、ありがとう」
「いえいえ。けどプリン奢りね」
ニヒヒ、と笑った
たぶん後ろから石でも投げて気絶させてくれたのだろう
命を助けてくれたんだからプリンなんて安いものだ
「でもそれよりも先に協会に報告行ったら?そのあと一緒にコンビニ行こ」
「うん」
一緒に協会へ行く
今は仮面を被ってないし、普通の女の子だから何ので問題ない
でも周りからみたら何か親子に見えそう
名無しさん氏が幼すぎるんだよ
けど前に年齢聞いたら・・・
・・・格ゲーで負けた
名無しさん氏には外で待っててもらい俺は中へ入り受付をすませる
あぁ、ヤダな。人いっぱいる
俺を見てヒソヒソしてるし
こんな目立つ生き方じゃなくて、普通に、平凡に、通常な人生を送りたかったなぁ
「そ、それでは少しお待ちください(やっべぇ本物のキングさん)」
「あぁ」
待合室のソファに座り、コーヒーでも飲みながら待つ
外で名無しさん氏を待たせてるの悪かったかな
一緒に中で待ってればよかった
ふと、話し声が聞こえた
「なー、変人怪人って知ってるか?」
「あー・・・怪人助けるっていう?」
「そうそう」
変人怪人とはいわずもがな名無しさん氏のことだ
協会内で変人とか言われてるのは黙っといてあげてる
だって・・・知らないことほうがいいこともあるし
まぁ名無しさん氏はそんなこと言われてたってどうにも思わないんだろうけど
あの子はメンタル的にも強いし
「許せないよなー!せっかく怪人を倒したっていうのにそれを助けるなんてさ」
「本当だよ。あいつこそ本物の悪だよな」
何、言ってるのさ
本物の悪?名無しさん氏はそんなんじゃない
むしろヒーローと言える
俺が困ってるときはいつもいつも助けてくれた
怪人、だなんていってるけど
本当は俺が憧れてる、胸が熱くなるようなヒーローなのに
「おかげでポイント稼げねーし」
「お給料ももらえないしなー」
「あんな奴早く倒されちゃえばいいのに」
・・・誰かが言ってたっけ
”怪人よりも悪の存在は何だい?それは・・・君達人間のほうじゃないのか”
あぁ、そうだ。この前やったゲームの悪役が言ってたっけ
その通りだ。まったくもってその通り
そんな観衆の好感が欲しいだけでヒーローやってる君達の方が悪じゃないか
何の見返りも求めてない名無しさん氏のほうがヒーローとしてふさわしい
でも、俺に彼らのことは言えないんだろう
だって、
「・・・っ!」
友達の悪口を言われてるのに何も言い返さない俺のほうがよっぽど悪だからだ
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