18発目
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今日も平和。ニュースもゴリラが妊娠したことを報道する。
と思っていたのは一日だけであった。
今日も今日とて怪人は発生する。
いつものように安っちい仮面を被り、斬られそうな怪人を抱える。
街はほぼ壊滅。崩れていない建物を探すほうが難しい。
「何者だ、貴様」
「私は通りすがりのかいじ、」
「その変な仮面……貴様が趣味で怪人という変人怪人か?」
「は?」
変人怪人?
それが今抱えている怪人の名前だろうか。
いやでもこの怪人は仮面を被っていない。まるで熊のような怪人だ。
仮面を被っていて、趣味で怪人をしている。
それに当てはまるのは……。
「私じゃんッッ!!!!!!」
咆哮が怪人を気絶させ、空気を震えさせる。
この場にいる一般人は気絶するか、耳から血が流れていただろう。
しかしここはもう避難済。市民は誰もいない。
目の前に立つヒーローはS級ヒーロー13位閃光のフラッシュ。
流石S級というべきか。そんな咆哮にもピクリとも体を動かさない。
ひそかに、眉をひそめただけだ。
「変人じゃないですけど。怪人ですけど」
「どうでもいい。怪人なら、斬るまでだ」
フラッシュが刀を構える。
姿が人間に近かろうが怪人と名乗るなら駆除すべき。
どのような見た目でも容赦しないのがS級ヒーローだ。
「閃光斬!!」
普通ならフラッシュが消えたと思うだろう。
人間も怪人も、自分が斬られたと気づかないで死ぬのだ。
ただし目の前にいる名無しさんは違う。
「わぁ、お兄さん速いですね」
「ッ!!?」
手応えが無い。
後ろを振り返れば、斬ったと思った人物が胴体を繋いだまま同じ場所に立っている。
いや、片足が先ほどと違うことに気づく。
もしかして、この怪人は片足を動かしただけで避けたのか?
驚きでフラッシュは目を見開く。
そんなフラッシュに名無しさんは別の不安を抱いていた。
先ほどの構え、この速さ、見覚えがある。
嫌な予感が名無しさんの直感を呼びかける。
これはデジャヴだよ、面倒なことになるよ、と。
「……許されないことをしたな。俺の動きを見破るなど」
あぁしまった。面倒なことになった。
そして誰かに似ていた、の誰かを思い出した。
家電の忍者の人だ。
もしかしてこの流れは、また付きまとわれるのでは?
「名を聞いておこう。名乗れ」
「嫌です」
前のことを思い出し、ここはプライベートを明かしてはいけないと学んでいる。
「大体、自分から名乗るのが常識じゃないですか?」
「閃光のフラッシュだ」
「うわ無駄に素直ですね。名無しさんと申します」
フラッシュが予想外の素直さを出し、思わず名前を名乗ってしまった。
しまった、と思うのと同時に名前が似ているなと思った。
閃光のフラッシュ、家電のパナ〇ニック……。
まぁ二つ名はどうしても似てしまうものか。
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