26発目
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直感とは科学的に証明されていない人類の謎の一つだ。
それは悪いことを知らせるような、面倒なことが起きるような、そういったことを知らせてくれるものである。
他には、虫の知らせとも言う。
この間似たようなことは経験したが。
つまり、名無しさんは寝るときに悪い予感がしたのだ。
あくまで予感なだけ。名無しさんは気にせず目を閉じた。
「おい名無しさん。勝負しろ」
「勘って当たらないほうなんだけどなー」
ソニックが怪訝な顔をする。
自分がした質問に、適切な返答ではなかったせいだ。
はぁ、と息を吐く。
名無しさんは昨日の夜、嫌な予感はしたがそのまま寝てしまった。
そして起きたら窓にソニックがいたというわけだ。
大分意識がハッキリしてきた所で、ソニックの服を見る。
白と黒の服。囚人服だ。
あぁ、そういえばこの人は捕まってたなと思い出す。
「脱獄したに決まっている」
「えぇ。ちょっと困ります……」
罪人を匿うことは犯罪だ。
怪人である名無しさんだが、罪を犯すつもりはない。
何故なら監獄は地獄も当然の場所。
ご飯はまずいし、独りの時間もない。しかも映画では温かいシャワーすら無いと聞く!
そんな所に閉じ込められるなど、たまったものではない。
このままソニックを締めだそうとした時、空腹の音が聞こえた。
自分ではない。ソニックだ。
「あー、えー、と……ご飯一緒に食べます?」
名無しさんがそう言ってしまったのは、ソニックの空腹の音が可哀想だったから。
そりゃ監獄にいて、ここまで無一文。ご飯を食べるお金が無かったのだろう。
某の空に、という映画を思い出してホロリ、と涙を流しそうになってしまった。
「……飯は何だ?」
暫く悩んでいたソニックは結局、名無しさんに甘えることとした。
「いいか、食べたら勝負だ」
「はいはい」
お腹が空いていたのは事実。
利用できるものはとことん利用する。
ご飯を食べさせてもらうのも、そう、名無しさんの好意を利用するだけ。
窓の冊子から、名無しさんの部屋へと入る。
すると名無しさんが顔をしかめた。その顔には不快と書いてある。
「ちょっと臭いますね。お風呂に入ってくれません?」
「く……!?」
ソニックが自分の右腕を鼻に近づける。
スンスン、と臭いを嗅ぎ顔を青ざめていた。
今の今まで気付かなかったのか、と内心突っ込んだ名無しさんだったが先にソニックにバスタオルを渡す。
これで私も犯罪者か、と思いながら台所へ向かう。
昨夜残っていた肉じゃがをスクランブルエッグに混ぜ込んで、トーストを焼こう。
あとは冷凍庫に冷凍ブロッコリーがあるので、適当に味付け。
そして日課の牛乳を添えれば、適当簡単朝食の完成である。
テレビをつけて、ニュースを見ながらソニックを待った。
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