21発目
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ジェノスが料理の練習を始めてから1週間が経った。
今テーブルに並んでいるのはジェノスが作った料理である。
勿論、サイタマの家のテーブルだ。
「美味い……」
「いや本当すげーよジェノス」
「ありがたいお言葉です先生!」
最初ゲテモノを作っていたのが嘘のように綺麗で美味しいご飯を作れるようになっていたのだ。
名無しさんは驚いてしまう。
まだ数回しか教えていないし、こんな短期間で習得するとは。
鼻が高い。と思ったが、お礼を言われてないことに気づいた。
まぁジェノスくんが言うわけないか、と諦める。
「これで私が教えることはないね」
「そうだな。感謝ぐらいしてやろう」
「なんでジェノスくんはそんな上から目線なの?」
ジェノスが名無しさんを見下ろして言う。
でも名無しさんは蔑視のような視線は気にしていないようで、喜んでいた。
まるで我が子が逆上がりができたような、テストで100点を取ったかのような、そのように喜んでいる。
それが、ジェノスにとっては不快でしかないのだが。
「おい、今日は夜食っていけ」
「だから何でそんなに上から目線なんだって。てかここサイタマの家でしょ」
「いいぞ」
「ほら見ろ。先生は器が広いんだ」
「じゃあお言葉に甘えて」
名無しさんがジッとジェノスを見つめる。
怪しい。
どうしてジェノス自ら自分を誘うのか。
もしかして、毒を盛られるのでは? そんな想像すらしてしまう。
自分は毒に耐えられるのか? 試したことがないので分からない。
頭を抱える。
どうする、どうすれば……。
「サイタマんちに銀のスプーンとかあったっけ……」
「そんな高価なもんあるわけないだろ」
「だよねー」
「なんかムカつく言い方だな」
毒が入ってたら入ってたで、仕方ない。受け入れよう。
寝っ転がり、これが最後だというように漫画を丁寧に読む。
最期の娯楽! 噛みしめて読もう。
キッチンで食器を洗ってくれているジェノスをチラリ、と見る。
「ジェノスくんはまた1歩大人になったね……」
「だな……1人で料理できるようになって……」
2人は過去のことを思い出す。
もはや口に入れていいものからできたとは思えない物を作り上げたことがある。
どうしてこんな物が。ある意味では才能ともいえた。
そんな料理を名無しさんは何十回も食べたのだが。
たった1回食べただけで弱音を吐くとは、サイタマもまだまだだな。と無い胸を張った。
そんなことで胸を張られても。しかも張れる胸無いだろ。
言いたいことをグッと堪え、目の前のニュースに集中した。
1/2ページ