24発目
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朝。
快晴といってもいいほど、太陽がさんさんと輝いていた。
その下で背伸びをして、太陽の光を浴びているのが名無しさんだ。
ポストを確認し、新聞を取り出す。
「あら」
見れば、襲い掛かってきた家電の人が捕まった記事。
名前を見ると"関節のパニック"と書いてある。
それを見て、名無しさんの中に罪悪感が襲い掛かってきた。
今まで名前を間違えていたからだ。
いくら知らない人とはいえ、名前を間違えるのは失礼なことだったからだ。
この関節のパニックを捕まえたのはC級のヒーローだという。
おそらくサイタマだろう。
「チッ」
思わず舌打ちが出てしまう。
関節のパニックのせいでサイタマはヒーローという仕事を続けることができてしまったではないか!
よぼよぼと歩きながら冷蔵庫を開け、日課の牛乳を飲む。
そのついでに、昨日作った苺大福の様子も見てよしよし、と思う。
いつもお菓子作りは洋菓子ばかりだったので、和菓子に挑戦したのだ。
お菓子作りも趣味といえるのだろうか。いや、趣味は怪人だ。
自分も怪人協会のような組織があれば。趣味でお金を貰うことができれば。
いや、と首を振る。
趣味を仕事にして、上手くいくタイプか分からないからだ。
そんなことを考えながら、耳はテレビの音を聞いている。
「E市に怪人発生!!」
コップをシンクに置き、洗うか考える。
まぁコップ1個だし後でいいかと、仮面を取った。
E市にいたヒーローは閃光のフラッシュだった。
その名前を思い出し、名無しさんは聞いてみる。
「風刃脚!!」
「フラッシュさんって弟とかいます?」
「くっ……!」
名無しさんの呑気な質問は、答えが返ってくるわけがなかった。
質問をぶつけられたフラッシュは顔をしかめて、悔しさで震えていた。
深呼吸。冷静さを失っては駄目だ。
何度か攻撃してみたが、やはり避けられてしまう。
諦めて脚を下ろし、名無しさんの質問にやっと答えた。
「俺に弟などいない」
「えー? じゃあ関節のパニックって知ってますか?」
「関節のパニック? 誰だ」
「んー……」
名前が似ていると思い、もしや兄弟かと思っていた名無しさんだが違うようだ。
フラッシュは関節のパニックのことを全く知らない素振り。
しかし、同じ技を使っていた。
もしや自分が知らないだけで、メジャーな技なのだろうか。
考えてみるが、自分の身の回りでパニック以外にその技を使っている者はいないのだ。
「あの2人……なんだ?」
「女の子っぽいほうはほら……今、協会で話題になっている変人怪人。ヒーローはS級の」
「マジかよ……俺らC級のでる幕ないじゃん。早く撤退しようぜ」
「そうだな」
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