31発目
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「今日はタコの唐揚げかな」
「いいな」
『ヒ、ヒィィ……』
「でもタコ高いよね」
「……確かに」
サイタマがジッとタコのような怪人を見る。
その目は敵意とか殺意とかではなく、食料を買うような目。
『自分! 食べても美味しくないですッ!!』
タコのような怪人は海人族という生き物らしい。
ずっと海で暮らしていた怪人で、陸を侵略しに来たとのこと。
タコの海人族は運が悪かった。
最強のヒーロー、サイタマに出会ってしまった。
運が良かったのは最強の怪人、名無しさんが助けてくれたこと。
サイタマと名無しさんが戦っているのを見て、タコの海人族は恐れた。
まったく見えない。なのに恐怖を感じている。
陸にこんな強い生物がいたとは。
「さ、君はもう海に帰りな」
『え、いいんですか?』
「いいよいいよ」
タコの海人族は後ろをチラチラ見ながら海へと帰っていく。
帰らせるフリして後ろから攻撃してくるのでは、と思い後ろを見ていたのだ。
タコの海人族は、もう陸を支配するなんてやめようと決意した。
名無しさんは頬を手のひらで温めるようにする。
先ほどサイタマに良いのを貰ってしまったからだ。
自分の服を見る。赤い血で汚れてしまった。
ふと、サイタマのヒーロースーツを見る。
確かこの黄色の布は上半身も下半身も繋がってたはず。
疑問をサイタマに聞いてみた。
「そのヒーロースーツ、トイレどうしてんの?」
「え、そりゃあ、まぁ」
「……もしかして全裸になの!?」
「……」
サイタマも大変なんだなぁ、と同情してしまった。
でもヒーロースーツは良い。
なんだか自分のシンボルになるし、市民からも覚えられやすいだろう。
よし決めた。
「サイタマ、この後暇」
「暇」
「一緒に買いに行かない?」
「何を?」
「怪人スーツ」
「なんだそりゃ」
名無しさんが説明する。
私もヒーロースーツのような怪人スーツが欲しいと。
これで私も怪人の中では有名になれるかもしれない!
まぁ、本当の目的があるのだが。
「面白そうだな、いいぜ」
「やったー! じゃ、1時間後にP市に集合ね」
お互い服が汚れているので、シャワーと着替えの時間が欲しいので1時間後に集合とする。
手を振ってお互い背中を見せた。
シャワー中、名無しさんは考えている。どんな服にしようか、どうせなら目立つものがよい。
赤いロボのみたいなのもいいし、コウモリモチーフのダークヒーローのようなのもいい。
だがスーツを考える以上に楽しみな事がある。
ワクワクと胸を鳴らしながら髪を乾かした。
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