20発目
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Z市のとある場所が壊滅状態。
理由はとある怪人が暴れたせいだ。
今回のS級会議は、この怪人の対処について話し合われる。
ヒーロー協会の暗い部屋で、モニターに変な仮面を被った人物が映し出された。
「……こいつが噂の怪人か?」
タンクトップマスターが、スタッフに尋ねる。
スタッフは「そうだ」と短く返答する。
片方の眉を動かす。まるで仮面を被った普通の少女だからだ。
タンクトッパーたちに任せても倒すことはできるのでは?
わざわざS級が出る幕ではないと、ほとんどの人物が思っていることだろう。
それを一番最初に口に出したのはクロビカリだ。
「まるで人間の女の子じゃないか。本当にこれにヒーローが何人もやられているのか?」
「舐めないほうがいい」
警告を出したのはアトミック侍だ。
目を瞑ったまま一粒の汗を流して、手を震わしていた。
そのまま息を吐いて、悔しそうに言う。
「俺の剣技が見切られた」
「なにっ……!?」
全員が驚いた。
アトミック侍の剣技は、ここにいる人物ですら見切ることができるかは不明だ。
一対一なら、勝負はどうなるか分からない。
そんなアトミック侍の技を避けたとは。
「俺とイアイを一発でやった」
加えていた棒をバキリ、と噛む力で折る。
余程悔しかったのだろう。震えた手と壊れた棒が物語っている。
童帝がモニターに映っている人物を見る。
飴を舐めながら観察するが、どこからどう見ても人間に見える。
まだ知らない情報でもあるのだろうか。
疑問を口に出す。
「なんの目的で怪人なんて助けてるんだろうね?」
「それは俺も思ったぜ。もしかして、何か組織でも作るつもりかぁ!?」
童帝の言葉に金属バットが反応した。
金属バットの顔には怒りの筋が浮かんでいる。呼び出されたかと思えば、怪人を名乗る人間についてだ。
くだらない。金属バットは思うが、油断はしない。
組織を作られたら面倒なのは分かっているからだ。
「ちょっとうるさいわよ! こんなやつさっさと見つけて私に報告すればいいじゃない」
タツマキはイライラしていた。
こんな雑魚のために時間を使われていることが。
アトミック侍が負けたからといって、どうせ自分にかかれば一瞬で終わる。
「この子……」
番犬マンが呟く。
それに気づいたスタッフが番犬マンを見た。
「どうした番犬マン」
「……いや、何でもない」
せっかく聞いたのに、とスタッフは肩を落とした。
揃いも揃って、S級と対話するのは難しい。
スタッフは続けてこの怪人について説明を始めた。
この怪人の名は"変人怪人"と呼ぶこととする。
災害レベルは"狼"と認定。
アトミック侍を一瞬で倒したのに、災害レベル狼? 疑問を持つが、すぐにスタッフが理由を話す。
特に町を破壊しているわけでもない。人に危険をかけているわけでもない。
ただ、怪人を助けているだけだ。
協会の災害レベル認定のマニュアルでは狼だ。
「でもいつ暴れるか分からない。今後この怪人の対策を……」
会議の初めから終わりまで、ゾンビマンは話を聞いていなかった。
こんな会議も対策も無駄だ。
アイツと対等に戦える人物はいるだろうか。タツマキでも勝てるか分からない、と考えている。
それに組織を作るなんて柄ではないし、集団行動が向いてないタイプだ。
悪い奴ではな……と思ったところで、首を振る。
いやアイツは悪い奴だ。財布の中身が、アイツを極悪人だと物語っている。
そんな中で、ドッドッドッドという音が聞こえてきた。
その音を鳴らしているのは、キングだ。
キングエンジンを鳴らしているのを聞き、スタッフが早々に会議を締める。
「これにて会議を終わりにします!!」
以上が、ヒーロー協会本部の会議内容であった。
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