23発目
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「ごめんなさい」
空が橙色となり、日が半分しか顔を出していない。
そんな中で、ドアの影に入りながら名無しさんは頭を下げていた。
丁度、サイタマにつむじが見えるように。
「いや、俺もスマン。あんな大喧嘩になると思ってなくてよ……」
「私も思った。あんな最終章入るよ的な」
「なんだそれ」
クツクツと笑っているサイタマを見て、名無しさんは安心した。
良かった。いつも通りのサイタマだ。
もしまだ怒っていたら、許してもらえなかったら、という不安は余計だったようだ。
こうして、くだらない会話ができて良かった。
「じゃ、仲直りっつーことで……マジバトルすっか!」
「よしきた。覚悟しておけ!!」
サイタマも名無しさんも笑う。
その笑顔に曇りはない。二人の亀裂が無くなった証だ。
「ジェノスー、今から名無しさんと喧嘩してくるわー」
そう、台所にいるジェノスに向かって言った。
ドアから手を離し、閉まろうとした瞬間。
ジェノスがドアを思い切り押した。最早壊そうとしたのでは、と思うほど力強くだ。
「先生! 俺も! ついて行っていいですか!?」
「お、おう(何故必死の形相で……)」
ジェノスの瞳は、これ以上無いくらい輝いていた。
ずっと見たかった。2人が戦っているところを。
実力は、勿論サイタマのほうが強いと思うが……それでも、互角に戦えるのは名無しさんだけだ。
何か掴めるかもしれない。
果たしてどんな戦いになるのか、戦い方をするのか。
心臓は無いが、コアがチカチカとしているのが分かった。
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